October
21, 2005
加藤宗厚「図書館人の自戒十条」
図書館 最近届いた『大学図書館研究 74号』は、巻頭から3つ連続で読ませる!
岡嶌偉久子さんの「総合目録における和漢古書書誌記述の考察:NACSIS-CAT (NII) 及びNCRでの取り扱いを踏まえて」、渡邊隆弘さんの「継続資料の組織化と総合目録データベース」、森本英之さんの「NII
Webcat Plus の北アメリカ地域での有用性:検索及び基盤となる書誌レコードの観点より」である。
インターネットがあれば誰でも「目録で必要な資料を探す」ことを、真の意味で実現させることにつながる話ばかり。
読みたくなる文章をのせている『大学図書館研究』って良い雑誌かも。おっと、それなりの値段でもある。(税込み定価 3,465円)お金じゃないけどね。
| 図書館人の自戒十条
1 常に図書館の目的を反省したい
図書館は単なる教育機関ではなくして伝達、娯楽の機関であることを反省したい。
2 図書館活動の基調は奉仕にある事を自覚したい
奉仕は単なる掛け声や道具だてではなくて、図書館が利用者のためにあるという平凡な心理を具現することであり骨おしみをしないということである。
3 すべてに親切でありたい
時間を守り、責任を重んじ、事物の処理にあたって親切でありたい。
4 すべてに研究的でありたい
図書館の仕事は一度定形を得ると容易に変更を許さない。ここに研究の停頓がはじまる。すべてを研究的に処理して常に清新の気を保ちたい。
5 理論は実際によって調整したい
最も理論的なもの必ずしも最も実際的ではない。図書館の技術は理論に導かれつゝしかも実際からの遊離を極力さけなければならない。
6 仕事に追いかけられず、仕事を追いかけよう
仕事は速に処理し常に待機の姿勢でありたい。
7 仕事は終始一貫を期したい
先例を考え、将来を察し、縦横の関係に十二分の注意を払い一貫した方針で事を処理したい。
8 協力的でありたい
図書館活動の目的は他の諸機関との協力によってのみ達成される。偏狭をさけて館の内外において事を協力的に運びたい。
9 常に明朗でありたい
図書館人は常に暗いとされている。自己教養やスポーツによって明朗性を養いたい。
10 常に健康でありたい
図書館の環境は必ずしも快適ではないが健康こそはすべての根源である。心身の健康を保って愉快に図書館奉仕に生きたい。
この十条は私の処世のちかいでもあり、自己批判の尺度でもあり、又同志への当面の切望でもある。 |
これは当館のスタッフルームにしばらく前から貼られているものの写し。加藤宗厚さんの『件名作業』(1957・理想社)からで、7ページからの本文直前、6ページに置かれている。当館は1966年の重版を所蔵している。
ゆっくり読む。さいごの「ちかい」「同志」という語に何かしら感じるとともに、それぞれの条項にさまざまの考えがよぎる。ごく最近は「骨おしみをしない」という言葉に肯いた。机に向かってする仕事はすべて「研究的」でなければおかしいと思う。
ところで国会図書館の目録を「件名=件名標目」で検索すると「84件」しかヒットしないが、個人では加藤さんの5件が最多である。これまでのことは措いて、これから増えればいいか。
【追記 2005.10.24】図書館人の自戒十条は『出版ニュース 昭和28年21号(1953)』が初出らしい。同じく「十条」が収録された『喜寿記念図書館関係論文集』の578ページにそういう記述があった。ちなみに『件名作業・重版』と『論文集』では、若干言葉遣いがちがう。
October 17,
2005
NIIと神田古書店がDB開発
書店 国立情報学研究所(NII)が東京・神田の古書店と協力して開発した新しいデータベースが公開されるそうだ。聴いたところによれば、これまで書名や著者名で古書を検索するものはあったが、このデータベースでは求める本に関する「キーワードや簡単な文章」で探すことができるという。もちろん各書店の在庫までたどり着ける。とりあえず10万冊の検索ができるようで、順次、拡大させる予定という。
調べたところ、2005年10月21日(金)オープンの「BOOK
