LCSH(米国議会図書館件名標目表)とメタデータについて、同僚の鹿島さんが論文を書きました。『大学図書館研究
71号』(2004.8)に掲載され、先日届きました。意欲的な内容です。どうぞお読みください。(雑誌の表紙に大きな間違いがあるのは残念です。)
論文投稿後に関連する動きがありました。
10月8日に『国立国会図書館件名標目表2004年度版(暫定版;7月31日現在)』が公開されました。第5版の1991年以来の改訂で、件名標目の追加のほかにも全体を見直したそうです。『序説
付録B』に旧版との相違点が書かれており相当がんばったことがわかりますが、「○○することに努めた」というところ、ぜひ「○○している」となるように進めてほしいと思う。暫定版を公開したのは広く意見を求めるためで、2004年12月末日までにメールで受け付けています。「原則として個々の意見に対する回答はできませんが、いただいたメールはすべて拝見し、可能な限り次期更新時に反映させる」とのことです。「次期更新」がいつを指すのか不明ですが……。
ところで、一つの国で同じ言語の件名標目表を2つ持つようなところって他にあるでしょうか?
■関連→国立国会図書館件名標目表2004年度版(暫定版)の公開および意見募集のお知らせ
■関連→国立国会図書館件名標目表の改訂について
(2004/7/31)
※日本でよく使われる件名標目表の標目数(固有名をのぞく)の比較
標目表
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標目数
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LCSH 米国議会図書館件名標目表
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265,000
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BSH 基本件名標目表
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7,847
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NDLSH 国立国会図書館件名標目表 第5版
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17,133
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NDLSH 国立国会図書館件名標目表 2004年度版(暫定版)
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16,472
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Categories: LCSH, NDLSH (国立国会図書館件名標目表), 件名標目表
「酒に酔って騒ぐ利用者」を注意したところ、容疑者が自宅からナイフを持って戻り、事務室で刺された。「注意されて腹が立った」ということだ。命に別状はないようだが、大丈夫だろうか。多くの大学で構成員以外のひとへ図書館の施設利用を広げており、他人事ではない。どのような対策が考えられるだろうか。
ところでこの事件は10月16日夕方の出来事。18日付けの LISNews.com
にあったのですが、アメリカまで見に行って、こっち(日本)のニュースを知るって、何ともいえず腑に落ちない感じがありました。「知ってよかった」のだけれど。
■関連→LISNews.com
の記事
■関連→LISNews.com の記事の元記事(リンク切れ)
<http://mdn.mainichi.co.jp/news/20041018p2a00m0dm002000c.html>
■関連→LISNews.com の記事の元記事の日本語記事(リンク切れ)
<http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2004/10/16/20041017k0000m040094000c.html>
Categories: 図書館員 (司書), 図書館災害
(その1) Google
Desktop Search
ウィンドウズ用(Windows XP あるいは Windows 2000 Service Pack 3
以上)のフリーウェア=使用は自己責任で。Google
のインターフェイスで「自分のコンピュータ内のデータ」を全文検索できる。マイクロソフトのワードやエクセル(オフィス2000以上)のファイルやアウトルックのメールなどが調べられるらしい。ブラウザで動作する。
【追記(10/19):これを使って Google を検索すると、自分のコンピュータ内からの検索結果が先頭に、Google
の結果がその次に表示されます。】
(その2) All
of OCLC's WorldCat Heading Toward the Open Web
「Open WorldCat program」は OCLC の WorldCat が Google と Yahoo!
でも検索できるサービスだが、いよいよ2005年1月からパイロット事業ではなく、正規の事業となる。Barbara
Quintさんが『Information Today, Inc』で来年以降起こることについて書いています。
■関連→OCLC
Open WorldCat program
(おまけ) もしかして
「スペル修正候補」とメッセージしていたのが最近変わりました。英語では「Did you mean」と表示されます。結構ヘンなのが出るようで。
Categories: Google, OCLC, WorldCat
2004年10月8日、カリフォルニア州オークランドにて、95歳。
昭和26年4月に開校した Japan Library
School(日本図書館学校=慶應義塾大学文学部)の初代主任教授で、大きな恩人である。(個人的な知り合いではもちろんないが。)あなたが司書資格をもっていて図書館で仕事をしているひとなら、同僚か、教わった先生か、一人二人をあいだに置いた向こうに居られた方だ。
記事によれば、後日、サンフランシスコ大学(University
of San Francisco)において追悼の会が行われる。
Categories: 図書館員 (司書), 図書館情報学
アマゾンなどネット書店・古書店の便利さはお分かりのことと思う。図書館利用経験のあるインターネットユーザー300人(20~60代)を対象に行った、興味深い調査についてはリンク先を読んでいただきたい。
「図書館は無料で利用するもの」という利用者のイメージは、なかなか消えないだろう。
というコメントを読んで、「図書館が理解されていない」ことがわかる実例が増えた、と思った次第。理解されていないのは、もちろん「世の中」のせいじゃない。
Categories: ネット書店, 公立図書館
大学図書館の職員という同じ仕事をしている井上真琴さんが書いた本。彼我の規模の違いからであろう、「同志社ではそうしてるのか、へぇー」というところも多く、おもしろく読みすすむことができた。が、最後の最後、井上さんの「思い」が書かれたところがある。数行だがこれには驚いた。彼の立ち位置がわからなくなった。
とはいえ、これだけの文章である。労作には違いない。
Categories: 出版, 図書館員 (司書), 大学図書館