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閉店する2つの書店

2015-12-28

2015年12月、筆者のよく知る2つの書店が閉じる。

ひとつは地下鉄東山線「一社」駅の駅前で、40年続いた「文京堂書店」だ。12月31日をもって閉店する。20年くらい前、この近くに住んでいたことがあり、当時はお世話になった。

西隣の「星ヶ丘」駅の「栄進堂書店」も11月に移転して、「東山公園」駅が最寄り駅となった。

高度成長期以降、名古屋の東部丘陵に開かれた住宅地から、中心地へのアクセスに利用されるのが地下鉄・東山線だ。その路線の「星が丘」から先の駅前から、普通の本屋がなくなってしまった。店じまい/営業中それぞれの売り場面積が分かると、別の観点が出るかもしれない。

東山線全駅の1日あたりの乗降客数と、駅前に本屋があるかどうか(有=○、無=×)を一覧にしてみた。

高畑 21,166 ○
八田 12,324 ×
岩塚 16,393 ×
中村公園 22,888 ○
中村日赤 8,945 ×
本陣 14,279 ○
亀島 8,457 ×
名古屋 258,248 ○
伏見 59,764 ×
栄 151,454 ○
新栄町 27,009 ×
千種 51,567 ○
今池 25,307 ○
池下 27,230 ○
覚王山 18,846 ○
本山 22,791 ○
東山公園 15,297 ○
星ケ丘 51,249 ×
一社 28,110 ×
上社 22,735 ×(ブックオフ、ツタヤ有)
本郷 23,348 ×
藤が丘 58,849 ×
乗降客数:『平成26年版名古屋市統計年鑑』の「11.運輸・通信」にある乗車人員を2倍し、それを365(日)で割り、四捨五入した。

もうひとつの書店は、名古屋一番の繁華街・栄に長く店を構える、丸善名古屋栄店だ。かつての丸善名古屋ビルにあった店を引き継いだ老舗で、丸榮百貨店の6・7階へ移転していた。そこが、11月23日に7階を休止、12月25日に6階が休止となった。

11月の新聞報道では「丸善、丸栄から12月下旬撤退 「名古屋本店」に集約」(中日新聞・11/21朝刊)「丸善、名古屋・丸栄から撤退へ  栄の3店を2店に集約」(朝日新聞・11/22朝刊)とあったが、少し後の中部経済新聞(12/3)に「丸善ジュンク堂書店  名古屋・栄で新店舗を計画」という記事が出ている。

新聞記事と、2015年2月1日に丸善書店とジュンク堂書店は合併して「株式会社丸善ジュンク堂書店」となったこと、さらに店内の張り紙から、気づいたことがある。以下は、その推測である。

「丸善名古屋栄店」は閉店(撤退)と報道されているが、事実上は移転で、何らかの理由から屋号を変えて「ジュンク堂書店(名古屋栄店?、あるいは昔の呼び名なら、名鉄栄メルサ店?メルサプラッツ店?だが、両方とも既に存在しない)」となるのだろう。25日に店じまいした丸善名古屋栄店は、百貨店の高層階で、かつ閉店が午後7時(この時刻は勤め人が立ち寄るには早い)という状況だったから、丸榮サンには申し訳ないけれど、よい場所があれば移転は当然でしょう(名古屋栄店が移転したときの諸事情を知らないままでの憶測ですが)。

1月に開店する「明治安田生命名古屋ビル」の地階(B1・B2)は、栄地下街のメインストリートから一歩入っており、この場所が繁盛していたかどうか(筆者があまり利用しないところだったから)よく知らない。ただし広さの記憶はあって、丸榮の2フロア(6・7階)と同程度か、少し大きい店となるはずだ。

そこまで考えたら、名古屋駅前の地下街にかつてあった、書店同士の関係との類似性に気が付いた。思い出せる人だけがわかる表現で恐縮だが、地下鉄東山線・名古屋駅の改札に最も近い書店だった〈ダイナード〉入口の「日進堂書店」と、〈テルミナ〉地下2階の「三省堂書店」の関係が連想されるのだ。つまり、こう。
・日進堂書店@ダイナード = トキワ園書店@森の地下街
・三省堂書店@テルミナ  = ジュンク堂書店?@明治安田生命名古屋ビル地階
類似するなら、名古屋駅地下街のテルミナに三省堂書店が開店したときに匹敵するインパクトかもしれない(が、時代が違うから、実際はそれほどでないだろう)。とおりすがりの最小時間で買いたい人などは、地下街メインストリートの「トキワ園」へ、それ以外は「ジュンク堂」へ、という棲み分けになるか。それにしても、今回は近すぎる。