TOWN じんぼう」がそこらしい。そのページはまだトップページしかないが、神田神保町の新しいポータルサイトだという。 まあ古書検索の決定版となるかどうかは、オープン後のこと。でもNIIといえば「件名に絞って検索できない」Webcatですから、個人的には期待はささやかです。
それよりも不思議なこと。このニュースは昨日のNHKで流れたのを耳にしました。でもNIIのサイトには公式発表や関連情報がありません。(10月18日付けのNII
NEWS に出ました。【追記10.19】)各新聞社のサイトにもなく、NHKにだけあります。このニュースはどこからNHKに伝わって全国放送されたのだろう。個人的なこと?なわけないし。
「神田古本まつり(10.28 - 11.3)」に合わせてのことと思うけど。
■関連→NHKニュース(動画あり)
※もうありません。→Googleキャッシュ 【2005.10.18追記】キャッシュもありません。【追記10.19】
September
30, 2005
はやりのPFI
図書館 みなさまのおかげにより、当館作成の『パスファインダー・LCSH・メタデータの理解と実践:図書館員のための主題検索ツール作成ガイド』は、2刷ができあがりました。ありがとうございます。紀伊國屋書店出版部より出荷されています。
さて、このところ立て続けに図書館業界以外の雑誌で、図書館の特集や記事を見つけた。『都市問題(東京市政調査会)』と『建築ジャーナル』の9月号だ。
『都市問題』はズバリ「模索する公共図書館」という特集である。
根本彰さんや松本功さんが「(公共)図書館ってこうでしょ」という話を書いている。「ハコではなく、提供するサービス(ハコの中身)が問われる」とか、「情報活動をアシストする図書館」とか、繰り返し語られるべき基本的な話である。
このほかは4つの図書館(仙台、桑名、高知、つくば)の事例だが、足元がしっかりしていないなかで、何とか立ち上がった現場の様子が読み取れる。現場のがんばりで想いを実現させても、長期展望は描けない。「楽観を許さない」状況はどこも同じか。それとも状況把握がズレているのか。
『建築ジャーナル』は「PFIで名建築はできますか」というフレーズに目が反応した。中を見たら、やはり桑名の事例などのほか、別の記事で田原市図書館館長のインタビューものっていた。特集メインの「大手設計事務所の本音」という鼎談では、「コストありき」からくる様々な問題が語られている。PFIから設計をはずすほうがいいという意見や、「要求水準書」を作成する段階で住民の意見が反映されていないとトラブルが起こるなど、興味深い。
雑誌とは別な話だが、今年7月に私立大学図書館協会の研究会で、「全国で初めて図書館運営にPFIを導入した」桑名市立中央図書館を見学した。壁に埋め込んだ自動化書庫に「へー」。数少ない職員の方が丁寧に案内してくれた。質疑応答の機会も設けていただけた。2つのことが印象深く、時折そのことを考える。
ひとつは「サービスの質」の評価は、やはり難しいということ。例として「目録の質」について尋ねたが、適切な答えを聞けなかった。
それから「平成の大合併」で隣接する多度町と長島町が2004年12月に桑名市となった(市域は約57平方キロから136平方キロへ拡大した)が、これが想定外だったということ。どうも「分館」の構想がなかったらしい。合併が決まってから「中央」という語を付け加えたそうだ。もとの多度町には「ふるさと多度文学館」という図書館がある。中央図書館のサイトには、なぜか、いまだに文学館へのリンクがない。
とにかく新図書館だけでいっぱいいっぱい、「初めて」だらけの大変さに思いを致す次第である。
でも新しくてきれいな図書館で、大幅利用増。
近所に住む本好きの知人もどっぷり通い詰めてるよ。いいなぁ。
■関連→熊谷弘志さんの「PFI手法から見た図書館への指定管理者制度導入」が載っている『図書館雑誌』の2005年4月号は「これからの公立図書館の行方:指定管理者制度導入をめぐって」という特集。
■関連→日本図書館協会「公立図書館の指定管理者制度について」(2005.8.4) (PDF
32KB)
August 11,
2005
この本、何のために買ったの?
