Developmental psychology

このパスファインダーは発達心理学について調べるときの、最初の「みちしるべ」として利用できます。

I. 下調べ(事前調査)

II. 情報集め(文献調査)

III. 有用なサイトやリンク

ファセット

次のファセット(側面)をガイドに、情報を収集するとよいでしょう。

  1. 概説 overview 概略、主要概念
  2. 学説 theory 主要理論、研究者
  3. 年齢 特定の年齢グループ
  4. 認知 知覚、言語、記憶など 
  5. 自己 運動機能、情動、動機付けなど
  6. 社会 個人の環境と社会的接点に関わる概念
  7. 障害 障害と対処法
  8. 研究法 研究法
  9. テスト テスト法、尺度

レポートや論文を書くために必要な図書館資料やインターネットで提供されている文献・データベース・出版情報やリンクなど、よりすぐりの資料・情報を掲載しています。

これら以外にも情報資源はたくさんありますので図書館員にお尋ねください。
パスファインダーは『レポート・論文の書き方』に基づいていますので、ステップを確認しながら利用することをお勧めします。もちろん必要な部分だけを参考にすることもできます。

凡例

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関連サブジェクトガイド

このパスファインダーは2010年度図書館実習生の協力により改訂されました。

(Mizuki Kashima ; 201012)

発達心理学とは

発達心理学は、「精神発達を対象として、一般的傾向、その法則などを研究する心理学」(『日本国語大辞典』)であり、広くは「受胎から死に至るまでの生体の心身の形態や機能の成長・変化の過程、これに伴う行動の進化や体制化の様相、変化を支配する機制や条件などを解明し、発達法則を樹立しようと目指す心理学の一分科」(『日本大百科全書』)と定義されています。
ひとの一生が対象となるため、「乳児期」から「老年期」まで、成長段階に合わせた研究はもちろんのこと、成長の過程で知覚・言語・記憶などの「認知領域」、性格や気質・運動能力・自己意識など「自己」が確立していく側面に関わること、家族・学校・仲間など「社会」との関わりにおける発達の各種側面を対象としたもの、更にそのような多様な側面において生じる問題とその要因・障害とその対処法/治療法なども視野に入ります。もちろんすべてに関わる「基礎理論」や「研究方法」なども重要な要素になります。

ファセットの解説

発達心理学とは何か(全体像)をつかむには、主要な構成要素を把握することが近道です。発達心理学では、次の9つのファセットが、この近道のガイド(標識)となります。

  1. 概説 overview 全体像をつかむための概略、主要な概念の意味など。
  2. 学説 theory 主要な理論、それに関係する主要な研究者。
    例:生態学的理論、認知発達、精神分析、ピアジェ
  3. 年齢 特定の年齢グループ(乳児期から老年期まで)に焦点をあてた研究。
    例:胎児、乳児、幼児、児童、青年、成人、老人
  4. 認知 成長の過程における知覚、言語、記憶、思考、知能、数概念など認知領域の研究。 
  5. 自己 運動機能、情動、動機付け、自己意識、気質、パーソナリティ(人格)など自己が確立してゆく側面。
  6. 社会 家族、学校、仲間など社会との関係における発達(の側面)についての研究で扱う、個人の環境と社会的接点に関わる概念。
    例:遊び、規則、道徳性、家族、友達、学校などにおける関わり。
  7. 障害 発達のなかで起こりうる障害とその対処法。
  8. 研究法 発達心理学における各種研究法に関するもの。
  9. テスト 発達心理学の分野で使用されるテスト法、尺度。

※調べたいことが、いずれかのファセットにあてはまるなら、アイコンを順に追って情報資源にあたりましょう。


I. 下調べ(事前調査)

どんなテーマでも初めて調べる時は、まず「そのテーマ(内容)は何か」を知る必要があります。百科事典や主題別専門事典などを調べて、基本的な知識をおさえ、テーマの概略をつかみましょう。
それと並行して、「II. 情報集め(文献調査)」に使うキーワード(検索語の候補)のリストを作ります。できれば引用・参考文献もチェックします。

A. 百科事典

JapanKnowledgeの日本大百科全書. 概説 overview 学説 theory 社会 研究法 学内LAN限定 Access limted to selected IP addresses / network (http://www.jkn21.com/)

