パスファインダー
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高脂血症 Hyperlipidemias.
このパスファインダーは、図書館の機械化について調べるときの、最初の「みちしるべ」として利用できます。
高脂血症とは
血液中の脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド)のうち、いずれかが高値を示す疾患(『高脂血症治療ガイド』より)
パスファインダーには、図書館の資料、インターネット上で提供されている文献、データベース、出版情報やリンクなど、選りすぐりの資料や情報資源が掲載されています。
もちろん必要な部分だけを参考にするのもよいですし、これら以外にも情報資源(リソース)はたくさんありますから、図書館員にお尋ねください。
(Satomi Kojima 20070219)
I.下調べ(事前調査)
どのテーマもそうですが、初めて調べる時は、まず百科事典や主題別専門事典などによって基本的な知識を確認して、テーマの概略をつかみましょう。
そして調査と並行して、「II. 情報集め(文献調査)」に使うキーワード(検索語の候補)を集めましょう。
引用・参考文献もチェックしておきましょう。
A. 百科事典
JapanKnowledge ジャパンナレッジ.
学内から 学外から BIB
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『ジャパンナレッジ』は、百科事典や言語辞書、専門用語辞典、現代用語集などの辞書・事典を一度に検索できるデータベースです。ひとつのキーワードから各コンテンツを横断検索し、また本文閲覧も可能です。課題調査やレポート作成などに活用することもできます。収録コンテンツには『現代心理学辞典』(有斐閣)も含まれている。
アクセス方法
- 利用している端末によって、「学内から」「学外から」ボタンを選択
*「学内から」・・・図書館のデータベース端末、情報教育センターの端末など、学内LAN接続の端末
*「学外から」・・・Wi-Fiでネット接続の端末、自宅パソコン、スマートフォンなど、学内LAN未接続の端末 - 「ログイン」ボタンを選択
検索方法
キーワード欄に探したい「キーワード」を入力し、検索。
「高脂血症」と入力して検索すると27件がヒットする。
『日本大百科全書』の見出し語「高脂血症」では、関連項目として「脂質異常症」のリンクがある。
『世界大百科事典』の見出し語「高脂血症」は、関連索引語を確認できる。(2023年7月10日現在)
B. 主題事典・辞典
標準・傷病名事典 : 全診療科対応/ICD-10準拠の傷病名・診断・治療法. 2005.
「E785 高脂血症」 -- 182ページ。概要のあとに "症状" "診断" "治療" の順に解説あり。各見出し語はICD-10(国際疾病分類第10版)の順に解説がある。高脂血症は「E70-90 代謝障害 > E78 リポ蛋白代謝障害及びその他の脂質血症」の「E78.5」に分類されている。関連する疾病の解説は同じ「E78」の付与された項目を見るとよい。
492/TE63
レファレンス[和]/長
MedlinePlus Medical Encyclopedia : High blood cholesterol and triglycerides.
"Illustrations" "Alternative names" "Definition" "Causes, incidence, and risk factors" "Symptoms" "Signs and tests" "Treatment" "Expectations (prognosis)" "Complications" "Calling your health care provider" "Prevention" の順に解説あり。(2006年11月27日現在)
C. 診療ガイドライン
疾病について調べる場合は、該当する疾病の診療ガイドライン (clinical practice guideline)に目を通し、予防・治療・予後についての標準的な指針を把握しましょう。
*どんなガイドラインが発表されているかを調べるには、ガイドラインを収集したサイト(例: 『Minds : 医療情報サービス』、東邦大学医学メディアセンター作成の診療ガイドラインリスト)を参考にするほか、パスファインダーの「II. 文献集め(情報収集)」で紹介している『医中誌web』『PubMed』などのデータベースで何らかの疾病名のもと、検索対象を "診療ガイドライン" "Practice guideline" に指定して検索するとよいでしょう
高脂血症治療ガイド. 2004.
日本動脈硬化学会編集。医療従事者向け。1997年発表の『高脂血症診療ガイドライン』が『動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版』として改訂された経緯がある。2004年版である本書は高脂血症のリスク管理の重要性を強調した内容になっている。巻末に参考資料として(「KEYWORDS」「食品選びのポイント」「代表的な大規模臨床試験」「高脂血症治療薬一覧」)と索引あり。章末に参考文献あり。
内容: 01 高脂血症 診断基準と疾患の考え方 ; 02 診断 ; 03 治療 ; 04 食餌療法 ; 05 運動療法 ; 06 薬物療法 ; 07 LDLアフェレーシス ; 08 原発成功止血用の診断と治療 ; 09 動脈硬化の臨床診断法 ; 10 専門医への紹介 ; 参考資料BIB
4932/N77/2004
書庫A/長CiNii
動脈硬化性疾患診療ガイドライン. 2002.
