在住外国人とは
ここでいう在住外国人とは、ニューカマー(日本経済のグローバリゼーションに伴って日本に居住する外国人『現代用語の基礎知識』)のことを指します。今日、その数は、増加し続けており、それに伴い、かれらの子どもたちは日本で教育を受けることになり、日本語を母語(第一言語)としない子どもの受け入れをめぐり、さまざまな課題が浮かび上がっています。
ファセットの解説
在住外国人児童のための言語教育の全体像をつかむには、主要な構成要素を把握することが近道です。ここでは、次の3つのファセット(側面)が、この近道のガイド(標識)となります。
第二言語としての日本語教育、母語教育
国や地方自治体の取り組み、ボランティア、外国人学校など
どんな問題があるのか
※調べたいことが、いずれかのファセットにあてはまるなら、アイコンを順に追って情報資源にあたりましょう。ただしこの分野は、より大きな領域の一部であるため、3つのファセットの一つだけに特化した資料で、初学者におすすめできるものはありません。
I. 下調べ(事前調査)
どんなテーマでも初めて調べる時は、まず「そのテーマ(内容)は何か」を知る必要があります。百科事典や主題別専門事典などを調べて、基本的な知識をおさえ、テーマの概略をつかみましょう。この分野では視聴覚資料や入門資料が、概略をつかむために有効です。
それと並行して、「II. 情報集め(文献調査)」に使うキーワード(検索語の候補)のリストを作ります。できれば引用・参考文献もチェックします。
A. 視聴覚
となりに生きる外国人:多文化共生って何? . アジア太平洋資料センター. 2006.

日本在住の外国人の現状と問題点を取り上げたDVD。イメージの湧く映像資料は貴重。
第3部が教育(12分)で、地域や学校での子どもたちの様子が紹介されている。
マルチ星 > 33441/TO63 || マルチ長 > 所蔵なし ![]()
B. 主題事典・辞典
多文化共生キーワード事典. 改訂版. 明石書店. 2010.

テーマ別に、多文化共生社会にかかわる最新の用語を集めた「読む事典」。
第4章が「教育」で、言語面での教育に関する記述あり。各章末に「関連用語」と「参考文献・資料」が挙げられている。![]()
2F/長 > 3344/TA12/ア || 星 > 所蔵なし ![]()
事典 日本の多言語社会. 岩波書店. 2005.

現代日本の社会と言語の現在を様々な角度から浮き彫りにし、移住民言語と日本語の相互理解にかかわる問題を取り上げた事典。巻末に和文索引、欧文索引あり。
4F/星 > 810/S61-1 || 書庫B/長 > 810/S61-1 ![]()
新来・定住外国人がわかる事典. 明石書店. 1997.

ニューカマー=新来外国人の現状を全103項目で解説。ニューカマーの人権を守る多文化共生の日本を展望する事典。参考文献、巻末に索引あり。![]()
C. 入門資料
外国人の定住と日本語教育 増補版. ひつじ書房. 2007.

外国人の定住問題に対して日本語教育をキーワードに多方面からアプローチしたはじめての書。巻末に外国人の定住と日本語教育を考えるためのブックガイド、ウェブサイトを使っての情報収集の紹介あり。![]()
4F/星 > 33441/TA26/ア || 2F/長 > 33441/TA26/ア ![]()
ニューカマーの子どもと日本の学校. 国際書院. 2000.

ニューカマーの子どもへの日本の学校の対応を検討することを通して、日本の学校のゆくえを考察する。
6章(p165~)日本語教育とこどもの母語、7章(p191~)学校の対応―適応教育と日本語教室。参考文献、索引あり。![]()
4F/星 > 3715/O81|| 2F/長 > 3715/O81 ![]()
自治体の言語サービス. 春風社. 2004.

自治体の言語サービスの現状と問題点を具体的な事例にもとづき紹介し、改善策を提示する。
第1章(p15~)「外国人」児童生徒のための母語保障、第4章(p71~)外国人への日本語教育サービス、第7章(p129~)浜松市における在住外国人施策をめぐってー官民一体となった教育・学習支援の可能性、第12章(p241~)日本語指導を必要とするブラジル人児童生徒への対応。
各章末に参考文献リストあり。![]()
4F/星 > 802/KA92-1 || 書庫B/長 > 802/KA92-1 ![]()
国際理解教育:多文化共生社会の学校づくり. 明石書店. 2001.

全体で7章からなっているが、内容的には大きく3部構成になっている。第3部(5章~7章)で外国籍の子どもの異文化適応と教育の問題に焦点をあてている。とくに第7章(p185~)は「学校における母語教育:学校・行政・ボランティアの多元的なネットワークの構築をめざして」。
日本の中の外国人学校. 明石書店. 2006.

外国人学校の現場を追ったルポ、日本の外国人学校政策と21世紀の課題への提言、「外国人学校問題」をどう捉えるかのインタヴュー、の3章構成。巻末に外国人学校リストあり。
4F/星 > 3769/G32 || 2F/長 > 3769/G32 ![]()
「移動する子どもたち」と日本語教育 : 日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える. 明石書店. 2006.

