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完全一致検索ができる目録、できない目録

2012-01-11

小谷野敦さんのブログの2012年1月12日の記事、「国会図書館OPACの壊滅状態」に驚いた。1月6日に新しくなった国立国会図書館のOPACでは、雑誌タイトルの完全一致検索ができないという。さらに著者名でも無理らしい。そこで急いで調べてみた。

■できない

■ある程度できる

国立情報学研究所の

ただし、いずれも件名検索ができません。

■できるはずだが?

「検索対象データベース一覧」に当然「NDL-OPAC」が含まれているが、資料種別に雑誌と新聞がない。

国会図書館は、「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」も公開したから、こちら経由で探すことはできる。


【追記 1/12 昼】

candideさんのブログ『図書館業務用メモ』の「フルタイトルでの完全一致検索」によれば、国会図書館「NDL-OPAC」の上部右の方にあるタブ〈検索式〉のページなら、雑誌タイトルの完全一致検索ができるそうです。

【追記 1/12 夕】

NDL-OPACのヘルプの、6.検索のヒントの「6-3こんなときは」に次の項目がある。昨日は見落としていた。

完全一致で検索したい
  • タイトル、著者、シリーズ名、件名の場合は検索語一覧をご活用ください。
  • その他、前方一致・完全一致ができる検索コードに対応するものがある場合は、検索式が使えます。
    例)TIT=世界 → タイトルが「世界」の本を検索

「ご活用」とは、上述の典拠データが利用できますよ、ということ。〈検索式〉のタブから参照できる。
ピンポイントで結果を得るには、〈検索式〉を使うほかないのだろうか。

(書きかけかも)

Categories: OPAC, 国立国会図書館, 目録

検索手順を短縮するノウハウ : Firefoxアドオンの合わせ技で業務効率をアップさせる

2010-08-26

業務のさまざまな場面で「検索」を行います。ウェブの検索では、今のところベストのウェブブラウザは「Firefox」だと思います。

業務を滞りなく行う環境を整えることもまた図書館の仕事、というわけで、Firefoxを使えば他のブラウザより効率的な検索ができる。実際にわたしの行っているノウハウを書こうと思います。

この手順は、2010年度の図書館実習の選書作業を行った際にも活用しました。今回の記事は、実習生が別のところでも使えるようにメモとして記録するものです。
Firefoxのダウンロードはこちらから

Firefoxの利点は標準のものに、さまざまな機能を追加できることです。アドオン(Add-on)といいます。 そのなかには「○○という機能を使わない」という機能もあります。

検索バーに検索エンジンを追加する

Firefoxの右上隅に「検索バー」があります。ここにテキストを入力すると、指定の検索エンジンを、そのサイトを開かずに検索できます。初期設定ではGoogleなどが登録されています。

この検索バーには初期設定以外の検索エンジンを追加することができます。

Firefoxサイトの「Firefox 用アドオン - 検索エンジン」のページには、多くの検索エンジンが用意されています。自分の使うものがあれば、ここで追加するとよいでしょう。個人的には辞書などが便利だと思います。そのほか検索サイトによっては、その場でFirefox用アドオンを配布していることもあります。

「検索エンジンの追加」の詳細はこちら=Firefoxのヘルプ

さらに「Add To Search Bar」というアドオンを入れることで、あらゆる検索サイト、たとえば当館のOPACも、検索バーに追加ができます。簡易検索でも、詳細検索のタイトル、著者名などの項目でも追加できるのです。

まず「Add To Search Bar」をアドオンに入れ、Firefoxを再起動します。

検索サイトのウェブページに検索窓さえあれば、検索バーに追加可能です。 検索窓の中にカーソルを移動させ、そこで右クリックします。「サーチバーを追加」を選ぶと、検索バーに追加されます。

ブラウザで選択した文字列で、すぐ検索

「Add To Search Bar」と組み合わせて使いたいアドオンが「Context Search」です。

「Context Search」をアドオンに入れ、Firefoxを再起動します。

ウェブページの文字列(自分が入力した文字列でも可)を選択して、右クリックします。「で検索: "選択した文字列"」から検索エンジンを選ぶと、検索バーと同様の検索ができます。

