このパスファインダーは『源氏物語』について、「3. 作品の理解を深める手引きとなる情報やツールが見たい」ときの最初のみちしるべとして利用できます。調べたいことが、これ以外の7つ(左メニュー参照)のファセットのどれかにあてはまるなら、そのパスファインダーにアクセスしましょう。レポートや論文を書くために必要な図書館資料やインターネットで提供されている文献・データベース・出版情報やリンクなど、よりすぐりの資料・情報を掲載しています。
もくじ
I. 下調べ(事前調査)
A. 百科事典
B. 専門事典
C. 作品
D. 作品を読むための手引書
E. 解釈・評釈
II. 情報集め(文献調査)
A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す
B. 愛知淑徳大学図書館にない資料を探す
C. レファレンス資料を利用して探す
III. その他の有用なサイトやリンク
I. 下調べ(事前調査)
A. 百科事典
どのようなテーマでもそうですが、初めて調べることがらは、まず百科事典や主題別専門事典などから基本知識を入手して概略をつかみましょう。
日本大百科全書.(JapanKnowledge ジャパンナレッジ)

図書館のトップページ「データベース」のプルダウンから選び、手順に従ってログオンする。
基本検索画面で「源氏物語」と入力すると24件の記事がヒットする。(2009年7月現在)
内容は「1. 巻冊数・成立事情」「2. あらすじ」「3. 享受・影響」「4. 諸本と研究」をカバーする。初心者にも読みやすい。
<http://www.jkn21.com/> 解説
B. 専門事典
源氏物語についての事典には、作品の概略、内容(あらすじ)、作品論、作品研究書、登場人物、扱うテーマ、他作品との接点や影響を受けた作品、作家などを取り上げているものが多くあります。代表的な事典のみを紹介しますが収録内容は様々ですから、調べたい対象によって使い分けます。
源氏物語事典. 岡一男著. 1964.

物語の構成・テーマや方法構造 p.1-11、紫式部 p.13-25、作品の成立年代と成立論 p.26-75、物語のあらすじ p.77-98、主な作中人物 p.99-148、作品の各種背景 p.149-182、作品に反映されている各種思想 p.183-222、文体と語法 p.223-241; 物語の元となった素材や先行文学 p243-295、文学的考察 p.383-407、源氏物語の各種影響 p.409-446、青表紙本・河内本・別本とそれらの注釈・研究・評論 p.447-500、世界文芸史上の評価等 p.501-508、使用された重要用語の解説 p.-509-554、紫式部年譜 p.555-558、研究史年表 p.559-592、源氏物語年立 p.601-634 など。他巻末に総合索引と物語中の和歌索引がある。
書庫C/長 > 91336/MU56-43 || B1/星 > 91336/MU56-43
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源氏物語事典. 池田亀鑑編. (合本), 1987.

2部構成の上巻には、作中の主要な語彙(概念)3,000件を収録し解説している。これら語彙はおおよそ27の項目、地名、人名、書名、宮中殿舎、官衛、邸宅、調度、服飾、色目、容飾、官職、年中行事、そのほか慶弔の行事、音楽、遊戯、漢詩文、歌、書、絵、食、病、動植物、仏教、神祇、俗信など、に属する。
下巻は、源氏物語に関係する概略、すなわち作品の内容・作者・作品批評等を「総記」(下巻 p.5-31) として取り上げ、丁寧に解説している。作品と付随する情報を全体的につかむにはよい。このほか「注釈書解題」「諸本解題」「作中人物解説」「源氏物語年表」「図録」なども収録している。
当館には上・下巻の合本を所蔵している。
レファ[和]/長 > 91336/MU56-64 || 4Fレファ/星 > 91336/MU56-64
上巻へのリンク
C. 作品
源氏物語の原本は存在しないことが通説です。一方、多数存在する写本には数々の異本があり、「青表紙本系」「河内本系」「別本」の3系統に大別されます。これについては、『源氏物語事典(池田亀鑑編. 1987)』p.26-28「諸本とその系統」を参考にするとよいでしょう。
C-1. 作品
写本自体も貴重で直接閲覧することは簡単ではありません。写本をもとに新たに出版された資料をいくつか次に紹介します。
源氏物語大成. 池田亀鑑編著. 1953.

