乳児期の発達心理学 Infant psychology ; Infants -- Development.

このパスファインダーは、発達心理学分野で "乳児期"に関する「何か」について調べるときの、最初の「みちしるべ」として利用できます。

発達心理学とは

受胎から死に至るまでの生体の心身の形態や機能の成長・変化の過程、これに伴う行動の進化や体制化の様相、変化を支配する機制や条件などを解明し、発達法則を樹立しようと目ざす心理学の一分科。発生心理学とよばれることもある。(『日本大百科全書』より)

「乳児期」の範囲

誕生から24ヶ月まで(『Encarta』ほか)や、誕生から生後1年半まで (『心理学用事典』ほか)など、領域や研究者の各論などによって違いがある。American Psychological Association (APA、アメリカ心理学会) が作成する『PsycINFO』では、乳幼児・児童の年齢層を "Childhood (誕生〜12年)" とし、"Neonatal (誕生〜1か月)" "Infancy (2か月〜23か月)" "Preschool age (2年〜5年)" "School age (6年〜12年)" と細分している。

関連情報

関連キーワード

  • Infant development
  • Pediatric psychology
  • Neonatal development
  • Early childhood development
  • Infant psychiatry
  • Child psychology
  • Developmental psychology
  • 赤ちゃん学
  • 児童心理学
  • 乳幼児心理学
  • 保育学
心理学系の論文作成法について書かれた代表的な本
関連するパスファインダー・文献案内

パスファインダーには、図書館の資料、インターネット上で提供されている文献、データベース、出版情報やリンクなど、選りすぐりの資料や情報資源が掲載されています。

もちろん必要な部分だけを参考にするのもよいですし、これら以外にも情報資源(リソース)はたくさんありますから、図書館員にお尋ねください。

※作成協力: 桂川光・塚本玲子 (2005年度図書館実習生)

I. 下調べ(事前調査)

まずは百科事典や主題別専門事典などを使ってトピックの概要をつかみます。情報資源や記事の末尾にある「参考文献」も忘れずチェックしましょう。

A. 百科事典

JapanKnowledge ジャパンナレッジ.

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『ジャパンナレッジ』は、百科事典や言語辞書、専門用語辞典、現代用語集などの辞書・事典を一度に検索できるデータベースです。ひとつのキーワードから各コンテンツを横断検索し、また本文閲覧も可能です。課題調査やレポート作成などに活用することもできます。収録コンテンツには『現代心理学辞典』(有斐閣)も含まれている。

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検索方法

キーワード欄に探したい「キーワード」を入力し、検索。
「発達心理学 乳児期」と入力して検索すると、9件の記事がヒットする。
『日本大百科全書』の記事では、「発達心理学」が4つのセクションで構成され、児童心理学との違いや研究分野・方法・展望などについて述べられている。「乳児期」の記事では、身体発達・精神的発達など8つのセクションで特徴を解説している。参考文献・関連サイトあり。

encyclopedia.com

Infancy」の見出し語内では概要・定義のほかに、身体の成長・運動の発達・音声の発達・認知と社会性の発達についてそれぞれ解説がある。参考文献のページあり。関連語に「Anatomy」。ほかに参照すべき項目として「Psychology」「Piaget, Jean」など。

B. 主題別事(辞)典・ハンドブック

心理学事典 . 新版. 1981.

「乳児期」 -- 652〜654ページ。
概要からはじまり、"運動の発達" "社会・情緒的発達" など6つのセクションに分けて解説。
解説内の太字は重要語(「生理的早産」「発達加速現象」など)。
参照項目に「愛着」「言語発達」「初期経験」「新生児」「幼児期」「臨界期」。
巻末に和文索引、欧文索引、外国人名索引あり。

[所在]2F/長 140/SH691/アB || B1/星 140/SH699/アB
[NCID]BN00640460

発達心理学ハンドブック.

「24章 新生児期・乳児期」 -- 430〜450ページ。
各章末に引用文献、巻末に付録(統計処理・発達指標一覧・発達テスト一覧)と人名・事項索引あり。NCID:BN07715502

143/A991-1、143/H434
4Fレファレンス/星  4F/星  レファレンス[和]/長  2F/長

乳幼児発達事典. 1985.

「乳児期」 -- 377〜378ページ。
「意義」「発達の特性」の順に解説。関連項目として「好奇心」「生得的解発機構」「インプリンティング」「解発刺激」「共生的関係」。
章末に参考文献、巻末に人名・和文・欧文索引あり。NCID:BN00340842

3761/I89  376/I89
4Fレファレンス/星  B1/星  レファレンス[和]/長  2F/長

児童心理学事典. 1974.

「1. 発達の概念と原理」「2. 発達段階と発達研究法」からはじまり、身体発達・情緒・知覚・記憶など23章で構成。
事項索引が11〜21ページ、文献が557〜584ページ、外国語索引が巻末にあり。文献では海外文献で邦訳があるものは邦訳の書誌事項を併記、日本で発表された文献はリストを独立して設けている。NCID:BN01191759

3714/KA38
4Fレファレンス/星  レファレンス[和]/長  2F/長

Infancy and developmental psychobiology. c1983.