検索手順の短縮

通常の例と比較すると次の通りです。

Firefoxの検索バーを使う場合

  1. 文字列を選択
  2. コピー
  3. 検索バーにペースト
  4. 検索エンジンを選んで、検索

別のタブやウィンドウを使う場合

  1. あらかじめ別のタブやウィンドウに検索サイトを表示させる
  2. 文字列を選択
  3. コピー
  4. 別タブやウィンドウへ移動
  5. 検索窓にペーストして、検索

「Add to searchbar」と 「Context search」を併用する場合

  1. 文字列を選択
  2. 右クリックで「で検索: "○○"」から検索エンジンを選ぶ

このように動作(クリック回数)を半分で済ませることができます。一度これらのアドオンを入れれば、この工程を永久に半分に短縮できるのです。

パソコンを使った業務がほとんどなので、マウスを動かす回数やクリック回数を減らすことは、業務効率に決定的な意味を持つと思います。

別の話ですが、同じような観点から、ディスプレイは大きなサイズがよいといえます。当館では1999年から19インチを使用していますが、明らかに作業効率がアップしたと思います。図書館システムで複数のウィンドウを開くほか、それ以外にもブラウザ、メール、ワープロ・表計算など、いくつものアプリケーションを同時に使います。あたりまえですが、画面の大きい方がウィンドウを切り替える手間が少なくてすみます。またディスプレイは、目の健康に留意したメーカーの製品がよいと思います。いま見ているのは、EIZOのS1901-B(スタンドをEZ-UP Standに変更)です。

こうしたノウハウは、利用者がスムーズにブラウザを利用するときにも活用できると思います。

わたしのFirefoxの検索バーには、本を探すサイトがずらずら並んでいます。 Firefoxのアドオンには、検索以外にも、いろいろと活用できるものがあります。このあたり書き足りませんが、本日はここまで。

Categories: OPAC, インターネット, 情報検索, 選書

世界最大になるため、OCLCは知恵を集める

2007-05-02

『The Calhoun Report』のカレン・キャルホーン(Karen Calhoun)さんがOCLCの副社長になるってニュースがありました。コーネル大学図書館の重要なひとだったと思われる(↓下を参照)のですが、実は前の職場に戻るのですね。「世間」がある日本とはちがうことで物事が進むのだろう、と想像しています。おそらくニュースリリースにあるように、OCLCの想定よりも早く、欧米各国の目録が統合されようとしているのでしょう。今年もニュージーランドをスウェーデンなどなど……が加わるようですし。
また『Library Journal』誌のキャルホーンさんの記事によれば、アリゾナ大学図書館のエレナ・ノーラン(Elaina Norlin)さんもOCLC CAPCONへ移るそうです。大学図書館からひとが動きますね。

■カレントアウェアネス-Rの記事はこちら
■元は「Senior Associate University Librarian for Information Technology and Technical Services at Cornell University Library」でした。

短いですがこちらが本題。またまたOCLCへ、ひとが動きます。『Library Journal』誌に毎月コラムを書いているロイ・テナント(Roy Tennant)さんが、5月半ばに「RLG Programs group」に行くそうです。Vice Presidentに比べると扱いは小さいのですが、業界的には大きいと想像します。

■彼自身によるコメント「Ch-ch-ch-ch-changes」
『Resourceshelf』にあった公式なお知らせはこちら
■元は「User Services Architect for the California Digital Library at University of California」です。
余談ですが「カレントアウェアネス-R」は早いときには早いですね。先日も『Catalogablog』が4/19付で新しい目録系ブログを紹介しており、興味深いものだったので購読対象にしたのですが、すぐ記事にしていました。(4/20のこれ
さらに追記ですが(やっぱり書いておきます)、本当に重大なニュースはWorldcat Localです。この意味は大きい。ベータ版を導入したワシントン大学の説明はこちら。これについてのCA-Rはこちら

Categories: OCLC, OPAC, RLG

アマゾンで見つけた本の詳細ページに当館OPACへのリンクがつきます!

