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世界最大になるため、OCLCは知恵を集める

2007-05-02

『The Calhoun Report』のカレン・キャルホーン(Karen Calhoun)さんがOCLCの副社長になるってニュースがありました。コーネル大学図書館の重要なひとだったと思われる(↓下を参照)のですが、実は前の職場に戻るのですね。「世間」がある日本とはちがうことで物事が進むのだろう、と想像しています。おそらくニュースリリースにあるように、OCLCの想定よりも早く、欧米各国の目録が統合されようとしているのでしょう。今年もニュージーランドをスウェーデンなどなど……が加わるようですし。
また『Library Journal』誌のキャルホーンさんの記事によれば、アリゾナ大学図書館のエレナ・ノーラン(Elaina Norlin)さんもOCLC CAPCONへ移るそうです。大学図書館からひとが動きますね。

■カレントアウェアネス-Rの記事はこちら
■元は「Senior Associate University Librarian for Information Technology and Technical Services at Cornell University Library」でした。

短いですがこちらが本題。またまたOCLCへ、ひとが動きます。『Library Journal』誌に毎月コラムを書いているロイ・テナント(Roy Tennant)さんが、5月半ばに「RLG Programs group」に行くそうです。Vice Presidentに比べると扱いは小さいのですが、業界的には大きいと想像します。

■彼自身によるコメント「Ch-ch-ch-ch-changes」
『Resourceshelf』にあった公式なお知らせはこちら
■元は「User Services Architect for the California Digital Library at University of California」です。
余談ですが「カレントアウェアネス-R」は早いときには早いですね。先日も『Catalogablog』が4/19付で新しい目録系ブログを紹介しており、興味深いものだったので購読対象にしたのですが、すぐ記事にしていました。(4/20のこれ
さらに追記ですが(やっぱり書いておきます)、本当に重大なニュースはWorldcat Localです。この意味は大きい。ベータ版を導入したワシントン大学の説明はこちら。これについてのCA-Rはこちら

Categories: OCLC, OPAC, RLG

「RedLightGreen」は、11月1日より利用できません。

2006-09-04

あの RedLightGreen が終了する。RLGがOCLCに吸収されたときからわかっていたことではあるが。

RedLightGreen には2度驚いた。

1度目はもちろん最初に使ったとき。それまでにもいろんなOPACを使ってきたが、そのどれとも違う画面、利用者を誘導する表示項目など、新しい体験に未来の可能性を目の当たりにする思いであった。

2度目は日本語で検索できるとわかったとき。日本の図書館システムでも「多言語対応」と言っているわけで、日本語のデータが入力されていれば検索できるのです。

あと近所の図書館の所蔵を調べるとか、論文に書くときの書式で文献リストを保存できたりとか、便利で使い甲斐のある機能もあります。

本当に利用できなくなるのだろうか?

逆にそれだけの機能が「WorldCat.org」に追加される、と受け取ればよいのだろうか?  たしかに、検索枠が1つだけのトップページはRedLightGreenのインターフェイスを参考にしている、と思いました。

海の向こうの激変は、RDAが完成する2008年まで続くのでしょう。

このニュースは『The FRBR Blog』「RedLightGreen closing」(2006.9.1)で知りました。
このエントリーから『RICH :: Ref Info & Com Hub :: Main Page』「RedLightGreen to cease as of Novmeber 1, 2006」(2006.8.28)をたどると、OCLCのRLG Programs担当のMerrilee Proffitt氏(もともとRLGのひとらしい)のメッセージが載っている。
※これを書いている時点で、OCLCからこの件についてのコメントはありません。

Categories: OCLC, RLG, WorldCat

RLGがOCLCと合併

2006-05-08

再び長く更新できず失礼しました。書きたいことは別にあるのですが、大きなニュースなので速報します。合併後、OCLCの名称が残り、RLGはOCLCの一部門(RLG-Programs)となる模様です。

詳細は、2006年5月3日のOCLCのニュースリリース「RLG to combine with OCLC」、または、RLGの ニュースリリース(同じ本文だがリード文付き)をごらんください。RLGにはこの件についてのFAQもあります。