1-3巻。藤原定家の青表紙本を底本として、ほかの代表的な青表紙本・河内本・別本において異なる部分を整理して記載している。本文を読むための基本的な資料である。
書庫C/長 > 91336/MU56-62/ || B1/星 >91336/MU56-62/
1巻へのリンク
C-2. 現代語訳
現代語に「翻訳」した本もあります。具体例として、与謝野晶子、円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴などが有名です。
源氏物語. 紫式部. 谷崎潤一郎訳. 1939-1941. 中央公論社.

全26巻。「原文に盛られてある文学的香氣をそっくりそのまゝ、とは行かない迄も、出來るだけ毀損しないで現代文に書き直さうと試みたもの. . . 」と、訳者の序文(『序』巻1、p.4)にあるように、できるだけ原文に近い形で1930年代当時の日本語に書き換えられた。読み進める時に最低限必要なことばの意味等の説明もある。24〜25巻では原文中の和歌を抜き出して解説を加えている。26巻には主要な登場人物の関係を整理した「源氏物語系図」、主要な登場人物の年表「源氏物語年立」、各帖のあらすじをまとめた「源氏物語梗概」を収録している。
書庫C/長 > 913369/MU56/ || 星 > 所蔵なし
1巻へのリンク
D. 作品を読むための手引書
作品を読むときには、その背景についての基本的知識も必要です。これらはコンパクトにまとまった副読本が参考になります。
源氏物語手鏡. 清水好子[ほか]著. 1975. 
作品を読む上で必要と思われる「源氏物語の時代と貴族社会」「平安貴族の生活」「源氏物語の舞台と背景」を、それぞれ細かい側面から取り上げている。もともと「円地文子訳『源氏物語』を読むひとの理解をたすけるために執筆し、全巻購読者に配布」された資料を部分的に改訂して出版された。
長 > 所蔵なし || B1/星> 91336/MU56-15
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源氏物語入門. 『源氏物語大事典』編集委員編. 角川学芸出版. 2008.

第一部「源氏物語のあらすじ」、第二部「現代語で読む源氏物語の各場面26」、第三部「源氏物語を読むための15章」からなる。人名、調度品などの独特な用語にはふりがながあって読みやすい。
書庫C/長 > 91336/MU56-36 || B1/星 > 91336/MU56-36
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(新) 源氏物語必携. 秋山虔編. 學燈社, 1981 (1977).

54帖それぞれについて短い解説文「梗概と鑑賞」のほか、「源氏物語人物総覧」「服飾・儀式」「官職」「年中行事」「本文批評」「古注釈解題」「享受史」「研究史と研究解題」などの論考がある。![]()
長 > 所蔵なし || B1/星 > 91336/MU56-50
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E. 解釈・評釈
「作品をどう読めばよいのか」「文中のことばにはどのような意味があるのか」など、本文とともに詳しい解説や説明があるのが「注釈書」です。単行書もあれば、古典文学全集などの一部として出版されているもの等、多数あります。。
源氏物語. 阿部秋生[ほか]著. 1979.

『鑑賞日本の古典』第6巻。巻頭の「解題」には、紫式部の経歴、源氏物語の伝流などに触れ、本文は作品原文とその現代訳、用語の意味、ストーリーの背景などの説明もある。巻末に「参考文献解題」p.516-541あり。![]()
書庫C/長 > 9108/KA59/6 || 星 > 所蔵なし
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源氏物語の鑑賞と基礎知識. 1998−2005.

雑誌『国文学解釈と鑑賞』の別冊で全43巻からなる。主な内容は第43巻末にある『全43巻編者・特集号一覧』(p.162-163)を見るとよい。各巻には「序文」「人物紹介」「源氏ゆかりの地を訪ねて」「影印本を読む」「原文」「論文」から構成されている。第43巻の巻末には「総索引」もあり。
II. 情報集め(文献調査)
A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す
身近な図書館に文献や情報があるのかどうか、OPACの「詳細検索」の項目を上手に使って調べましょう。とくに「件名」は的確に資料を探すための項目です。どこからでも拾ってくる「キーワード検索」はノイズが大きいため、うまく見つからないときに使いましょう。
※図書館の目録を「OPAC(オーパック)」と呼びます。
愛知淑徳大学図書館OPAC.

