音声学 Phonetics.

このパスファインダーは、音声学について調べるときの、最初の「みちしるべ」として利用できます。

音声学とは

言語の構成要素である音声を対象として研究する言語学の一分野。言語音を発するための音声器官、調音器官の運動や、発せられる音響、およびその聴取を研究する。『日本国語大辞典』(JapanKnowledgeから)

このパスファインダーは、特に英語の音声学を中心に作成しました。

パスファインダーには、図書館の資料、インターネット上で提供されている文献、データベース、出版情報やリンクなど、選りすぐりの資料や情報資源が掲載されています。

もちろん必要な部分だけを参考にするのもよいですし、これら以外にも情報資源(リソース)はたくさんありますから、図書館員にお尋ねください。

(2005/4/22 ; Revised 2018/11)

I. 下調べ(事前調査)

A. 百科辞典

平凡社大百科事典. 1984-1991.

「音声学」2巻1230・1231ペー ジ、「音声障害」5巻550ページ、「音声スペクトログラフ」2巻1236ページ、「音節」2巻1236ページ、「アクセント1巻140ページ、「発音」 11巻1163ページ。

031/H51 レファレンス[和]/長 CiNii

ブリタニカ国際大百科事典. 1991.

「音声学」は1巻951ページと3巻 581ページ、文献リストは「参考文献」の巻の275ページにある。「音声記号」、「音声外科」、「音声言語」、「音声言語医学」、「音声合声」、「音声 信号」、「音声スペクトログラフ」なども1巻951ページ、「音声法則」は7巻595ページ。「アクセント(言語)」は1巻54ページ、「発音」5巻 162ページ、3巻581ページ。「音声学」の文献は「参考文献の巻の275ページにある。CiNii

星が丘分館は改訂版 (1988)のものを所蔵するが見出し語の掲載個所は同じ。CiNii

031/B92 031/B92 
4Fレファレンス/星 レファレンス[和]/長

JapanKnowledge ジャパンナレッジ.

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『ジャパンナレッジ』は、百科事典や言語辞書、専門用語辞典、現代用語集などの辞書・事典を一度に検索できるデータベースです。ひとつのキーワードから各コンテンツを横断検索し、また本文閲覧も可能です。課題調査やレポート作成などに活用することもできます。収録コンテンツには『現代心理学辞典』(有斐閣)も含まれている。

アクセス方法
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検索方法

キーワード欄に探したい「キーワード」を入力し、検索。
「音声学」と入力すると約20件の記事がヒットする。(2018年10月5日現在)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』の記事では、「音声学(Phonetics)」の下、学問の概要に続き「研究方法」と「単位」の項に解説がある。
〈参考文献・音響映像資料〉では、音声学の古典的図書のリストがある。
『世界大百科事典』の記事では、「調音音声学」と「音響音声学」について、詳しい説明と文末には関連索引語へのリンクがある。

The encyclopedia of language and linguistics. 2nd ed. Elsevier. 2006.

"Phonetics" は7巻 p.244-245 に9巻 p.468-470に記述がある。CiNii

803/E581/   803/E581/ア
4Fレファ/星  レファレンス[洋]/長 

The Linguistics encyclopedia. 1991.

"Articulatory phonetics" 20-28ページ, "Acoustic phonetics" 1-10ページ, "Auditory phonetics" 42-48ページ,"Phonetic alphabet, International" 219-224ページ, "Phonetic change" 199-201 ページなどの項目がある。参考文献は[504]-542ページにあり。

803/MA39/A 803/L641/
B2/星 4Fレファレンス/星 レファレンス[洋]/長

International encyclopedia of linguistics. 2nd ed.

"Phonetics" Vol.3, 300 -310ページ。比較的やさしい英語で解説されている。Overview(概要)、History of the field(分野の歴史)、International Phonetic Alphabet(国際音声記号)からなる。参考文献あり。CiNii

803/I57/ア 803/I57
4Fレファレンス/星 レファレンス[洋]/長

B. 辞書

音聲學大辞典. 1976.

音声学を中心とした辞典。巻末に日本語で引ける項目総覧と英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・ハングル・ラテン語・ギリシャ語別の外国語術語一覧」がある。NCID:BN013920。

801/O67/A 801/O67
4Fレファレンス/星 レファレンス[和]/長

Dictionary of phonetics and phonology. 1996.

音声学分野の文献でよく使用される約 2,000語を収録。コンパクトにまとめられているので初心者向け。巻末には参考文献あり。NCID:BN013920。

831/TR2 8311/TR2/
B2/星 書庫D[洋]/長 レファレンス[洋]/長

言語学大辞典. 1988-2001.

主要な言語ごとに音韻の紹介がある。英語 に関しては第1巻879-880ページに記述あり。

803/KA34
レファレンス[和]/長 4Fレファレンス/星

C. 代表的な本・入門書

音声学. 1984. 