Categories: OCLC, RLG

Worldcat は「真の世界書誌」をめざす

2005-05-12

このたび当館では『パスファインダー・LCSH・メタデータの理解と実践:図書館員のための主題検索ツール作成ガイド』を出版しました。ようやく流通しはじめたようです。ちょうど同じ時期に北海道からもパスファインダーについて別の1冊が出版されて、ちょっと驚きました。 このガイドブックの編集補助(おもに執筆者の応援)として微力を尽くしたひとりとしては、より多くの人に活用してほしい。と同時に、出来の悪い部分もわかっているつもりであり、難有るところには耳を傾け、次の仕事へ生かしたいと思う。

ところで今日の本題は、もう3か月も前になるが、2005年2月に行われた「OCLCメンバー評議会」についてである。はじめてニュースを見たときから気になっていたが、関連文書を斜め読みすると、すごくおもしろい。 是非紹介したかったが「眼の病気」とか「雑誌原稿の執筆」とか「年度末・年度始めの繁忙期」とか「季節の変わり目のひどい風邪」とかそのほか重なって、時間が過ぎてしまった。

いくつかあるが、ひとつだけ取り上げたい。

何かを探そうとする人は、今やグーグルやヤフー、アマゾンの方法に慣れていて、そのやり方で探そうとする。それがどういうことか、これを読んでいるたいていの人はおわかりであろう。

探したいことについて思いついた単語をグーグルに入力すると、1秒くらいで、何かを表示してくれる。

OCLCはこれを現在もっとも受け入れられている方法として、まじめにとらえて、行うべきことを考えた。

そのひとつがOpen Worldcatというプロジェクトである。Worldcatの書誌データをグーグルやヤフーに提供したのだ。その結果、グーグルやヤフーからのトラフィックは、2004年当初の数千から500万弱へ増加した。グーグルで検索したとき、結果リストに図書館の資料が並び、それを検索者に発見させる、このプロジェクトの効果を OCLCは高く評価している。

そしてOCLCは「より大きく質のよい地球規模のWorldcat」を目指す、つまり「Worldcat=世界目録」この言葉通り、「truly global WorldCat」になるというのだ。

Worldcatの拡張の方向は、中心に「MARC21、AACR2」、その外側に「NONMARC21」、さらに「NON MARC」ということである。

繰り返しになるが、「ひとがグーグルで何かを探す時、思いつきの単語をちょろっと入力して検索する」、この方法は圧倒的に利用されている。大量に集中したデータの蓄積から検索するパワーがあれば、日本の図書館も利用したい。できることは

(1)グーグルやヤフーやアマゾンで検索できる

(2)コトバで検索できる

この2つが考えられる。

(1)については、グーグルやヤフーの仲間に入れてもらうことだろう。つまりOpen Worldcatだ。そこで考えるのだが、グーグルやヤフーの検索結果に表示させる(だけの)ために、Worldcatに加わることは正しいか。とはいえ、私たちの国の目録はどのレベルにあるかしら?

(2)は、コトバを目録に記述しておくことであろう。つまり件名である。件名がなくて使えない「雑誌記事索引」をいつまで放っておくの?と思いつつ。

あちらではFRBRを念頭に開発を進めているというし。

もちろん「グーグルでちょこちょこっと探す」という枠組み自体に疑いを持つことも頭の片隅において。

別な感想だけど、評議会の写真を見るとオヤジやオバサンが集まって活発なムードだなあ。

■関連→OCLCメンバー評議会とは(紀伊國屋書店)

Categories: MARC, OCLC, WorldCat

Google 2題(おまけつき)

2004-10-15

(その1) Google Desktop Search

ウィンドウズ用(Windows XP あるいは Windows 2000 Service Pack 3 以上)のフリーウェア=使用は自己責任で。Google のインターフェイスで「自分のコンピュータ内のデータ」を全文検索できる。マイクロソフトのワードやエクセル(オフィス2000以上)のファイルやアウトルックのメールなどが調べられるらしい。ブラウザで動作する。

【追記(10/19):これを使って Google を検索すると、自分のコンピュータ内からの検索結果が先頭に、Google の結果がその次に表示されます。】

(その2) All of OCLC's WorldCat Heading Toward the Open Web

「Open WorldCat program」は OCLC の WorldCat が Google と Yahoo! でも検索できるサービスだが、いよいよ2005年1月からパイロット事業ではなく、正規の事業となる。Barbara Quintさんが『Information Today, Inc』で来年以降起こることについて書いています。

■関連→OCLC Open WorldCat program

(おまけ) もしかして

「スペル修正候補」とメッセージしていたのが最近変わりました。英語では「Did you mean」と表示されます。結構ヘンなのが出るようで。

Categories: Google, OCLC, WorldCat