図書館のトップページ〈データベース〉のプルダウンから選び、手順に従い、ログオンする。
基本検索画面で検索画面で「発達心理学」で検索すると、5件の記事がヒットする。『日本大百科全書(ニッポニカ)』の記事は、「児童心理学との違い」「研究分野」「研究方法」「発達心理学の展開」などの見出しがあり、簡単な説明がある。〈関連項目〉として、異常心理学、実践心理学、児童期、児童心理学、青年期、青年心理学、双生児、動物心理学、乳児期、発達、フロイト、ユング、養子、乳児期、臨床心理学、老年学、老年期などの記事へのリンクがある。参考文献あり。参考文献あり bibliography

Encyclopedia of psychology. Oxford University Press. 2000. 概説 overview 学説 theory 研究法

全8巻。3巻、9-24ページに「Developmental psychology(発達心理学)」が掲載されている。定義、歴史と領域、理論、研究方法、参考文献の順に解説。索引は8巻の巻末にあり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACレファ[洋]/長 > 140/E582 || 4Fレファ/星 > 140/E58 Webcat Plus

 

B. 主題事典・辞典

発達心理学ハンドブック. 福村出版. 1992. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

「I 発達の理論と展開」「II 生涯発達の道筋」「III 発達の順序と様相」「IV 発達と社会」「V 発達研究における資料の収集と分析」の5部構成、全68章。付録「発達心理研究における統計処理」「わが国の発達指標一覧」「発達テスト一覧」、巻末に人名・事項索引、各章末に参考文献あり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPAC レファ[和]/長 > 143/H434/B || 4Fレファ/星 > 143/A991-1 Webcat Plus

発達心理学辞典. ミネルヴァ書房. 1995. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法

発達心理学に関わることばを、項目・人名・検査に分けて解説。基本概念を確認するのによい。用語解説の前の「発達心理学と隣接科学とのかかわり」では、言語学や生物学、現代哲学など周辺領域との関係が書かれている。巻末の和文・欧文・人名索引は英日対語になっていて便利。

愛知淑徳大学図書館目録 OPACレファ[和]/長 > 143/H435 || 4Fレファ/星 > 143/I97 Webcat Plus

 

C. 入門資料

入門資料は、テーマの概要を把握し、主要な概念や事項を確認するためにも有効です。とくに気になることがあれば〈索引〉を活用して、ピンポイントで調べるとよいでしょう。

ヒルガードの心理学. おうふう. 2010. 概説 overview 学説 theory 認知 自己 社会

心理学全般を扱った入門書である『Atkinson & Hilgard's introduction to psychology』第14版の邦訳(2005年の邦訳と内容は同じ)。
発達心理学は、子供の発達心理学を中心に、「第3章 心理的発達(p85-135)」にある。全24節の各節末には要約と、読者が発展させて考察するためのコラムがある。そのほか「本章の要約(p132-133)」、「核となる概念(p134-135)」 は、ウェブ上の情報資源なども併記して主要な概念が一覧できる。巻末に、用語解説、参考文献、写真・図表出典、人名・事項索引あり。星が丘は2005年版所蔵。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPAC2F/長 > 140/H581-2 || B1/星 > 140/H58-1 Webcat Plus

発達心理学入門. 新版. 有斐閣.1990. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 テスト

発達心理学に関する基本概念を、やさしく解説。内容は「第1章 発達と」「第2章 身体と運動能力の発達」「第3章 情緒・欲求の発達」「第4章 認知能力の発達」「第5章 人格の発達」「第6章 社会的行動の発達」からなる。章末に参考文献、巻末に索引あり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPAC2F/長 > 143/KU99/ア || 星 > 所蔵なし Webcat Plus

発達心理学. 第2版. ナカニシヤ出版. 1998−2001. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会

上下2巻。大学生、臨床現場の従事者、社会福祉に関心のある一般向けに編成。上巻が『周産・新生児・乳児・幼児・児童期』、下巻が『青年・成人・老年期』となっている。上巻の第1章が「発達の意味、発達観小史、発達に関する諸理論と方法」、第2章が「発達の諸問題」となっている。平易なことばで解説されており、随所に「ボックス記事」としてトピック記事を掲載、各巻末に引用文献・索引(人名・事項)あり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPAC2F/長 > 143/Y46 || 星 > 所蔵なし Webcat Plus