もうひとつ付け加えると、地元の人は栄について、栄交差点の西(地下街の西)、すなわち丸栄の向こうに明治屋と丸善がある、というイメージが強くあると思う。

現在の「丸善名古屋本店」の位置も、このイメージでだいたい正しいが、広小路通に面していないところが、少し異なる。明治屋もなくなったしね(建物のみ現存)。

対して、栄交差点の東(地下街の東)は、中日ビルの存在感が大きい。地下街も、中日ビルへの通り道、というイメージが強い。そこに(名古屋の人には馴染みが薄いから)新鮮なイメージでジュンク堂が開店すれば、人々のイメージマップを上書きする可能性がある。

万が一のことだが、中日ビルの建て替えに動きがあるかもしれない。工事となれば、中日ビルへの通り道というイメージは薄くなるだろう。

思いつくまま書いてみたが、単に「丸善名古屋栄店の移転」の方が、コストが少ないからベターなはずだ。店内の張り紙(ウェブサイトの案内と同じ)に、「閉店」の文字がないことから、オトナの事情らしき様子をうかがい知ることができると思うけれど、いかが。あるいは雑誌の「廃刊」を「休刊」と告知するようなものかしらん。いずれにせよ、なじみのある「丸善名古屋栄店」という名前が消えるとすれば、残念ですねぇ。

(2016.1.4に推敲)

【追記】図書新聞 3237号(2016年1月9日)の記事に「丸善ジュンク堂書店は1、2月に、ジュンク堂書店を名古屋と東京・立川に出店する。」「名古屋栄店は1月22日に、中区新栄町の明治安田生命名古屋ビル地下1~2階に開店予定。売り場面積は610坪。」とある。

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名古屋の丸善が改めて路面店に

2014-07-11

6月25日、平和不動産のニュースリリース(PDF 190KB)で、現在建築中のビルへ丸善が入ることが明らかになった。これを受けて、名古屋では各紙が報道したが、実は、このニュース自体は2014年1月29日に中日新聞が伝えたとおりの内容である。いずれも自らの発表ではない。

この日付は、2年前の2012年6月24日、丸善・名古屋栄店が一時閉店した日と、つながっているように見える。

もとの丸善名古屋ビルとの位置関係をマップに示した。(リンク先をご覧ください。

左の「明治屋栄ビル」の隣にあったが、現在は東隣の百貨店「丸榮」の6・7階に移転し、近い将来、その南の区画に新築されるビルへ入居することになる。いずれも隣接する区画での移動である。

ここでも、2年前、一時閉店した丸善名古屋栄店の様子を書いた。その後、2012年9月27日、丸榮の6・7階に移転開店したときは、Togetterにまとめた。

移転先は、もとの丸善があった広小路通(江戸時代以来の名古屋の大通り)から、南へ少し入った南伊勢町通である。タイトルには路面店としたが、名古屋の繁華街・栄の南北のメインストリート南大津通に並行する、一本入った通りだ。かつて名古屋証券取引所を中心に、証券会社が軒を連ねた町でもある。平和不動産のビルが多いわけ。

そういえば、もとの丸善の西隣は日興証券、広小路の向かいには山一證券があった。後に山一証券のビルには、マナハウス(栄ブックセラーズ)が入ることになる。今では、この店もなくなったけど。

地上7階地下1階のすべてに入居するとのこと。できればジュンク堂100%ではなく、伝統ある名古屋の丸善を思い出すことができるような空間にしてほしい。

丸榮との契約もあるはずだが、うまく調整して良い時季に開店できるとよいですね。

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丸善の店じまい

2012-06-18

中日新聞は5月22日の朝刊一面で「丸善、丸栄に移転」と報じました。丸善・名古屋栄店は入居ビルの建替えで移転を迫られていたのですが、2012年6月24日(日)に現在の店を閉じた後、道をはさんだ東隣の丸栄百貨店の6-7階へ、この秋移転する、という記事です。

このニュースを聞いて、どれだけ多くの人がほっとしたでしょう。

「丸善がどうなるのか」は、このところ一部の人にはかなり関心のある話題でした。だからこそ一面だったわけです。自分のまわりでも、気になっていた知り合いが何人もいました。

