先月、アマゾンに「Librarians'
Store」が開いた。アマゾンといっても「co.jp」ではなく「.com」の方である。図書館員のために用意され、図書館の発注受入や蔵書構築のニーズに応えるという。
2001年に立ち上げた法人口座(corporate
accounts)だが、図書館向けにサービスを拡張したようだ。まとめ買いのしくみ(approval slips → bulk
shopper)のほか、サイトを眺める限り今のところ特徴はよくわからないけど。
よく考えれば、もともと大口のお客は図書館だよね。
米国とはさまざまに事情が違うわけで、日本に開いたとしても「使い勝手次第」です。
とにかく気になる。(よね、書店の皆さん。)
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このたび当館では『パスファインダー・LCSH・メタデータの理解と実践:図書館員のための主題検索ツール作成ガイド』を出版しました。ようやく流通しはじめたようです。ちょうど同じ時期に北海道からもパスファインダーについて別の1冊が出版されて、ちょっと驚きました。
このガイドブックの編集補助(おもに執筆者の応援)として微力を尽くしたひとりとしては、より多くの人に活用してほしい。と同時に、出来の悪い部分もわかっているつもりであり、難有るところには耳を傾け、次の仕事へ生かしたいと思う。
ところで今日の本題は、もう3か月も前になるが、2005年2月に行われた「OCLCメンバー評議会」についてである。はじめてニュースを見たときから気になっていたが、関連文書を斜め読みすると、すごくおもしろい。
是非紹介したかったが「眼の病気」とか「雑誌原稿の執筆」とか「年度末・年度始めの繁忙期」とか「季節の変わり目のひどい風邪」とかそのほか重なって、時間が過ぎてしまった。
いくつかあるが、ひとつだけ取り上げたい。
何かを探そうとする人は、今やグーグルやヤフー、アマゾンの方法に慣れていて、そのやり方で探そうとする。それがどういうことか、これを読んでいるたいていの人はおわかりであろう。
探したいことについて思いついた単語をグーグルに入力すると、1秒くらいで、何かを表示してくれる。
OCLCはこれを現在もっとも受け入れられている方法として、まじめにとらえて、行うべきことを考えた。
そのひとつがOpen
Worldcatというプロジェクトである。Worldcatの書誌データをグーグルやヤフーに提供したのだ。その結果、グーグルやヤフーからのトラフィックは、2004年当初の数千から500万弱へ増加した。グーグルで検索したとき、結果リストに図書館の資料が並び、それを検索者に発見させる、このプロジェクトの効果を
OCLCは高く評価している。
そしてOCLCは「より大きく質のよい地球規模のWorldcat」を目指す、つまり「Worldcat=世界目録」この言葉通り、「truly
global WorldCat」になるというのだ。
Worldcatの拡張の方向は、中心に「MARC21、AACR2」、その外側に「NONMARC21」、さらに「NON MARC」ということである。
繰り返しになるが、「ひとがグーグルで何かを探す時、思いつきの単語をちょろっと入力して検索する」、この方法は圧倒的に利用されている。大量に集中したデータの蓄積から検索するパワーがあれば、日本の図書館も利用したい。できることは
(1)グーグルやヤフーやアマゾンで検索できる
(2)コトバで検索できる
この2つが考えられる。
(1)については、グーグルやヤフーの仲間に入れてもらうことだろう。つまりOpen
Worldcatだ。そこで考えるのだが、グーグルやヤフーの検索結果に表示させる(だけの)ために、Worldcatに加わることは正しいか。とはいえ、私たちの国の目録はどのレベルにあるかしら?
(2)は、コトバを目録に記述しておくことであろう。つまり件名である。件名がなくて使えない「雑誌記事索引」をいつまで放っておくの?と思いつつ。
あちらではFRBRを念頭に開発を進めているというし。
もちろん「グーグルでちょこちょこっと探す」という枠組み自体に疑いを持つことも頭の片隅において。
別な感想だけど、評議会の写真を見るとオヤジやオバサンが集まって活発なムードだなあ。
■関連→OCLCメンバー評議会とは(紀伊國屋書店)
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