この本、何のために買ったの?
半年くらい前、とある公立図書館に行ったときのことである。リサイクルの棚があったので「何かないかな」と見ていた。こういう棚で良いものにあたったことがないのでテキトーに、そして職業柄反射的に、左から右へ順になめるように、本を眺めていた。そうしたら意外な本が引っかかった。
『われらの図書館』である。
「あれっ『われらの図書館』が捨てられてる…」と思ったら、その隣に『図書館資源の共有理念とその検証(論集・図書館情報学研究の歩み 第16集) 』が並んでいる。
請求記号ラベルなどで装備されているから、住民からの寄贈とかではなく、その図書館の蔵書だったものだ。除架・除籍されてリサイクルの棚に置かれていたのである。
リサイクルの棚にあるということは、最近○○年における貸出回数が○○回以下、○○年以前の出版、0[ゼロ]分類の排架可能冊数は○○冊まで、などの理由があるのだろうか。その図書館のサイトには基準が書かれていないからわからない。
しかし「最近○○年における貸出回数が○○回以下」が理由だとしたら、そんなこと、買うときにわからないか?
『われらの…』は「もしかしたら」ということもあり得るが、『図書館資源の…』はその見かけからして、公立図書館で貸出が多いわけがない。
で、「この本、何のために買ったの?」と思った次第である。
「図書館についての本」って、ある種の戦略から買うんじゃないの?
いや、もちろん選書基準という戦略はちゃんとあるのでしょうけど。
この2冊は有難くいただいて帰りました。