ほっとしたものの「丸栄ってどうなの」と考えると、見通しは、はっきりしない。丸栄は老舗の百貨店であるが、業績不振のため現在は医薬品製造の興和が親会社となっている。広小路通の向側にある栄町ビルとのツインビルの構想が持ち上がっている。また丸栄(本館)は建築家・村野藤吾の設計で1953年(昭和28年)に竣工、国内で権威のある日本建築学会賞(第5回)を受賞した価値ある建築で、東郷青児によるエレベータドアでも有名だ。簡単に壊せない気もする。

6月24日に一時閉店する名古屋の丸善は、1933年(昭和8年)3月からこの地にありました。

昭和7年に出版された『百万・名古屋(島洋之助著)』に次のような記述がある。「丸善書店は和洋書を見るインテリー讀者、學生で何時も一杯だ。(p187)」とあり、翌年に新築される予定地については「靑いペンキ塗の板塀は安田信託用地と、丸善建築用地で、寂しく見すぼらしい。早く建ち並んで貰ひたいものである。」

今のビルは戦争で焼け残った店舗を新築して、1965年(昭和40年)10月6日に開店した2代目の建物です。

さらに一番はじめまで遡るなら138年前、岐阜県出身の丸善創業者・早矢仕有的(はやし・ゆうてき)が医学の修行した名古屋に店を出したのが、1874年(明治7年)です。創業の1869年(明治2年)から2年後の大阪、3年後の京都につづく支店でした。当時のメインストリートの、名古屋城から熱田神宮つまり東海道(宮の宿)へつながる本町通りにありました。

本町通りの2本西の通りの長島町には、有名な貸本屋大惣が1899年(明治32年)まで店を構えていた、そんな頃です。

明治以来、名古屋の知的な文化をはぐくむ役割を、丸善は果たしてきています。
私が知っているのは、この30年くらい、より身近なのは15年ほどですが、ほかとは違う特別な存在です。

本(よく言われるのは専門書)と、文具は、もちろん定評がありますが、とくにコミックを常備しない方針は店の品格を表すものでした。それからやはり洋書。これだけの洋書売り場は、名古屋では丸善だけです。ほかにも、普段はとても手がでない洋品売り場と、古本市や作家のサイン会、原画展などに出かけたギャラリー(画廊)があって、もっと前にはクラフトセンターがありましたね。イベントでは、どこも企画できない落語会が突出していた。図書館で働くようになってからは、売り場より上の階に、もうひとつの顔があることを知りました。図書館員が集まる催しや研修などもありました。

こうした様々な側面が私の中で混ざっているから、良い書店、好きな書店というより「単なる書店ではない」という価値が、丸善という名前に含まれています。良い悪い、好き嫌いと別に、名古屋の繁華街・栄には、丸善があって欲しい、という気持ちが強いのです。

単なる書店ではないといえば、名古屋が発祥の「ヴィレッジヴァンガード」がある。裏丸善のように見えるのは私だけ?

ところがある時期から会社が傾いてゆく。現場は必死だったはずだ。しかしがっちりした組織が非効率に向かって進み、好転しなかったのだろう。とうとう2000年代、こんなことになってしまった。

  • 2000.3 丸善名古屋ビルを売却
  • 2005.8 産業再生法の認定を受ける
  • 2005.10 京都河原町店が閉店
  • 2007.7 大阪心斎橋そごう店が閉店
  • 2008.8 大日本印刷の子会社となる
  • 2010.8 丸善書店株式会社を設立

お店は「丸善書店」という名前になりました。売り場の上階にあった「丸善」の事務所も、一つ隣の地下鉄駅・伏見の方へ引っ越しました。
そして店じまいまで1ヶ月となった時期に、新聞で皆が知ることになったのです。

4階の洋品売り場は一足先の6月3日に閉店。オリジナル靴も製造中止だそうです。「丸善の洋品」は幕を引きました。メガネサロンも6月12日で営業終了です。文具でもオリジナル商品の廃番があります。

まずは洋品が閉まる前に、と思って、5月の最終週に出かけました。広小路通り側の入口の前で、何枚か写真を撮って、店に入りました。こちらは文具売場の入口で、文具も在庫セールと聞いていたからです。
一歩足を踏み入れたら、とたんに複雑な気持ちになりました。
いつもの店ではありません。商品の配置がおかしいし品数がスカスカ、レイアウトも少し変えてあります。頭ではわかっていましたが、ものすごく動揺して、戸惑ってしまった。