日本動脈硬化学会編集。医療従事者向け。2004年版の『高脂血症治療ガイド』が本書の内容を部分的に深めた内容となっているため、2冊を併読するとよい。巻末に引用文献あり。
内容: 1. 本ガイドライン作成にあたって ; 2. 高脂血症の診断基準(スクリーニングのための血清脂質値) ; 3. 動脈硬化性疾患の冠危険因子の評価と管理目標 ; 4.家族性(遺伝性)高脂血症 ; 5. 冠危険因子からみたカテゴリー別評価による治療 ; 6. 高齢者と助成に対する配慮 ; 7. おわりに ; 本文で引用した参考表 ; 引用文献 ; 抗高脂血症薬一覧 ; 索引BIB
49324/N77/2002
書庫A/長CiNii
D. 入門書
代謝疾患・内分泌疾患. 2001.
「高脂血症, 低脂血症」 --第3章「脂質代謝異常」内、64-72ページ。看護・医学の初学者向け。西洋医学に基づく記述だけでなく東洋医学や代替医療、医療人間学やEvidenve-based medicine and nursing (根拠に基づいた医学と看護)などをふまえてわかりやすく解説している。全体像をつかむためには「代謝疾患」の第1章から読むとよい。章末に参考文献、巻末に索引あり。『看護のための最新医学講座』第7巻。BIB
4929/H61-3/7
書庫A/長CiNii
高脂血症 . 日本臨床, vol59, suppl 2/3. 2001.
『日本臨床』の増刊特集号(通号776・778号)。高脂血症を上・下巻構成で体系的にまとめている。上巻は高脂血症の基礎知識となる文献を「第I編. 脂質・リポ蛋白代謝の分子機構」「第II編. 脂質代謝異常概論」「第III編. 高脂血症概論」のセクションにわけて掲載している。上巻653-659ページ(第III編)に田中明・藍真澄氏による「高脂血症の定義, 原因, 頻度」あり。下巻は臨床編。BIB
書庫A/長 4932/KO85/1-2 CiNii
E. 雑誌
からだの科学.
隔月刊。過去の特集記事「食と生活習慣病」 -- 249号 (2006)、「日本人のコレステロール値」 -- 248号(2006)、「肥満のコントロール」 -- 241号 (2005) などで高脂血症に関する文献がある。日本評論者のサイト内でバックナンバーの目次記事が検索できる。
バックナンバー室/長 B2雑誌/星 かCiNii
医学のあゆみ.
週刊。「特集 メタボリックシンドローム 2006-2007:REVISIT」 -- 217巻1号(2006)、「酸化ストレスと心血管疾患」 -- 218巻1号 (2005) など。『MAGAZINEPLUS』『医中誌Web』で目次情報を検索できるほか、医歯薬出版のサイト内で各号の目次情報を見ることができる。
バックナンバー室/長 いCiNii
臨床栄養.