発達心理学. 改訂3版. 全国社会福祉協議会. 2007. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害

『保育士養成講座 第3巻』で、保育所や児童福祉施設等で働く保育士を対象としているが、乳幼児期から老年期に至るまでの発達心理学を読みやすい長さで易しく解説している。章末の参考文献も豊富なので、各テーマを深く知るためにも参考になる。巻末に項目索引あり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPAC2F/長 > 37614/KA21/3 || 星 > 所蔵なし Webcat Plus

 

D. 雑誌

当館にない雑誌は、記事コピーの取り寄せ(文献複写)や、所蔵する他館での閲覧(紹介状の発行)もできます。詳細はレファレンスデスクへ、お尋ねください。

発達心理学研究. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

年3回刊。主に日本発達心理学会の所属者が執筆している。当館では1巻 (1990) から最新号までを所蔵。
収録文献の書誌事項は "II. 情報集め" で紹介している『PsycINFO』のほか、『MAGAZINEPLUS』や発達心理学会の『発達心理学研究目次』のページで確認できる。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACバック/長 > は || B2雑誌/星 > は Webcat Plus

Developmental psychology. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

隔月刊。APA (American Psychological Association、アメリカ心理学会) 発行。当館では1巻 (1969) -最新号を所蔵。

収録文献の書誌事項は "II. 情報集め" で紹介している『PsycINFO』のほか、『APA Journals : Developmental psychology』("View Tables of Contents" をクリック) 『Ulrichsweb.com』(各書誌の詳細画面にある "TOC"のアイコンをクリックするか "Article Search" で検索) で確認できる。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACバック/長 > D || 星 > 所蔵なし Webcat Plus

発達研究. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

年刊。発達科学教育センター (CODER) 発行。当館では1巻 (1985)-最新号を所蔵している(4巻は欠号)。過去の記事は『MAGAZINEPLUS』で書誌事項を確認できる。

例えば、〈雑誌名〉に「”発達研究”」〈キーワード〉に「認知発達」と入力すると、4件、同じくキーワードに「乳児」で7件、「知能」で3件、「遊び」で11件、「障害」で17件論文がヒットする。(2010年12月21日)

センターのサイト内の『発達研究』のページでは、書誌事項と抄録まで見ることができる。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACバック紀要/長 > Kは || 星 > 所蔵なし Webcat Plus

発達. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

季刊。当館では1巻 (1980)〜最新号を所蔵している(7-9巻は欠号)。過去の記事は『MAGAZINEPLUS』で書誌事項まで見ることができる。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACバック/長 > は || B2雑誌/星 > は Webcat Plus

 

II. 情報集め(文献調査)

テーマについて、おおよその内容が理解できたら、次は「I. 下調べ(事前調査)」で集めたキーワードを検索語として、関連文献を探します。まずは身近な図書館から、はじめましょう。それぞれの詳しい使い方や、当館に所蔵がない文献の入手方法は、レファレンスデスクで案内しています。

A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す

目録(OPAC=オーパック)は、当館の図書・雑誌・視聴覚資料などを探すための必須の道具です。OPACでは〈詳細検索〉を上手に使いましょう。とくに〈件名〉は、テーマを絞って資料を探す場合に便利な項目です。

愛知淑徳大学図書館OPAC.

詳細検索で、〈件名〉に「発達心理学」と入力すると528件の図書と1件の雑誌、3件の視聴覚資料がヒットする。
発達心理学の各種側面に絞って検索するには〈件名〉に「発達心理学」と入力し絞り込みたい事柄を表すことばを〈キーワード〉に入力して掛け合わせて検索するとよい。例えば図書では、「乳児」73件、「認知」48件、「思考」6件、「知能」10件、「遊び」1件、「障害」23件、「研究法」3件、がヒットする。(2010年12月8日現在)

B. レファレンス資料を利用して探す

索引や書誌などのレファレンス資料は、研究に必要な情報を広く調べるときに大変便利です。レファレンス資料ではないけれども同じように活用できる資料も紹介します。下調べの段階より、もっと情報を集めたい時に活用しましょう。