図書館 半年くらい前、とある公立図書館に行ったときのことである。リサイクルの棚があったので「何かないかな」と見ていた。こういう棚で良いものにあたったことがないのでテキトーに、そして職業柄反射的に、左から右へ順になめるように、本を眺めていた。そうしたら意外な本が引っかかった。
『われらの図書館』である。
「あれっ『われらの図書館』が捨てられてる…」と思ったら、その隣に『図書館資源の共有理念とその検証(論集・図書館情報学研究の歩み 第16集)
』が並んでいる。
請求記号ラベルなどで装備されているから、住民からの寄贈とかではなく、その図書館の蔵書だったものだ。除架・除籍されてリサイクルの棚に置かれていたのである。
リサイクルの棚にあるということは、最近○○年における貸出回数が○○回以下、○○年以前の出版、0[ゼロ]分類の排架可能冊数は○○冊まで、などの理由があるのだろうか。その図書館のサイトには基準が書かれていないからわからない。
しかし「最近○○年における貸出回数が○○回以下」が理由だとしたら、そんなこと、買うときにわからないか?
『われらの…』は「もしかしたら」ということもあり得るが、『図書館資源の…』はその見かけからして、公立図書館で貸出が多いわけがない。
で、「この本、何のために買ったの?」と思った次第である。
「図書館についての本」って、ある種の戦略から買うんじゃないの?
いや、もちろん選書基準という戦略はちゃんとあるのでしょうけど。
この2冊は有難くいただいて帰りました。
July 14 ,
2005
アマゾンで見つけた本の詳細ページに当館OPACへのリンクがつきます!
愛淑図 取扱上の注意:この機能に関係するアプリケーションやアドオン Add-on(機能拡張 Extention)のバージョンアップによって、うまく作動しなくなることがあります。
【この項目の加筆訂正】
2005.7.15 利用上の注意=自己責任で!等、若干加筆しました。
2005.7.20 Firefoxに関する加筆をしました。
2006.1.20 Greasemonkeyのバージョンアップにより動作しなかったのを直しました。
2006.2.17 取扱上の注意を冒頭に追加し、加筆訂正を書き改めました。
2006.10.12 動作しなかったものを修正しました。
2007.2.27 リニューアルしたOPACに対応しました。
2008.2.24 動作しなかったものを一部修正しました。
アマゾンで本を探したときに、条件付きながら、「1クリック」で当館の所蔵を調べることができる方法を用意しました。条件とは次の3点です。
- ウェブ・ブラウザはFirefoxを使います。Internet
Explorerなど、これ以外ではできません。
- そこにGreasemonkeyという機能拡張(Extention)を加えます(Install)。これにより、当館用のスクリプトを動かします。
◎Greasemonkeyはセキュリティ上の問題を起こすかもしれません。使用は自己責任で。(↓下の関連リンクを参照)
- Greasemonkeyに、下のユーザースクリプトを加えます。右クリックして「Install
User Script...」を選んでください。
2006.1.20 2006.10.12 2007.2.27 2008.2.24更新しました。以前のスクリプトをご利用の方でこれを使いたい場合は、以前のものを削除してから、インストールしてください。
■amaz_laasa3.user.js
※以前のスクリプトは削除してください。Greasemonkeyの「Manage User Scripts」に「Uninstall」があります。
アマゾン(日本でも、それ以外でも)で探した結果表示される本のタイトルの下(違う場合もある)に「愛知淑徳大学図書館でこの本を探す-ISBN」というリンクを割込んで表示させ、ワンクリックで、この本のISBNによって図書館にあるかどうかを調べます。
ネットではさまざまな本が紹介されています。そこにアマゾンへのリンクが張ってあることがあります。そういう場合、すぐに当館の所蔵調査ができます。ないときには、アマゾンで買えますし、他をあたってもいいし、リクエストしてもいいと思います。
さらに国立情報学研究所の『Webcat Plus』用スクリプトも用意しました。同様に右クリックして「Install
User Script...」を選んでください。こちらも2006.1.20 2006.10.12に更新しました。以前のスクリプト(webcat_plus_as2.user.js)をご利用の方でこれを使いたい場合は、以前のものを削除してから、インストールしてください。
■amaz_wcap1.user.js
これらのスクリプト、そのはじめは長谷川恭久氏の作成したもので、先月末、氏のブログ『COULD』の「図書館Web」というエントリで紹介されてから広がっているようです。すばらしい仕掛けをありがとうございます。メーリングリスト『かりん』への林賢紀氏の投稿で知りました。
長谷川氏のスクリプトをもとに多くの方が、おそらくは、行きつけの図書館のOPACが調べられるスクリプトを作っておられます。そのうちのお一人、Kazabana氏のブログ『データバックアップメモ