月刊。過去の特集記事「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版 : そのポイントと栄養指導への生かし方」 -- 102巻1号(2003)、「分子栄養学からみた生活習慣病の予防と治療」 -- 103巻5号 (2003) 、「実践栄養アセスメント」 -- 99巻5号(2001) などで高脂血症に関する文献がある。医歯薬出版のサイト内でバックナンバーの特集記事が検索できる。
バックナンバー室/長 り
CiNii
II. 情報集め(文献調査)
おおよその内容が理解できたら、次は「I. 下調べ(事前調査)」で収集したキーワードを検索語として、関連文献を探します。まずは、身近にある図書館からはじめましょう。
各情報資源の解説には、検索語の例を示しました。ヒットした結果が多すぎる(少なすぎる)場合や目的にあった文献がヒットしない場合などは、複数の検索語を組み合わせる・検索語を変更する・絞込み等の条件指定を行うなど、検索方法を変えてみるとよいでしょう。
各情報資源の詳しい使い方や、当館に所蔵がない文献の入手方法は、レファレンスデスクで案内しています。
探したい資料の主題(テーマ・トピック)が決まっているときは、図書館のOPACやデータベースの検索項目の中で「情報資源が扱っている主題」を表す "件名(Subject)" の欄を使うと効率のよい情報資源の収集ができます。高脂血症を表す件名標目には、以下のものがあります。
- 「Hyperlipidemias」「Hyperlipidemia, Familial Combined」
→『Medical Subject Headings』(MeSH、医学図書館件名標目表) ※ウェブ版の『MeSHBrowser』や『MeSH』でも検索可- 「高脂質血症」「高脂質血症 - 家族性複合」
→『医学用語シソーラス』 ※『医中誌Web』内でも検索可件名を使った検索では「Hyperlipidemias」という中心的な主題をあらわすことば(主標目)に「Prevention and control」などのさらに限定するためのことば(副標目)を加えて「Hyperlipidemias -- Prevention and control(高脂血症の予防と管理)」に関する文献だけを探すなど、検索の範囲をさらに絞り込むこともできます。『PubMed』や『医中誌web』では、これらの標目を検索しながら確認・追加することができます。
パスファインダーでは各情報資源の検索方法や主題検索のための適切な検索語(「」内の記述)を案内しています。そのままコピー&ペーストして利用する、新たな検索語を応用して作成するなどして自分の研究テーマに沿った文献を効率よく探しましょう。
A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す
OPACの「詳細検索」の項目を上手に使って調べましょう。とくに「件名」はテーマに絞って資料を探すための便利な項目です。※図書館の目録を「OPAC(オーパック)」と呼びます。
愛知淑徳大学図書館OPAC.
目録は、本学図書館の図書や雑誌、視聴覚資料などを探すための必須の道具です
詳細検索で、〈件名〉に「高脂質血症」と入力して検索すると図書7件、「hyperlipidemia」では図書1件がヒットする。キーワードに「高脂血症」を入力して検索すると図書6件と雑誌の巻号タイトル2件がヒットするが、結果の中に直接トピックとは関係のない資料が入るので注意する。(2006年10月16日現在)
B. 索引・書誌などレファレンス資料を利用して探す
索引や書誌などのレファレンス資料は、研究に必要な情報を広く調べるときに大変便利です。レファレンス資料ではないけれども同じように活用できる資料も紹介します。下調べの段階で集めた情報以外に、もっと情報を集めたい時に活用しましょう。
PubMed.
収録文献の主題付与には『MeSH』を使用している。データベース内に件名検索機能あり。高脂血症を中心的な主題としている文献だけを検索するには、検索語を「"hyperlipidemias"[MeSH Major Topic]」とする。
※「hyperlipidemia」と入力して項目を指定せずに検索を行うと、「hyperlipidemia」でのキーワード検索とhyperlipidemiasで件名検索(「"hyperlipidemias"[MeSH Terms]」)をあわせた検索が自動的に行われる。
【件名を探してから文献を検索】
クエリーボックスのプルダウンメニューから「MeSH」を指定して「hyperlipidemias」で検索すると、該当するMeSHの標目形である「hyperlipidemias」「Hyperlipidemia, Familial Combined」がヒットする。どちらかの標目の詳細画面に入り、自分の探したい文献のテーマにあう条件(例:「diet therapy(食餌療法)」「rehabilitation(リハビリテーション)」など)のボックスにチェックを入れ、アクションバー(クエリーボックス下)の "Display" を "PubMed - Majour Topic Links" に切り替えると、指定した条件を主要トピックにした文献の検索結果が表示される。【Limitsで条件を指定して検索】
クエリーボックス(画面上部の検索窓)に「"hyperlipidemias"[MeSH Major Topic]」と入力し、"Limits" のタブをクリックして絞り込み検索画面に入り条件を指定する。結果画面を表示するには "Go" ボタンをクリックする。日本語で書かれた無料のフルテキストだけを検索する場合は「Japanese」と「Links to free full text」を指定する。(2007年2月19日現在)
医中誌Web.