本学図書館とマルチメディアリソース室の所蔵する図書や雑誌、視聴覚資料などを探すための必須のツールです。
作品の手引書に限定して資料を探したい場合は、「詳細検索画面」の〈件名〉に「源氏物語 -- 評釈」と入力して検索すると、64件ヒットする(2009年5月18日現在) <http://cat.lib.aasa.ac.jp/mylimedio/search/search-input.do/>
B. 愛知淑徳大学図書館にない資料を探す
国立国会図書館.

国立国会図書館(NDL)の件名標目(NDLSH)には「源氏物語 -- 評釈」という件名が設けられている。そのため、NDL OPACの詳細画面で〈件名〉の欄に「源氏物語 -- 評釈」と入力すると、源氏物語を読み解く手引きとなる資料に限定して検索することができる。245件に資料がヒットする。(2009年5月18日現在)
当館の蔵書にないものは、相互貸借で国立国会図書館から借り受けることができる。ただし取り寄せた資料は貸出先図書館の館内閲覧のみ。
これとは別に「リクエスト」によって入手する方法もある。「リクエスト」を出せば、図書館で購入してもらえる可能性もある。詳しくはレファレンスカウンターで。![]()
<http://opac.ndl.go.jp/>
C. レファレンス資料(書誌、索引、抄録、データベース)で探す
レファレンス資料は、研究に必要な情報を広く調べるときに大変便利です。下調べの段階で集めた情報以外に、もっと情報を集めたい時に活用しましょう。
研究文献目録(源氏物語講座第10巻). 勉誠出版. 1993.

昭和38(1963)年から平成2(1990)年までに国内で発表された研究書・研究論文を収録。一般的な手引となるほか、具体的な側面の手引となる資料を把握するためには有効な資料。
単行書の項目は「入門書」「影響・享受・古注」「ビジュアル(イラスト写真等を多く含む)」「現代語訳」「明治以降の注釈書」「影印・翻刻」「事典・その他」に分かれる。研究書・研究論文は「総論」「巻論・人物論」「作家論」「文献学:本文・古注釈」「源泉・影響・享受」「語彙・語法」「国語教育」「研究史・研究文献目録」に分かれる。![]()
書庫C/長 > 91336/MU56-68/10 || B1/星 >91336/MU56-17/10
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日本文学研究文献要覧古典文学, 1990-1994. 1995-1999. 2000-2004. 2005-2009. 日外アソシエーツ.

源氏物語に関する文献は、古典文学についてのレファレンスツールにも記載があり、本書はある程度網羅的に紹介している。
源氏物語は、2000-2004年版ではp.230-270、2005-2009年版ではp.251-321、項目ごとに図書、雑誌、書評、書誌が記載されている。項目のうち、注釈/評釈を扱ったものは手引きとして有効である。網羅的に情報を収集する時はシリーズすべてを参照するとよい。![]()
III. その他の有用なサイトやリンク
Genji Monogatari(源氏物語) 
米国ヴァージニア大学電子テキストセンターとピッツバーグ大学東アジア図書館から提供されている、日本古典文学の電子テキストのウェブサイト『Japanese Text Initiative』には、源氏物語の定家本(青表紙本)を底本としたテキストを見ることができる。現代日本語とローマ字のテキストもある。これらテキストは高千穂大学渋谷教授のサイト<http://www.sainet.or.jp/~eshibuya/> で提供されているものが出典。テキストに並行して注釈を見ることができるので便利。
<http://etext.virginia.edu/japanese/genji/original.html>
The Tale of Genji: A bibliography of Translations and studies.

ゲイ・ロウリー(Gaye Rowley)早稲田大学准教授作成の書誌。源氏物語に関する英語の文献を網羅し、〈翻訳〉〈翻訳家と翻訳について〉〈2次資料〉〈源氏物語の美術〉〈源氏物語の受容〉〈映画・ミュージカル・マンガ版〉の6つの項目に分けて記載している。更新されるようなので最新を含む。異文化の研究者による視点をまとめて確認するのには便利。印刷用のPDF版もある。![]()
<http://www.gayerowley.com/teaching/ex-420-bibliography/>
(20091125)