Handbook of child psychology』(全4巻)の第2巻。乳幼児期の発達心理学研究について、精神生物学、行動生物学、周産期医学、遺伝学、視覚・聴覚、言語、認知、社会学などさまざまな視点から13の章で述べている。
各章末に参考文献、巻末に著者別・主題別索引あり。NCID:BA01273534

371/MU88-2/2  371/H293/2
B2/星  レファレンス[洋]/長  書庫D[洋]/長

C. 入門書

発達心理学分野における乳児期の位置づけや乳児の発達についての基本的なことがらを把握しましょう。

発達心理学入門 : 乳児・幼児・児童. 1990.

「第4章 乳児の認知と社会化」 -- 36〜60ページ、「第5章 乳幼児の家族関係」 -- 61〜81ページ。
「第1章 発達心理学への第一歩」「第2章 系統発生から見た発達」「第3章 胎児期」からはじまり、第6章から14章は認知やことば、社会生活などの各領域別で構成されている。
各章末に参考図書リスト、巻末に引用文献(章毎に記述)、人名・事項索引あり。NCID:BN04330239

143/MU93/1
B1/星  2F[和]/長

胎児・乳児期の発達. 1992.

新・児童心理学講座』の第2巻。「第1章 発達における胎児・乳児期の位置づけ」「第2章 胎児期の発達」「第3章 知覚と運動の発達」「第4章 情緒と気質」「第5章 知的機能の発達」「第6章 前言語的なコミュニケーション」「第7章 親子・社会的関係の発達」「第8章 発達初期の障害」で構成。各領域の専門家が分担して執筆している。NCID:BN07705076

3714/SH63/2
4F/星  2F/長

発達心理学 : 乳児期から児童期までの発達のすがたをとらえる. 1998.

「I. 発達の基礎的理解」 -- 1〜12ページ。発達段階・区分の各論や乳児期の特徴などを解説。
「II. 乳児期」 -- 23〜80ページ。親子関係・認知・社会的行動・運動の発達の4章で構成。
各章末に参考文献、241ページに学生用参考図書のリスト、巻末に人名・事項索引あり。NCID:BA34716492

376/F72
2F/長

D. 代表的な本

事典や論文などの引用・参考文献としてもよく利用されている本をいくつか紹介します。

乳児の世界 : 認識の発生・その科学. 1979.

原著はBower, T.G.R.(1941-) の『Development in infancy』(B2/星、371/B68)。主に乳児の認知能力の発達を中心に述べている。
267〜276ページに参考文献、巻末に人名索引あり。NCID:BN01517550

3761/B68  37611/B68
4F/星  2F/長

乳児の発達. 1999.

原著はBremner, J.(1949-)の『Infancy』(第2版の翻訳、原著は当館に所蔵なし)。心理学の初学者や乳児研究に興味を持つ一般の人に向けて、乳児研究の概観からはじまり、身体運動・知覚・認知・社会的発達などの各領域について過去の重要な研究を紹介しながら最近の動向について述べている。
巻末に参考文献、人名索引あり。NCID:BA43089994

3761/B72
2F/長

0・1・2歳児 : こころとからだの発達. 1981.

原著はMcCall, R B.(1940-)の『Infants』(原著は当館に所蔵なし)。乳児の発達についての研究成果を、育児に携わる者 (養育者や保育士など)向けにわかりやすく述べている。「第1部 乳児はどのように発達するか」「第2部 新生児の世界」「第4部 生後第2年」の3部全8章で構成。
巻末に索引、引用文献一覧あり。NCID:BN01191555

376/MA13
2F/長

E. 雑誌

発達心理学研究.

年3回刊。日本発達心理学会発行。当館では1巻 (1990)から最新号までを所蔵している。過去に掲載された記事は『MAGAZINEPLUS』と学会のサイト内にある『発達心理学研究目次』で書誌事項まで、『PsycINFO』で書誌事項と抄録までを見ることができる。NCID:AN10229548

バックナンバー室/長 は || B2雑誌/星

発達研究.

年刊。発達科学教育センター(CODER)発行。当館では1巻 (1985)から最新号までを所蔵している(4巻は欠号)。過去に掲載された記事は『MAGAZINEPLUS』で書誌事項まで、センターのサイト内にある『発達研究』のページで書誌事項と抄録までを見ることができる。NCID:AN10176667

紀要/長 Kは

別冊発達.

刊行頻度不明。季刊『発達』の別冊版。当館では1984年から最新号までを所蔵している。一部の巻を図書として星が丘分館で所蔵している。
「赤ちゃんウォッチングのすすめ」 -- 19巻 (1996)、「乳幼児精神医学への招待」 -- 9巻 (1989)など。NCID:AN10010573

バックナンバー室/長 は
B2雑誌/星 M14/は

日本子ども家庭総合研究所紀要.