- extended -』で出ていたものをもとに、当館用スクリプトに見かけを合わせた『Webcat Plus』用スクリプトを作りました。
[2006.10.12追記]Koumei_S氏の修正したスクリプトをもとに、アマゾン→当館、アマゾン→Webcat、を作成しました。
[2007.2.27追記]natu_n氏のスクリプトをもとに、アマゾン→当館、アマゾン→Webcat、を作成しました。
[2008.2.24追記]Koumei_S氏の修正したスクリプトをもとに、アマゾン→当館、を作成しました。
■関連→Greasemonkey
- Firefoxまとめサイト(説明や便利なリンクがあります。)
■関連→Firefox拡張の「Greasemonkey」が人気上昇中-:セキュリティリスクも(CNET
Japan 2005.3.24)
■関連→ITmedia Biz.ID - おとなの図書館活用術 Amazon編:3分LifeHacking 2007.6.27(わかりやすい説明があります。)
July 13 ,
2005
選書・発注・受入業務をいかに効率的に進めるか?
愛淑図 見出しのようなタイトルの文章を『館灯 第43号
2004』(2005.3)に書きました。昨年度の研究集会で行った発表をまとめたものです。発表の時には十分でなかったところも残らず書いたつもりですが、さまざまな暗黙の前提(私個人の信条、当館や大学特有の前提)を説明なしで書き進めているところがあると思います。わかりにくい部分についてはご質問ください。
内容は、発注データ作成を丸善の『KnowledgeWorker(KW)』で行い、それをリコーの『LIMEDIO』に一括で登録して運用している、当館のしごとについて、特にデータを受け渡すときの加工にファイルメーカー・プロを利用しているところが中心です。KWのサービス内容や図書館システムが変わっても対応できるように、と考えています。
なお今回目次を作ってみました。ほかにもリンク切れの修正や追記など、何ヶ所か、過去の文章に手を入れました。
■関連→私立大学図書館協会西地区部会東海地区協議会(『館灯』はここの年報です。ISSN:
0387-3919)
June 14, 2005
グーグルで図書館の本を調べた例
Google ごく最近、Open
Worldcatで「こんなことがわかった」という例があった。
「消費者医療情報サービス・パスファインダー」を新しく作成したときのこと。
当館の蔵書に、このジャンルの代表的な本の一つが欠けているため、出入りの書店に次の本を発注した。
Alan M. Rees 『Managing consumer health information
services』(Oryx Press, 1991)
ちょっと前の本で新本は既になく、古書を探してもらい入手した。
その本はアメリカ・テキサス州のオースチンからやって来たものであった。Austin
Public Library の小口印が3ヶ所に押されている。
受入作業をしているときに除籍を示すハンコを探したが、どうも押されてないようなので、念のためと思って、前の持ち主のところを調べてみた。このとき
Open Worldcat を使ったのである。
最近作成したパスファインダーに必ず示してあるのが次の探し方である。
例えば「消費者医療情報サービス」であれば、グーグルに「"Consumer health information" site:worldcatlibraries.org」と入力する。 "Consumer
health information" と「"」で囲むのは、この語順のフレーズ検索をするため、「site:」は、このサイト内のみから探すためで、つまりWorldcatの目録データに限定するためである。
- これにならって「"Managing consumer health information services" site:worldcatlibraries.org」で検索。
- すると「Find in a Library: Managing consumer health
information services ... 」は2つ表示される。とりあえず上の方をクリック。
- 表示された書誌事項を確認して、まあ間違いなしと判断、「Find Libraries with
item(これをもっている図書館を探す)」の「Postal code, state, province, or country:(郵便番号、州名、行政区名、国名のいずれかを入力する)」、にオースチンの郵便番号「78767」を入力して、Go。
- 「Local Libraries(あなたの地元の図書館)」のリストに、「Texas State
Library」「University of Texas at Austin」「Austin Public Library」の3館が示された。
- 「あれ、オースチンにはもう一つあるから除籍したのかな?」と思いつつ、「Austin Public
Library」をクリック。
- Austin Public LibraryのOPACがISBNで検索され、その結果が表示される。「0897746228
Managing consumer health information services / edited by Alan M.