服部四郎による日本における音声学の古典。文中で紹介される各種音声をカセットテープに録音しており、カセットの内容を解説する小冊子も付録として提供されている。カセット・小冊子ともに、レファレンスカウンターにて別置。MMRで試聴可能。

8011/H44-1 書庫B/長CiNii

音声学.朝倉書店.2012

「本書は、英語学、日本語学、言語学を専門とする学生や、英語、日本語教育関係者などをおもな読者対象に想定し、音声学全般にわたる概説を試みた...記述の重点は主に英語の音声におき、必要に応じて日本語の音声を対照して論じることとした。本書は、いわゆる「発音教本」を意図したものであるよりは、あくまで「音声学」の重要事項の概説を心がけた...」―(本書「まえがき」)と説明があるように、音声学とはどのようなものなのかを、英語の音声を中心に分かり易く解説している。
内容:序章 音声学への誘い; 第1章 英語の標準発音と各種の変種; 第2章 母音; 第3章 子音; 第4章 音節・音連鎖・連続音声過程; 第5章 強制・アクセント・リズム; 第6章 イントネーション; 第7章 音響音声学.
巻末に索引と「英和対照用語一覧」がある。

80109/A85 4F/星

音声学概説. 1999.

Ladefogedによる "A course in phonetics" 第3版の翻訳書。英語の音声学と音韻論の基礎コース。この分野でもっとも実用的かつ総合的なテキストとして広く読まれている。各章末に練習問題と発音練習のセクションがある。「1 調音音声学」 「2 音韻論と音声表記」「3 英語の子音」「4 英語の母音と音韻規則」「5 英語の語と文」 「6 気流機構と発声のタイプ」「7 調音の位置と型」「8 音響音声学」「9 母音および母音に似た調音」 「10 音節と超分節的特徴」「11 言語学的音声学」の11部構成。

8011/L12-1 書庫B/長CiNii

英語音声学・音韻論入門 新版. 研究社. 2021.

英語音声学および英語音韻論について予備知識を持たない人のためにわかりやすく書かれた入門書。
母音・子音、音素論、音節構造、語強勢、リズムなど基本的な項目のほか、新版ではつづり字と発音の関係、第一言語および第二言語における音声と音韻の習得に関する章が加わった。
章末には練習問題がある。英語音声の例や練習問題で使用する音声は出版社ウェブサイトからダウンロードできる。

[所在]書庫D[和]/長 > 8311/C22/ア || 4F/星 > 8311/C22/ア
[NCID]BC0604551X CiNii

入門英語音声学. 研究社. 2012.

「音声学の知識がなくても読むことができる、英語音声学の入門書。単に知識を与えるのではなく、実際にどのように発音すればいいかを解説しているので、英語音声学の基本を理解したい人や英語の発音に詳しくなりたい人のほか、リスニングが得意になりたい人や発音が上手になりたい人にも役に立つ。」―(出版社の紹介ページから)
日本語の音声と比較しながら、英語音声の特徴について、音声学の理論に基づいてできるだけ平易に解説している。― (本書「はしがき」から)
紹介されている英語音声の例は、付属のCDで確認でき、英語・米語両方の例が録音されているので、ヒアリングを鍛える上でも訳に立つ。巻末には、参考文献と索引がある。。

8311/H44 書庫D【和】/長

英語音声学辞典 復刻版. 日本英語音声学会本部, 2015.

成美堂 2005年11月刊(第2版)の復刻版。
英語教育、とりわけ英語音声教育で活用されることを目的に編纂。英語表記、アルファベット順で項目を掲載(一部、解説文が英語の項目あり)。巻末の「和文索引」を活用するとよい。
巻末に参考文献、和文索引、「日英術語対照表」、「発音記号の呼称と例語」がある。

[所在]書庫D[和]/長 > 8311/N77 || 星 > 所蔵なし
[NCID] BB22595343

D. 雑誌

音声研究.

年3回刊。日本音声学会が刊行している雑誌。学会のホームページから各号の目次を見ることができる。掲載されている論文を検索するにはMAGAZINEPLUSが利用できる。J-Stageで本文の閲覧・ダウンロードが可能。

バックナンバー室/長 電子ジャーナル(無料)


II.情報集め(文献調査)

A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す

身近にある図書館の資料に自分が集めようとしている文献や情報があるのかどうかを調べましょう。*図書館資料を調べるためのオンラインツールのことを、"OPAC(オーパック) " と呼びます。

愛知淑徳大学図書館OPAC.

特定の主題に限定して図書館の資料を探す時には、「詳細検索」画面の項目にある〈件名〉の欄に、資料の内容を表す言葉「件名」を入力すると効果的です。特に詳細な主題を表現することができる『LCSH(米国議会図書館件名標目表)』に基づいた件名での検索は、OPACを利用する際だけではなく、海外の目録やデータベースを検索する場合にも役に立ちます。件名のしくみについては、「件名と分類」のページをご覧ください。

1. 図書館サイトのトップページの、「OPAC検索」横の「詳細検索」をクリックする。
2. 〈件名〉で検索する。:「英語音声学」と入力すると41件、「音声学」で141件、「英語 音声」では43件 「Phonetics」では106件、「English language phonetics」では30件ヒットする。(2018年 10月9日現在)

*音声学に関連するこのほかのLCSHには「Aspiration (Phonetics)」 「Assimilation (Phonetics)」「Duration (Phonetics)」 「Intonation (Phonetics)」「Palatalization」「Phonemics」など多数あるのでLCSHの本表を 参照しましょう。
分類記号で資料を調べたい時は、8311(英語音声学)か8011(音声学)を「請求記号」の欄に入力して検索してください。分類記号に ついてはこちらをご覧ください。

A. 国内で出版された文献を探す

MagazinePlus .