(http://www.aiiku.or.jp/)

年刊。前誌名は『日本総合愛育研究所紀要』。当館では冊子体を33巻 (1996) より所蔵している。
ウェブ版は日本愛育研究所のサイトにあり(検索・閲覧ページは要登録・無料)。 ※ウェブ版はPDFで作成されているため、閲覧にはAdobe Readerが必要
NCID:AN00194061, NCID:AA11262660

紀要/長 Kに

Developmental psychology.

隔月刊。当館では1巻 (1969) から最新号までを所蔵している。過去に掲載された記事で "Neonatal (birth-1mo)" "Infancy (2-23 mo)" の年齢区分がついている文献が890件、「Infant Development」のSubjectがついている文献が130件ある。(『PsycINFO』で調査、2005年12月19日現在) NCID:AA0015060X

バックナンバー室/長 D


II. 情報集め (文献調査)

トピックの概要や位置づけをつかむことができたら、次はトピックに関する文献を収集しましょう。※各情報資源の解説内で検索手順の説明に使われた検索語(「」内のことば) は、そのままコピー&ペーストして検索の時に使うことができます。

A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す

まずは身近な場所である、愛知淑徳大学図書館で文献の収集をはじめましょう。長久手本館・星が丘分館のうち通常利用しない館に希望する資料がある場合は、「予約」のサービスを使って取り寄せることもできます。くわしくは閲覧カウンターにお問い合わせください。

愛知淑徳大学図書館OPAC.

(https://cat.lib.aasa.ac.jp/opac/)

図書館サイトのトップページの、「OPAC検索」横の「詳細検索」をクリックする。"件名" の欄に検索語を入力して検索する。「乳児 発達心理学」で和図書82件、「乳児 認知」で和図書12件、「Infant Developmental psychology」で洋図書9件、「"Infants -- Development"」(""も含める) で洋図書6件のヒット。ほかに使える件名として「"Infant psychology"」「Developmental psychobiology」など。(2018年5月15日現在)

B. レファレンス資料を利用して探す

PsycINFO.

学内から 学外から

アメリカ心理学会(APA : American Psychological Association)による、行動科学および精神衛生の分野における最大の情報資源。1800 年代から現在までの学術誌をカバーし、英語文献はもちろん、日本語文献も探すことができる。

アクセス方法
  1. 利用している端末によって、「学内から」「学外から」ボタンを選択
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    *「学外から」・・・Wi-Fiでネット接続の端末、自宅パソコン、スマートフォンなど、学内LAN「未接続」の端末
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検索の基本

発達心理学分野の文献で、乳児期を対象にして書かれた文献を探すには次の方法がよい。

検索のプルダウンから〈SU〉を選び、「"Developmental psychology"」(""も含める)と入力した上で年齢層を絞り込むとよい。
絞込みには、この検索結果から条件を追加する。
画面左中部にある "検索条件の変更" のタブをクリックし、"年齢層" の項目から "Neonatal (birth-1 mo)" "Infancy (2-23 mo)"のふたつを選択 (Ctrlキーを押しながらクリックすると複数の選択が可能)して検索すると314件のヒット。
日本語の文献を探すには "言語" の項目で "Japanese"を指定して検索する。「(SU "Infant Development")」(乳児の発達について書かれた文献) で日本語に限定して検索すると34件のヒット。(2018年5月15日現在)


III. その他の有用なサイトやリンク

日本赤ちゃん学会 (http://www.crn.or.jp/LABO/BABY)

医療・工学・心理学・社会学などの多面的な視点から乳児を考える学会。学会誌『ベビーサイエンス』はウェブで "ターゲット論文"を公開し、コメント論文を学会員が寄稿、コメント論文に対するターゲット論文の著者による回答をセットにしてまとめたものを冊子化するという形式をとっている。※ウェブで公開されているターゲット論文の閲覧にはAdobe社のAcrobat readerが必要

MedlinePlus : Infant and Toddler Development. (http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/infantandtoddlerdevelopment.html)

NLM (National Library of Medicine)が提供する『MedlinePlus』の中の乳幼児の発達に関するページ。"Basics" "Research" "Resources"などのコンテンツにわかれてウェブで利用できる情報資源を紹介している。gov/entrez/query.fcgi?CMD=search&term=%28child+development%5Bmajr%5D+OR+child+psychology%5Bmajr:noexp%5D+OR+growth%5Bmajr:noexp%5D+OR+personality+development%5Bmajr%5D+OR+infant+behavior%5Bmajr%5D%29+AND+%28infant%5Bmh%5D+OR+child,preschool%5Bmh%5D%29+AND+english%5Bla%5D+AND+humans%5Bmh%5D+AND+%28patient+education+handout%5Bpt%5D+OR+review%5Bpt%5D+OR+practice+guideline%5Bpt%5D+OR+guideline%5Bpt%5D+OR+clinical+trial%5Bpt%5D+OR+consumerj%5Bsb%5D%29&db=PubMed&orig_db=PubMed&filters=on&pmfilter_EDatLimit=240+days&tool=MedlinePlus" target="_blank">Pubmedでの検索結果』などもリンクされている。

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(20180515)