Rees. Phoenix, Ariz. : Oryx Press, 1991.」に続く「1 title」をクリック。
- ここでローカルの情報が表示される。 で「Holdings(所蔵)」の欄は? というと
Location |
Call Number
(請求記号) |
Volume |
Material |
Status |
Central |
027.662 Ma |
|
BOOK-ADULT |
Withdrawn
(除籍) |
所蔵館が「Central(中央館)」で手元では「Central」および「Faulk Library」のしるし、請求記号も一致したので、除籍された現物であることが確認できた。
「グーグルやヤフーやアマゾンで検索できる」ってことの一端を紹介したのだが、この例では、大量に印刷された本のうちの特定の一冊について、美術品等のように来歴のウラがとれた。
また、このプロセスの最後は、一応、オースチン公共図書館のOPACにリンクされている。だがグーグルが、時間差なくローカルの情報のコピーをもっていれば、クリック回数は少なくなり手間が減る。これは技術の問題で、いずれ解決されるだろう。
Open Worldcatの検索にはツールが用意されている。これらを使えば、ちょっとだけ手間が省ける。検索語がはっきりしているときには、結構便利だろう。
さて、あなたが英語で暮らしているひとなら、こんな資料の探し方ができる。
- グーグルあるいはヤフーで検索(このとき「図書館の資料のみ」等、オプションがある)
- 検索結果で資料の一覧が表示される
- 一覧からよさそうな本を選ぶ
- 本の書誌データに示されるいくつかの件名から、自分の調べる事柄を確認
- 適切な件名で同じトピックの本を一度に探し出す
- 近所の図書館にあるかどうか確認する
もちろん、こんな検索ができても「本当に必要なことはわからない」ことの方が多いかもしれない。
ただ、できないより、はるかにマシではないか。
■関連→Open
Worldcat
May 27, 2005
Librarians'
Store ライブラリアンズ・ストア
書店 先月、アマゾンに「Librarians'
Store」が開いた。アマゾンといっても「co.jp」ではなく「.com」の方である。図書館員のために用意され、図書館の発注受入や蔵書構築のニーズに応えるという。
2001年に立ち上げた法人口座(corporate accounts)だが、図書館向けにサービスを拡張したようだ。まとめ買いのしくみ(approval
slips → bulk shopper)のほか、サイトを眺める限り今のところ特徴はよくわからないけど。
よく考えれば、もともと大口のお客は図書館だよね。
米国とはさまざまに事情が違うわけで、日本に開いたとしても「使い勝手次第」です。
とにかく気になる。(よね、書店の皆さん。)
May 12, 2005
Worldcat
は「真の世界書誌」をめざす
Google このたび当館では『パスファインダー・LCSH・メタデータの理解と実践:図書館員のための主題検索ツール作成ガイド』を出版しました。ようやく流通しはじめたようです。ちょうど同じ時期に北海道からもパスファインダーについて別の1冊が出版されて、ちょっと驚きました。
このガイドブックの編集補助(おもに執筆者の応援)として微力を尽くしたひとりとしては、より多くの人に活用してほしい。と同時に、出来の悪い部分もわかっているつもりであり、難有るところには耳を傾け、次の仕事へ生かしたいと思う。
ところで今日の本題は、もう3か月も前になるが、2005年2月に行われた「OCLCメンバー評議会」についてである。はじめてニュースを見たときから気になっていたが、関連文書を斜め読みすると、すごくおもしろい。
是非紹介したかったが「眼の病気」とか「雑誌原稿の執筆」とか「年度末・年度始めの繁忙期」とか「季節の変わり目のひどい風邪」とかそのほか重なって、時間が過ぎてしまった。
いくつかあるが、ひとつだけ取り上げたい。
何かを探そうとする人は、今やグーグルやヤフー、アマゾンの方法に慣れていて、そのやり方で探そうとする。それがどういうことか、これを読んでいるたいていの人はおわかりであろう。
探したいことについて思いついた単語をグーグルに入力すると、1秒くらいで、何かを表示してくれる。
OCLCはこれを現在もっとも受け入れられている方法として、まじめにとらえて、行うべきことを考えた。
そのひとつがOpen