地域の拠点であった書店が各地で閉店するニュースを見聞きしていたのに、実際の店じまいに居合わせたこともあるのに、閉店セールをする丸善を、正視できなかった。そそくさと洋品の売場で普段使いの財布を買って店を出ました。それが精一杯。

でも、これもすぐ気付きました。売場の人は、こんな辛さじゃないだろう、と。売る本(品物)がない売場での仕事は。
48年前に丸善名古屋ビルを作って開店、自分からビルを手放し、今そこから退去しなければならない。
丸善の人はどれほど残念だろう。

次の週には少し落ち着いて買い物をしました。

そう、落ち着いて年表を見ると、これまで何度も移転しています。さらに1884年(明治17年)から1922年(大正11年)までは名前こそ続いたが、他人のものでした。
今はそれと同じか、もっと悪い(良い)のかもしれない。でも困難を乗り越えた過去を知っている。親会社など組織の具合はわからないけれど、再びヘンなことになりそうだったら、丸善には立ち返る伝統がある。

とくに名古屋では、80年、まったく同じ場所に店を構え続けてきました。これこそが明治以来の「丸善文化」に愛着をもつ人を育み、そうした人がもつ絶大な信頼の根っこではないか。このつながりを維持するためにも、将来、路面店での復活を夢見ています。

未来は開かれていると信じたい。

『丸善百年史』などから、名古屋関連をいくつか拾ってみました。
  • 1874(M7).8 丸屋名古屋支店(書店・薬店)を開設【本町8丁目9番地=現・中区錦二丁目13番】
  • 1879-80(M12-3)頃 移転【本町2丁目68番地=現・中区丸の内二丁目】
  • 1883(M16) 移転【京町1丁目72番地=現・中区丸の内三丁目12番】
  • 1884(M17).5 丸屋銀行の破綻にともなう整理として経営譲渡(早矢仕→村松彦七→野崎覚次郎)
  • 1912(M45) 移転【中区栄町6丁目=現・栄三丁目5番 名古屋三越の場所】
  • 1913(T2).4 名古屋丸屋書店を合名会社に改組
  • 1922(T11).3 名古屋支店開設=名古屋丸善商店(1884に譲渡した会社)を買収
  • 1933(S8).3 社屋が新築落成、翌日開店【中区栄町3丁目5番地=現・中区栄三丁目2番 現在地】
  • 1945(S20).3 アメリカ軍の空襲で一部被災、附属別館が全焼
  • 1946(S21).12 復旧工事が完成
  • 1947(S22).5 名古屋に支店を設置(組織改編)
  • 1956(S31).12 名古屋駅前の名鉄百貨店5階に、名鉄店を開設(1961.5 廃止)
  • 1963(S38).8 増改築のため移転【中区大津町4丁目23番地ライオンビル1-4階】
  • 1965(S40).9.30 丸善名古屋ビルが新築落成(安田信託銀行と共同)
  • 1965(S40).10.6 開店【現在地】
  • 1978(S53).11.2 セントラルパーク地下街に、丸善ブックメイツ名古屋セントラルパーク店開設(2005.11 丸善へ運営移管)
  • 2000(H12).3 丸善名古屋ビルを売却
  • 2012(H24).6.24 ビル立替えに伴う移転のため一時閉店
  • 2012(H24).秋 丸栄百貨店に開店【中区栄三丁目3番1号 丸栄6-7階】

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新年度のごあいさつ、番組・イベント情報など

2008-04-16
新年度になり、新入生がちらほら、来館しています。在学生も徐々に始動してきています。
明日から講義がはじまります。本館ではオリエンテーションのリハーサルをしています。
4月から図書館の大きな3つのポスト、図書館長、本館の事務長、分館の事務長、に交代がありました。また長久手のMMRCにも交代がありました。募集していた職員も配置されました。新しい顔ぶれで仕事に取り組むことになりますので、どうぞよろしくお願いします。