学内から 学外から

「Magazineplus」は一般誌から専門誌、大学紀要、海外誌紙まで収録した日本最大規模の雑誌・論文情報(見出し)データベース。国立国会図書館(NDL)の「雑誌記事索引」を収録するほか、「雑誌記事索引」ではカバーしきれない学会年報・論文集や一般誌、地方誌などを多数追加。2016年より、戦前期の雑誌もカバー。明治期から現在まで一括して検索できる。(日外アソシエーツMagazinePlusのページから)

検索画面 上部の検索窓に、検索語を入力して検索する。例えば、「音声学」と入力し検索すると、3191件の文献がヒットする。検索結果を絞り込むには、検索結果画面左フレームの〈絞込項目〉を利用することができる。また、音英学に関連してどのような側面について調べたいのか、できるだけ具体的な言葉をキーワードにして、検索するとよい。例えば、「音声学 英語」では823件、「音声学 日本語」では、1065件、「音声学 教授法」では8件、「音声学 学習法」では8件、「音声学 実験」では163件「音声学 イントネーション」では44件文献がヒットする。(2020/08/31 現在)

わが国における英語学研究文献書誌 : 1900‐1996. 1998.

1900-1996に出版された英語学に 関する著訳書・論文・研究ノート等が収録されている。文献は20の主題に分かれて収録されており「音声学・音韻論」のセクションがある。CiNii

8303/TA26 8303/TA26
4Fレファレンス/星 レファレンス[和]/長

B. 他の図書館の資料を探す

自分の所属する図書館に利用した い資料がない場合は、他の図書館に所蔵がないか調べて見ましょう。そのように探し出した文献は、所蔵する図書館で利用したり自分の所属する図書館に取り寄 せることができます。利用には手続きが必要ですので、図書館レファレンスデスクまでお問い合わせください。

NDL ONLINE 国立国会図書館オンライン : 国立国会図書館蔵書 検索・申込システム.

国立国会図書館の所蔵資料および利用可能なデジタルコンテンツを検索して、資料の閲覧や各種の申込みができるサービス。
国立国会図書館 は日本の出版物を網羅的に収集している納本図書館であるため、当館にない資料も見つかります。図書や雑誌ほか映像資料や障害者向け資料など多様な形態の資料、さらに雑誌記事も同時に検索できます。 検索結果が多い場合は、画面左フレームの絞込項目を利用すると良いでしょう。

検索例

主題に絞った検索をする場合、〈詳細検索〉をクリックし、〈件名〉の項目にNDLSH(国立国会図書館件名標目表)などの標目形で検索するとよい。

〈件名〉の欄に検索語を入力します。

「音声学」と入力すると613件、「英語音声学」では149件、「英語 アクセント」では27件ヒットする。(2018年10月9日現在)

WorldCat Discovery Services.

WorldCat Discovery Servicesは、米国オハイオ州ダブリンに拠点がある協同目録作成体(書誌ユーティリティー)『WorldCat』の所蔵する多様な資料や、各種契約データベースを一括で検索できるディスカバリーサービスです。本学の所蔵だけではなく、約11,000館の世界中の参加館が蓄積した所蔵資料を検索することができます。

図書館トップページの<ディスカバリー>タブをクリックし、《詳細検索 Advanced Search》を選ぶ。 <索引インデックス>のプルダウンから「件名フレーズ」を選び、検索語を入力する。

検索語として使用する件名は、世界標準であるLCSH(Library of Congress Subject Headings(米国議会図書館件名標目表))を参考にするとよい。「Phonetics」で77319件情報資源がヒットする。検索結果を絞り込むには、画面左フレームの絞込項目の<内容><フォーマット> <データベース><年><言語>などを活用して絞り込むとよい。 この場合、〈言語〉を「日本語」に限定すると、結果を581件に絞り込むことができた。(2018年10月9日現在)検索結果は本学所蔵のものが最初の方に表示され、本学以外のものはその後に続く。


III. そのほかの有用なサイト やリンク

UCL Phonetics & Linguistics.

University College Londonが維持している音声学と言語学関連の情報資源のサイト。

IPA : Alphabet.

International Phonetic Associationが提供している国際音声記号サイト音声記号の表やダウンロードできる記号のフォントも提供している。

国際音声記号.

フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』が提供しているサイトで、国際音声記号を日本語の名称で説明している。

A National Map of the Regional Dialects of American English.

ペンシルベニア大学の Department of Linguisticsのプロジェクトとして公開されているサイト。アメリカ英語の方言調査により音声変化を把握し、「音声地図(Phonological Atlas)」を作成している。

音声学.

東北大学大学院文学研究科言語学講座教授・後藤斉氏が作成している、音声学に関連したリンク集や参考文献のリスト。