PsycINFO. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト 学内LAN限定 Access limted to selected IP addresses / network

アメリカ心理学会(APA : American Psychological Association)による、行動科学および精神衛生の分野における最大の情報資源。1800 年代から現在までの学術誌をカバーし、英語文献はもちろん、日本語文献も探すことができる。

●検索の基本

検索のプルダウンから〈SU〉を選び「Developmental psychology」と入力して検索すると4,962件の文献がヒットする。

この検索の意味:主題(SU : Subject)が、発達心理学(Developmental psychology)である

●検索結果が多い場合

検索結果が多い場合には、2番目の〈検索するフィールド〉 にプルダウンから〈AG Age Group = 対象年齢〉〈LA Language = 言語〉〈YP Year of Publication = 出版年〉などを選び、絞り込むとよい。上記の、主題(SU)が「Developmental psychology」であるものが、4,962件ヒットした場合を例とする。

  1. 「AG Age Group」を選び「Young Adulthood (18-29 yrs)」と入力すると、105件に絞り込めた。
  2. 「KW Keywords」を選ぶと、絞り込みたい事柄をキーワードとして検索できる。例えば、「Theory(理論)」と入力し検索すると2003件、「Language(言語)」339件、「Perception(知覚)」261件、「Personality (気質)」806件、「Family(家族)」598件、「Friends(友達)」34件、「Scales(尺度)」68件文献がヒットする。
  3. 「LA Language」を選び「Japanese」と入力すると、20件に絞り込めた。※意味:日本語に限定(2010年12月7日現在)

このほか検索結果の絞り込み方法として、一般向けの文献を探す時には、〈AI Intented Audience 対象読者〉を「General Public」、専門向けは「Psychology: Professional & Research」に指定できる。わからないことがあればレファレンス担当者に尋ねるとよい。

CiNii. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト 学内LAN限定 Access limted to selected IP addresses / network

NII(国立情報学研究所)提供の論文情報データベース。学術雑誌が中心で、フルテキストで閲覧できる論文も含む。学外でも利用可能だが、学内からのアクセスの方がフルテキスト論文の閲覧範囲が広い。

詳細検索は基本的に〈フリーワード〉で、例えば、「発達心理学 理論」で83件、「発達心理学 ピアジェ」12件、「発達心理学 青年」82件、「発達心理学 認知」166件、「発達心理学 知覚」27件、「発達心理学 思考」24件、「発達心理学 遊び」63件、のようにヒットする。(2010年12月8日現在)

心理学の本全情報. 1945−. 日外アソシエーツ. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト

国内で1945年以降に刊行された心理学・精神医学に関する本を網羅的に集めた図書目録。
4冊目となる最新刊は2003-2007年の刊行物を収録し、「発達・教育心理学」の項は、p.211-350に記載がある。内訳は、「総論」「乳幼児心理」「児童心理」「青年心理」ほか、大まかな項目別にリストされている。書誌情報ほか、本の内容がわかって便利。巻末に事項索引あり。参考文献あり bibliography

愛知淑徳大学図書館目録 OPACレファ[和]/長 > 140/SH695/ || 4Fレファ/星 > 140/N71/ Webcat Plus

C. 尺度・検査法を探す

代表的な尺度や検査法は、テストのついた情報資源を参照するか、『愛知淑徳大学図書館レファレンスツールガイド:心理学的測定方法の探し方』を手がかりに探すとよいでしょう。

III. 有用なサイトやリンク

心理学入門. 概説 overview 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト (http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/koneko/)

新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 碓井真史教授が公開している『心理学総合案内こころの散歩道』にある。心理学全般に関わる基本概念をカバーしており、発達心理学に関係する概念も取り上げている。〈こころの散歩道サイト検索〉を利用して調べたい事柄をキーワード入力するとよい。参考文献あり bibliography

DevPsy.Org. 学説 theory 年齢 認知 自己 社会 障害 研究法 テスト (http://www.devpsy.org/)

ペンシルバニア州立大学のK. H. Grobman氏作成。学生向けに構成された、発達心理学を研究する人のためのポータルサイト。発達心理学に関わる各種概念やトピックを扱っているウェブ情報資源やリンクを提供している。参考文献あり bibliography