図書館関連のテレビ、ラジオ、イベントをご案内します。

テレビ●すでに関東地区では放送開始した『図書館戦争』
名古屋の東海テレビでは1週遅れ、4/17(木)の26時05分(金曜日・午前1時05分)から、スタートです。
原作の有川浩さんの著作はこちら。
ラジオ●4/21(月)の『アクセス』TBSラジオ(東海地方ではCBC)・午後10時から
えのきどいちろう+常世田良(日本図書館協会)のバトルトークです。
「番組からのお知らせ」に案内があります。
イベント●『いせひでこ「ルリユールおじさん」絵本原画展』
名古屋の丸善・名古屋栄店にて、次の日程で行われます。
原画展  2008/5/8(木)〜5/14(水)(7日間)
ギャラリートーク&サイン会  5/10(土)午後3時〜
全国縦断の予定は理論社の「イベント&ニュース」で確認できます。

前回からの間に、こんな番組を録画しました。ご覧になりました?どれも興味深いものばかりでした。

NHK『あしたをつかめ:平成若者仕事図鑑  No.151 学校司書』2008-2-14 19:00〜(再放送分)
……紹介されたことは、まずはよかった。
毎日放送『情熱大陸』「直木賞作家・桜庭一樹」2008-2-24 、「展示デザイナー・木下史青」2008-3-30、いずれも23:00〜(CBCで放送) NHK『トップランナー  桜庭一樹』2008-3-14 0:10〜(再放送分)
……よく出ています。
テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』「文化財  災害への備えは?」2008-3-2 0:01頃〜(テレビ愛知で放送)
……デジタルは本物ではないのですが、と思いつつ。……このサイトでは過去の特集(動画)が見られるのですね。
NHK『爆笑問題のニッポンの教養  FILE030:「検索エンジンは脳の夢を見る」高野明彦(連想情報学・国立情報学研究所)』2008-3-4 23:00〜
……連想検索って、やっぱり図書館からとても遠いところにあるけど、一周回って近くにあるのかな。……研究は楽しそう。
TBS『夢の扉:Next Door 村林孝夫「写真を復元する技術を高め、過去の貴重な写真を復活させたい』2008-3-30 18:30〜(CBCで放送)
……技術が解決することがあるのだ。技術は事態を前へ進める。
朝日放送『探偵ナイトスクープ  探偵・桂小枝「ハマサキの奥さんという魚?」』2008-4-4 23:29頃〜(メーテレで放送)
……どんどん調べていって、あっちこっちへ振り回されるようすが、おもしろい。ひとの言うことって、証言にしても書いてあるモノにしても、いい加減だし、信じられるし。
朝日放送『テレメンタリー2008「負けてたまるか:国と闘う町長の決断」』2008-4-8 2:50〜(メーテレで放送)
……これはテレビ朝日『サンデープロジェクト「続・矢祭物語:「善意の図書館」で地域再生」』2008-1-13 11:08頃〜(メーテレで放送)で、同じ取材を基にした、別番組が放送されましたね。
NHK『ドキュメント・にっぽんの現場「ヒットをねらえ!コミック創刊 :つかめるか?少年の心」』2008-4-12 22:25〜
……マンガ雑誌、マンガ連載のつくられ方。マンガ家と編集者の関係が垣間見える。
NHK『きょうの世界  「全米原爆展・ヒロシマの願いは伝わったか」』2008-4-14 23:09頃〜(BS1で放送)
……大学図書館で展示していました。……Googleを「Hiroshima Nagasaki Exhibit site:edu」で検索すると出てきます。
NHK『BS世界のドキュメンタリー「ネット時代の危うい10代」』2008-4-15 0:10〜(BS1で放送)(原題“Growing Up Online (FRONTLINE)" WGBH(アメリカ・2008-1-22)
……もとの番組「FRONTLINE」のサイトがよさそう(十分確認していないけど。)番組が見られるし。

そのほか図書館につながりそうなものでは、『週刊ブックレビュー』の放送日が毎週土曜・午前8: 30〜(再放送 日曜・午後11: 45〜)に変わったり、先週(4/7-10)『ラジオ深夜便』の「ないとエッセー」で、中野京子さんの「絵に隠された怖い話」があったりしました。

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名古屋の繁華街の大きな書店それぞれの事情

2006-12-15

少し前の12月2日、オープンしたばかりの「あおい書店名古屋本店」へ行ってみた。場所は名古屋で一番の繁華街・栄(さかえ)の栄交差点南西角、「スカイル」というビルの5階である。

ここはもともと隣にある丸栄百貨店の新館「丸栄スカイル」であったが、数年前に経営上の問題から「スカイル」となった。以前、4階に星野書店が入っていたがずいぶん前に撤退した。この5階は「アカチャンホンポ」が入っていたところだ。