Worldcatというプロジェクトである。Worldcatの書誌データをグーグルやヤフーに提供したのだ。その結果、グーグルやヤフーからのトラフィックは、2004年当初の数千から500万弱へ増加した。グーグルで検索したとき、結果リストに図書館の資料が並び、それを検索者に発見させる、このプロジェクトの効果をOCLCは高く評価している。
そしてOCLCは「より大きく質のよい地球規模のWorldcat」を目指す、つまり「Worldcat=世界目録」この言葉通り、「truly
global WorldCat」になるというのだ。
Worldcatの拡張の方向は、中心に「MARC21、AACR2」、その外側に「NONMARC21」、さらに「NON MARC」ということである。
繰り返しになるが、「ひとがグーグルで何かを探す時、思いつきの単語をちょろっと入力して検索する」、この方法は圧倒的に利用されている。大量に集中したデータの蓄積から検索するパワーがあれば、日本の図書館も利用したい。できることは
(1)グーグルやヤフーやアマゾンで検索できる
(2)コトバで検索できる
この2つが考えられる。
(1)については、グーグルやヤフーの仲間に入れてもらうことだろう。つまりOpen Worldcatだ。そこで考えるのだが、グーグルやヤフーの検索結果に表示させる(だけの)ために、Worldcatに加わることは正しいか。とはいえ、私たちの国の目録はどのレベルにあるかしら?
(2)は、コトバを目録に記述しておくことであろう。つまり件名である。件名がなくて使えない「雑誌記事索引」をいつまで放っておくの?と思いつつ。
あちらではFRBRを念頭に開発を進めているというし。
もちろん「グーグルでちょこちょこっと探す」という枠組み自体に疑いを持つことも頭の片隅において。
別な感想だけど、評議会の写真を見るとオヤジやオバサンが集まって活発なムードだなあ。
■関連→OCLCメンバー評議会とは(紀伊國屋書店)
April 20, 2005
長嶋有『泣かない女はいない』のカバーの裏に…
図書館 【4.21に再確認して修正したのに続き、4.27に修正追記した。】
『週刊朝日』の書評コーナー「週刊図書館」を結構好きで読む。
現在発売中の『4月29日号』は、鴨志田穣さんのインタビューからはじまって、高橋源一郎さんの『失踪日記(吾妻ひでお)』評、斎藤美奈子さんは杉田かおる・爆弾本を紹介、永江朗さんの心理テストへの懐疑、呉智英さんが「鉄の惑星」に膝を打った話など、私には盛りだくさん。
最後に「読書日和」という毎回違う人が最近読んだ本の話をする欄があるが、今号は島本理生さんだった。
そこで取り上げていた2冊のうちの1冊が、長嶋有さんの『泣かない女はいない』である。標題作のほかに「センスなし」が収録されているが、カバー裏に短編があるという。調べたら「二人のデート」という掌編で、目次にはないが、初出(p.172)には目次の2編と並べて、タイトルとともに「書き下ろし」と書かれている。
島本さんは「図書館の本などはあらかじめ外れないようにカバーが張り付けてあるので、この短編を読むことができない」と書いていたが、実際どうなのだろう。朝日新聞(2004.12.18
朝刊生活面)で「実は、うちではカバーを全部捨ててるんです」と、きっぱり答えていた国会図書館はどうする? 捨てるんだから、JAPAN/MARCにも情報は載らないだろうな。カバーを捨てても172頁の情報はあるぞ。他の図書館も目録をどうするのかなぁ。
常々思うのは、日本ほどカバー(装幀)に力を注ぐ国もないだろうということ。本にバーコードを印刷するに際しても大きな議論があったし。
本は「中身が大事です」とはいうものの、ちょっとした本(失礼)でも相当なエネルギーをかけているのをみると「外見が大事でもある」だよね。
宮嶋康彦さんの『日本カバ物語』は、カバー裏の〈国内動物園全カバ系図〉が圧巻で、これこそ「中身」のエッセンス。後に改訂された『だからカバの話(朝日文庫)』では「折り込み図」にしてある。
司書としては、図書館は「必要なカバーは付ける」のだと思う。「意味があるから」とか「お金がかかってるし、付けたら違うでしょ」と言って説明することもあるが、要は1冊ずつ手に取ってみて、必要かどうか判断すればいい。プロなら朝飯前の仕事だろう。当館で年に1万冊程度あつかううち「どうしよう」と頭を抱えて小一時間も迷うような本は、1冊あるかないかである。
あなたの知っている図書館では、次の本、どうなってますか?