2005-07-14

取扱上の注意:この機能に関係するアプリケーションやアドオン Add-on(機能拡張 Extention)のバージョンアップによって、うまく作動しなくなることがあります。

  • 【この項目の加筆訂正】
  • 2005.7.15 利用上の注意=自己責任で!等、若干加筆しました。
  • 2005.7.20 Firefoxに関する加筆をしました。
  • 2006.1.20 Greasemonkeyのバージョンアップにより動作しなかったのを直しました。
  • 2006.2.17 取扱上の注意を冒頭に追加し、加筆訂正を書き改めました。
  • 2006.10.12 動作しなかったものを修正しました。
  • 2007.2.27 リニューアルしたOPACに対応しました。
  • 2008.2.24 動作しなかったものを一部修正しました。

アマゾンで本を探したときに、条件付きながら、「1クリック」で当館の所蔵を調べることができる方法を用意しました。条件とは次の3点です。

1. ウェブ・ブラウザはFirefoxを使います。Internet Explorerなど、これ以外ではできません。

2. そこにGreasemonkeyという機能拡張(Extention)を加えます(Install)。これにより、当館用のスクリプトを動かします。

◎Greasemonkeyはセキュリティ上の問題を起こすかもしれません。使用は自己責任で。(↓下の関連リンクを参照)

3. Greasemonkeyに、下のユーザースクリプトを加えます。右クリックして「Install User Script...」を選んでください。2006.1.20 2006.10.12 2007.2.27 2008.2.24更新しました。以前のスクリプトをご利用の方でこれを使いたい場合は、以前のものを削除してから、インストールしてください。

amaz_laasa3.user.js

※以前のスクリプトは削除してください。Greasemonkeyの「Manage User Scripts」に「Uninstall」があります。

アマゾン(日本でも、それ以外でも)で探した結果表示される本のタイトルの下(違う場合もある)に「愛知淑徳大学図書館でこの本を探す-ISBN」というリンクを割込んで表示させ、ワンクリックで、この本のISBNによって図書館にあるかどうかを調べます。

ネットではさまざまな本が紹介されています。そこにアマゾンへのリンクが張ってあることがあります。そういう場合、すぐに当館の所蔵調査ができます。ないときには、アマゾンで買えますし、他をあたってもいいし、リクエストしてもいいと思います。

さらに国立情報学研究所の『Webcat Plus』用スクリプトも用意しました。同様に右クリックして「Install User Script...」を選んでください。こちらも2006.1.20 2006.10.12に更新しました。以前のスクリプト(webcat_plus_as2.user.js)をご利用の方でこれを使いたい場合は、以前のものを削除してから、インストールしてください。

amaz_wcap1.user.js

これらのスクリプト、そのはじめは長谷川恭久氏の作成したもので、先月末、氏のブログ『COULD』の「図書館Web」というエントリで紹介されてから広がっているようです。すばらしい仕掛けをありがとうございます。メーリングリスト『かりん』への林賢紀氏の投稿で知りました。

長谷川氏のスクリプトをもとに多くの方が、おそらくは、行きつけの図書館のOPACが調べられるスクリプトを作っておられます。そのうちのお一人、Kazabana氏のブログ『データバックアップメモ - extended -』で出ていたものをもとに、当館用スクリプトに見かけを合わせた『Webcat Plus』用スクリプトを作りました。

[2006.10.12追記]Koumei_S氏の修正したスクリプトをもとに、アマゾン→当館、アマゾン→Webcat、を作成しました。
[2007.2.27追記]natu_n氏のスクリプトをもとに、アマゾン→当館、アマゾン→Webcat、を作成しました。
[2008.2.24追記]Koumei_S氏の修正したスクリプトをもとに、アマゾン→当館、を作成しました。
■関連→Greasemonkey - Firefoxまとめサイト(説明や便利なリンクがあります。)
■関連→Firefox拡張の「Greasemonkey」が人気上昇中-:セキュリティリスクも(CNET Japan 2005.3.24)
■関連→ITmedia Biz.ID - おとなの図書館活用術 Amazon編:3分LifeHacking 2007.6.27(わかりやすい説明があります。)

Categories: Amazon, OPAC, インターネット

主題目録をつくらねば!

2003-05-27

ここの図書館でも文献探索講習会を行います。文献探索に関連して、鹿島茂さんがこんなことを書いています。

「漠然としたテーマで探すとなると、図書館の方でちゃんとしたテーマ・キーを入力していないことが多いから、これはという本がなかなか浮上してこないのです。(中略)インターネット検索も、目次や索引までたどることができるものなら、たいした威力を発揮するかもしれないけれど、図書館などではそんなことは絶対にしないので、これはいまでも手作業に頼るしかないわけです。」

手作業とは、書庫に籠もって一冊ずつ内容を検討するとか、ちゃんとした本の参考文献一覧から資料をたどるとか、です。

■関連→『勝つための論文の書き方』(文春新書)(p. 112-117)

Categories: OPAC, 目録