700坪の売り場に50万冊を揃えたという大きな店。行ったのは土曜日の午後だったけど、その日のその時間は、まぁとにかく、お客の多いこと。かいけつゾロリも来てた。でっかかったなあ。1メートル80はあったよ。
でも棚が…。
いい棚をつくってくださいね、時間がかかると思うけど。それからこの配置では防犯的には不十分と思ったが、開放的な出入口にして客を呼び込むことを優先させたのであろう。だが店内中央にエスカレータ、丸栄(西隣)とノバ(南隣)へは連絡通路でつながっているし、もちろん階段もある。
中日新聞朝刊の全面広告(2006/11/30=オープン当日)によると、1,000円以上買うとオリジナルブックカバーがもらえたとのこと。1,000円以上買えばよかった。聞いた話では女性客には販促用グッズ(おまけ?)も付いたらしい。

というのが開店の様子だが、スカイルへ書店ができると聞いたときには少し驚いた。
なぜなら景気の悪い話ばかりだから。とくに栄エリアでは。

スカイルの斜向かいのラシック(三越南館)には旭屋書店名古屋ラシック店がある。ここは8月1日に5階のみでリニューアルして、オープン当初は6階もあったが規模を縮小した。「コンパクトになり買いやすくなりました!」なんて言ってるけど、それなら最初からそうすべきだよね。

それから紀伊國屋書店。栄南のロフト名古屋店が9月30日に閉店したのは、賃貸契約の10年をもって以後更新しないと決めたから。小耳にはさんだ高い家賃にはびっくり。これでは採算がとれないよ。
今現在、名古屋に紀伊國屋書店は存在しないが、名古屋駅前の名鉄メンズ館(もと名鉄メルサ)5階に250坪の店を2007年3月にオープンさせる。

ここの6階には鎌倉文庫があったが3月末に閉店、今池ガスビル店へ移転したとのこと。

名古屋駅前には高層ビルが次々建っている。JR高島屋のあるJRセントラルタワーズ、来年3月6日に商業施設がオープンするミッドランドスクエア、ほかにも2つはできる。この賑わいが注目されており、紀伊國屋書店もこちらにターゲットを移したのである。
だがこちらも激戦区。古い順に言うと星野書店、三省堂、ジュンク堂のほか地下街の中小書店がひしめいている。
名鉄メンズ館隣の近鉄パッセ(中部近鉄百貨店)にある星野書店は名古屋の大型書店の草分け的存在。三省堂書店がJR高島屋11階のほか、松坂屋名古屋駅店の地下のテルミナと地下街もあわせて3店もあり、多すぎるほどの印象。ジュンク堂はビジネス街寄りに離れるが、そこそこ定着してきているようだ。

名古屋駅前のエリアを略して「名駅(めーえき)」と名古屋の人は呼ぶ。愛称として略称を使っているならいいけど、これが正式な住所(住居表示)でもあるという「わかりゃえーんだわ」式のとんでもない地名である。例えばミッドランドスクエアは、名古屋市中村区名駅四丁目(めーえきよんちょーめ)7番1号となる。
さらに横道にそれるが「ミッドランドスクエアにはどの書店が入るのか?」という話題があった。7倍強という競争率の中、どの書店も選ばれなかった。ブランドとグルメばかりができる。

さて栄に戻って、マナハウス。10月1日に親会社ダイテックに吸収され、ダイテックの書籍販売事業部となった。旧山一証券のビルは自社のものでマナハウスは施設名として残るようだが、さらに売り場を縮小させるかもしれない。今年1月には「不採算事業からの撤退」という表現も使っているからなぁ。
2000年11月のオープン時には、上の階にCDやDVDの売場もあったし、専門書もそこそこ揃った店であった。近隣の書店員を集めたとか、アメリカで見たような書店?だっけ、それをつくるのが社長の夢とか、噂話を聞いたが今後どうなってゆくのか。

さいしょのあおい書店も、やっぱりこちらも社長の意志があるのだろう。そうじゃなきゃ出店しないと思う。名古屋のひとから見ると、名古屋駅前がどれほど盛り上がっても名古屋のまちの中心は栄町(さかえまち)である。「栄町にこそ本屋を出したい」のはわかる。
『出版ニュース9月上旬号』の「2005年度書店売り上げ実績金額」で全国19位のあおい書店であるが、大変な時に大変なところへ挑戦したものだ。大きな書店のあいだの過酷な競争は終わらない。そして書店とネット通販との戦いもさらに広がるだろう。