JSL(Japanese as a Second Language)分野での、早稲田大学大学院日本語教育科で行われた年少者日本語教育の実践研究をまとめたもの。年少者日本語教育に関わる「研究書紹介」「論文解題」あり。内容に一歩踏み込みたい方のために。![]()
D. 雑誌
当館にない雑誌は、記事コピーの取り寄せ(文献複写)や、所蔵する他館での閲覧(紹介状の発行)もできます。詳細はレファレンスデスクへ、お尋ねください。
日本語教育. 外国人のための日本語教育学会.1962-.

最新の研究論文及び特集記事を収載。年3回発行。
『CiNii』で記事の検索ができます。詳細検索を選び、〈ISSN〉に「03894037」と入れてこの雑誌を特定し、フリーワードに「外国人児童 日本語」と入力すると7件ヒット、また「外国人 母語」と入力すると2件ヒット。(2011年1月現在)。巻号、ページを確認したら、現物にあたる。
バック/長 > に 1997-所蔵あり || 星 > 所蔵なし ![]()
II. 情報集め(文献調査)
テーマについて、おおよその内容が理解できたら、次は「I. 下調べ(事前調査)」で集めたキーワードを検索語として、関連文献を探します。まずは身近な図書館から、はじめましょう。それぞれの詳しい使い方や、当館に所蔵がない文献の入手方法は、レファレンスデスクで案内しています。
A. 愛知淑徳大学図書館の資料を探す
目録(OPAC=オーパック)は、当館の図書・雑誌・視聴覚資料などを探すための必須の道具です。OPACでは〈詳細検索〉を上手に使いましょう。とくに〈件名〉は、テーマを絞って資料を探す場合に便利な項目です。
愛知淑徳大学図書館OPAC.

詳細検索で、〈件名〉に「日本語教育」、キーワード欄に「外国人(日本在留)」と入力すると、12件ヒット。
B. 索引・書誌などレファレンス資料を利用して探す
索引や書誌などのレファレンス資料は、研究に必要な情報を広く調べるときに大変便利です。レファレンス資料ではないけれども同じように活用できる資料も紹介します。下調べの段階で集めた情報以外に、もっと情報を集めたい時に活用しましょう。
CiNii (http://ci.nii.ac.jp/)

NII(国立情報学研究所)提供の論文情報データベース。学術雑誌が中心で、フルテキストで閲覧できる論文も含む。学外でも利用可能だが、学内からのアクセスの方がフルテキスト論文の閲覧範囲が広い。
詳細検索は基本的に〈フリーワード〉で、例えば、「外国人児童 日本語教育」と入力すると49件ヒット。「外国人児童 言語教育」と入力すると9件、「外国人児童 母語」で14件ヒットする。(2011年1月現在)
朝日新聞オンライン記事データベース 聞蔵Ⅱ ビジュアル.

『朝日新聞』(地方版も含む)『アエラ』『週刊朝日』の記事が検索できる。
シンプル検索画面で〈発行日〉を「全期間」にし、〈キーワード〉に「外国人児童 日本語教育」と入力すると72件ヒット。詳細検索画面で、〈発行日〉を「全期間」、地域面を選択し、発行社を絞り込むことで、身近な地域の記事のみを得ることもできる。ちなみに、ここで〈発行社〉に「名古屋」を選ぶと、19件ヒット。(2011年1月現在)
中日新聞・東京新聞データベース.

1987年4月1日からの記事が検索可能で、愛知、岐阜、三重県下の20を超える地域版の記事も収録。
検索したい新聞の種類で「中日・東京両方」を選び、〈キーワード〉に「外国人児童 日本語教育」と入力すると64件ヒット。地方面を「愛知」に絞ると15件ヒット。(2011年1月現在)
C. 他の図書館の資料を探す
レファレンスツールで見つけた本や情報資源が身近な図書館にない場合や、さらに情報集めをしたい場合、次の図書館の資料も参考になります。
国立国会図書館 NDL-OPAC. (http://opac.ndl.go.jp/)

日本国内の出版物を探すには、国立国会図書館<http://www.ndl.go.jp/index.html>のOPACが参考になります。日本の出版物を網羅的に収集している納本図書館であるため、当館にない資料も見つかります。
〈書誌一般検索〉画面から、〈件名〉に「外国人 日本語教育」と入力すると49件ヒット、〈タイトル〉に「母語教育」と入力すると9件ヒットする。(2011年1月現在) 。
III. 有用なサイトやリンク
CLARINETへようこそ 帰国・外国人児童生徒教育情報.
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003.htm)
文部科学省内のサイト。施策概要には、具体的な言語教育施策も詳しく書かれていて、JSLカリキュラムの小学校編と中学校編の全文もダウンロードできる。
文化庁 国語施策・日本語教育.
(http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/index.html)
日本国内の日本語教育に関する情報は、このサイトが重要。