学内から 学外から
医学中央雑誌刊行会が作成する医学文献の検索サービス。医学・薬学・歯学、さらに関連分野の定期刊行物(雑誌)に収録された論文の情報を検索できます。
日本語で英語文献を検索できる機能(PubMed検索)、論文の文書などをそのまま入力して類似検索できる機能(ゆるふわ検索)もあります。
アクセス方法
- 利用している端末によって、「学内から」「学外から」ボタンを選択
*「学内から」・・・図書館のデータベース端末、情報教育センターの端末など、「学内LAN接続」の端末
*「学外から」・・・Wi-Fiでネット接続の端末、自宅パソコン、スマートフォンなど、学内LAN「未接続」の端末 - 〈ログイン〉をクリック
- トップ画面の検索画面(論文検索)から検索を開始
※ 利用を終えるときは〈ログアウト〉をクリックして終了する
検索例
- 検索ボックスに「高脂血症」と入力して検索
キーワード「高脂血症/AL」と高脂血症の統制語*1である「高脂質血症/TH」をあわせた検索が自動的に行われる。 - 検索ボックスに「高脂質血症/TH」と入力して検索
用語の後に 統制語を表す "/TH" をつけることで、検索対象を高脂血症のテーマのみに限定できる。
*1 統制語
ルールに従って設定されたキーワード。論文の内容を示し、より効果的な検索を行うことができる。医中誌には次の2種類の統制語があり、〈シソーラスブラウザ〉で確認できる。
・シソーラス用語・・・『医学用語シソーラス』に登録された語
・医中誌フリーキーワード・・・『医学用語シソーラス』に未登録だが、重要だと判断し別途管理されている語
●統制語を探してから文献を検索
- 〈シソーラスブラウザ〉をクリック
- 検索ボックスに「高脂血症」と入力→ 検索ボタンをクリック
- 統制語の候補一覧が表示される。
各用語右のプルダウンボタンをクリックすると、類語を確認できる。
「高脂質血症」の類語に「高脂血症」を確認できたので、「高脂血症」の統制語は「高脂質血症」だとわかる。 - 「高脂質血症」のボックスにチェックを入れ 〈選択したキーワードで検索〉をクリック→「高脂質血症/TH」で検索
○そのほかの絞込検索の方法=〈絞り込み条件〉で指定
- 対象世代を指定→ 〈チェックタグ〉群の該当項目(例:幼児、小児など)をチェック
- 文献タイプを指定→〈論文種類〉〈研究デザイン〉群の該当項目をチェック
C. 他の図書館の資料を探す
レファレンスツールで探し当てた本や情報資源が身近な図書館になかった場合や、更に情報集めをしたい場合に他の図書館の資料も参考になります。
NDL ONLINE 国立国会図書館オンライン : 国立国会図書館蔵書 検索・申込システム.
国立国会図書館の所蔵資料および利用可能なデジタルコンテンツを検索して、資料の閲覧や各種の申込みができるサービス。
国立国会図書館 は日本の出版物を網羅的に収集している納本図書館であるため、当館にない資料も見つかります。図書や雑誌ほか映像資料や障害者向け資料など多様な形態の資料、さらに雑誌記事も同時に検索できます。 検索結果が多い場合は、画面左フレームの絞込項目を利用すると良いでしょう。
検索例
主題に絞った検索をする場合、〈詳細検索〉をクリックし、〈件名〉の項目にNDLSH(国立国会図書館件名標目表)などの標目形で検索するとよい。
高脂血症の件名は「高脂質血症」。
〈件名〉の欄に検索語を入力します。
「高脂質血症」と入力して "和図書" "洋図書" を指定して検索すると、和図書132件と洋図書3件がヒットする。(2006年10月23日現在)
NLM locatorPlus.
NLM(National Library of Medicine)が収集した情報資源(NLMの所蔵資料だけでなく、地域図書館の所蔵やウェブサイトなど)を検索できる。
検索例
●高脂血症に関する文献を探す
- 〈Search anything〉に「"hyperlipidemias"」と入力して検索
- 検索結果から、主題で絞り込む
〈Refine your results〉の〈MeSH〉をプルダウンすると、「hyperlipidemias」、「Hyperlipidemias Therapy」など関連のMeSHと件数を確認できる。
各MeSHをクリックすると、その語を主題とした文献に絞り込むことができる。
≪この結果から、情報資源の種別で絞り込む≫ - 〈Refine your results〉の〈Resource type〉をプルダウンして、Article(論文)など該当の種別をクリックする
※主題で絞り込むで使った〈MeSH〉は、関連キーワードとして活用するとよい。
III. 有用なサイトやリンク
日本動脈硬化学会.
『高脂血症治療ガイド』を刊行している日本動脈硬化学会のサイト。学会誌『Journal of Atherosclerosis and Thrombosis』の目次情報(1994-)および全文(2002-)と、『動脈硬化』の目次情報(1998-)が閲覧できる。(2006年10月22日現在)
Medscape today.
WebMD社提供。医療従事者を対象に、臨床の現場で役立つ情報を紹介している。"Resource centers" のコンテンツ内に高脂血症の専用ページがある。閲覧には利用登録(無料)が必要。(2007年2月19日現在)