こうした大きな書店が、あなたの通学・通勤する駅の本屋さんを蹴散らしてしまったかもしれない。既になくなってしまったところは残念だが、まだがんばっている町の本屋さんがあるなら、ネットで探し出した「書名、ISBNなど必要な情報をプリントアウトさせて本屋さんに持ってゆき注文」という方法もある。あなたが本屋さんが好きなら、多少の手間をかけてみてもよいと思う。

Categories: 書店, 名古屋

NIIと神田古書店がDB開発

2005-10-17

国立情報学研究所(NII)が東京・神田の古書店と協力して開発した新しいデータベースが公開されるそうだ。聴いたところによれば、これまで書名や著者名で古書を検索するものはあったが、このデータベースでは求める本に関する「キーワードや簡単な文章」で探すことができるという。もちろん各書店の在庫までたどり着ける。とりあえず10万冊の検索ができるようで、順次、拡大させる予定という。

調べたところ、2005年10月21日(金)オープンの「BOOK TOWN じんぼう」がそこらしい。そのページはまだトップページしかないが、神田神保町の新しいポータルサイトだという。 まあ古書検索の決定版となるかどうかは、オープン後のこと。でもNIIといえば「件名に絞って検索できない」Webcatですから、個人的には期待はささやかです。

それよりも不思議なこと。このニュースは昨日のNHKで流れたのを耳にしました。でもNIIのサイトには公式発表や関連情報がありません。(10月18日付けのNII NEWS に出ました。【追記10.19】)各新聞社のサイトにもなく、NHKにだけあります。このニュースはどこからNHKに伝わって全国放送されたのだろう。個人的なこと?なわけないし。

「神田古本まつり(10.28 - 11.3)」に合わせてのことと思うけど。

■関連→NHKニュース(動画あり)
※もうありません。→Googleキャッシュ  【2005.10.18追記】キャッシュもありません。【追記10.19】

Categories: NII (国立情報学研究所), 書店

旭屋書店名古屋ラシック店オープン

2005-03-10

杉花粉が猛烈に飛びはじめた3月9日、名古屋の繁華街・栄(さかえ)に開店ジュンク堂(名古屋駅前・2003.11)に続く関西大手の進出である。ラシックというのは三越の南館で、その5階6階それぞれ1/3程度に「ドーンと55万冊」そろえたという。

丸善丸の内本店を見て以来の、新しいビルの新しい書店は、きれいで広い。5階は背の低い棚で「横に広く」、そして、6階は背の高い棚で「縦に広く」、空間に変化がつけてある。その棚であるが、「これはぎっしり多く」「これは最低限を置くだけ」という割り切った印象の品揃え。POPがなくて本を入れただけの棚も、いずれこなれてくるだろう。他書店への影響は大きいと思うが、5階まで上がるのはどうか?  紀伊國屋(ナディアパーク6階)の例があるけど。

ちなみに花は、大きなものは左にダイヤモンド社・新風舎、右にNHK出版・日販、6階に中日新聞。もちろん他にもたくさん飾られていた。

なにより、開店から「5日間連続」粗品進呈、もちろん各日別のオリジナルグッズ、これは名古屋人に効くのではないか。(よその開店時でもやってるのかしらん。)

Categories: 書店, 名古屋

神田神保町の歩き方

2004-09-06

月刊誌『東京人』の最新号(10月号)は、神田古書店街の特集です。この特集は最近では1年おきにあって、だけど、それなりの内容に仕上がっており、手元に置いておきたくなる。今回も「マップ」付きです。

■関連→東京人(都市出版)

Categories: 書店, 逐次刊行物

ジュンク堂書店名古屋店がオープン

2003-11-11

11 月10日、雨の日の開店。背の高い書架が並び、この店らしさが感じられた。棚は理数系にも配慮しつつコンパクトにまとめてあるが、配置は変わってゆくだろう。「図書館みたい」という客の感想がここでも聞かれたが、私の関心からいえば棚は悪くないが品揃えは不十分、気持ちはわかるが中身がまだ、というところ。とにかく地元名古屋の書店への影響は間違いない。

ちなみに開店祝いの花は(雨で?)店内にあったため、ナント無傷であった。(花の配置は、右が角川書店、左が中日新聞社、他にもいくつかあった。)

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