【追記 (4.27)】
その後「カバーを張り付けると利用に問題がある本」という観点からいろいろ見ていると、思ったよりもその手の本は、たくさんあるのです。ちょっと挙げてみるだけでも「カバー裏に何か印刷されているもの」のほかに、「表紙や裏表紙に本文にはない解説や図面等があるもの」「見返しに地図や写真等があるもの」、さらに「帯とカバー、両方がトータルにデザインされているもの」…、という具合。当館も『電車男』をうっかり通常の装備をしていた。うーん難しい!
March 15, 2005
藤川正信先生、カナダにて逝去されました
図書館 享年82歳。2005年3月10日午前0時5分(現地時間)だったそうです。
つつしみまして、ご冥福をおいのりもうしあげます。
(昨日、筑波大学図書館情報等支援室から連絡がありました。) |
March 10, 2005
旭屋書店名古屋ラシック店オープン
書店 杉花粉が猛烈に飛びはじめた3月9日、名古屋の繁華街・栄(さかえ)に開店。ジュンク堂(名古屋駅前・2003.11)に続く関西大手の進出である。ラシックというのは三越の南館で、その5階6階それぞれ1/3程度に「ドーンと55万冊」そろえたという。
丸善丸の内本店を見て以来の、新しいビルの新しい書店は、きれいで広い。5階は背の低い棚で「横に広く」、そして、6階は背の高い棚で「縦に広く」、空間に変化がつけてある。その棚であるが、「これはぎっしり多く」「これは最低限を置くだけ」という割り切った印象の品揃え。POPがなくて本を入れただけの棚も、いずれこなれてくるだろう。他書店への影響は大きいと思うが、5階まで上がるのはどうか? 紀伊國屋(ナディアパーク6階)の例があるけど。
ちなみに花は、大きなものは左にダイヤモンド社・新風舎、右にNHK出版・日販、6階に中日新聞。もちろん他にもたくさん飾られていた。
なにより、開店から「5日間連続」粗品進呈、もちろん各日別のオリジナルグッズ、これは名古屋人に効くのではないか。(よその開店時でもやってるのかしらん。)
January 6, 2005
『土佐日記』の完成
ネット 公開されてほぼ1年2か月で『土佐日記:Tosa
Blog』が完成した。(2005/1/5 絵文録ことのは)
「このサイトは、日本最古の日記文学である『土佐日記』を、ウェブログのスタイルで表現してみようと思ってやってみたもの」という解説そのままであり、こういうクリエイティブなことに出会えて、うれしい。
FRBRになぞっていうと、平安時代の『土佐日記』という作品(Work;知的所産とか著作とも訳されている)が、このたび、ウェブログという実体形(Manifestation)で新しく登場した、ってことです。こういう出し方、おもしろいと思います。
ただし、100%『土佐日記』ではない。
そこを付け加えると、「紀貫之に関係する資料で日付がはっきりしているものは、土佐日記以外のもの(古今和歌集など)も」含まれている、とのこと。ご留意あれ。(解説=『土佐ブログはじめました』に書いてある。)
これも『土佐日記』を体験するひとつのきっかけ・材料であるし、今はこういうものこそ、きちんと押さえておかなきゃ、図書館が開かれたところなら、ね。
そういえば、英国図書館(British Library)が電子メールの収集・保存に着手したって記事(『カレントアウェアネス-E
No.48』)もあったなぁ。Nacsis-CATとか、登録できる?
■類似→一葉blog(まねっこ)
図書館のウェブマスターとして、また選書や広報の担当として
サイトを、新聞や雑誌を、みてよんで情報収集をしているなかで
「これは知っておいてもらおう」と思うもの(小ネタ含む)を
図書館の同僚に「お知らせ」していたのですが
ふと、そういうことはどうせなら、試験的にサイト内でやってみようと思って、はじめました。
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