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 図書館には、皆さんに気づかれずにひっそりと並んでいる本もあるでしょう。しかし目録担当者はすべての本と接しています。だからこそ見つけることができた本をここで紹介します。

分類 タイトル一覧
0 図書館映画と映画文献
1 庭仕事から学んだ人生のレッスン
2 三四郎の乗った汽車
3 ぼくたちは、銀行を作った。:ソニー銀行インサイド・ストーリー 京都スタイル
4 セレンディピティー:思いがけない発見・発明のドラマ
5 金鯱:やっぱりシャチだわ
6 Instant FUTURE:大阪万博、あるいは1970年の白日夢
7 演技でいいから友達でいて:僕が学んだ舞台の達人
8 英語となかよくなれる本 翻訳夜話  New
9 カモメに飛ぶことを教えた猫 書斎曼陀羅:本と戦う人々

読んでみたくなったら、OPACで検索してみましょう。  →  OPACで検索

 *紹介文の図書名の欄に「+α」とあるものは、おすすめの本に興味を持った人のために、
   当館の資料で関連するものを紹介しています。

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図書館映画と映画文献」 飯島朋子 著
(日本図書刊行会 2001年8月発行 ISBN : 4823107349)
   010/I29/ア (長)

 「図書館が出てくる映画には何がある?」と聞かれたら、真っ先に思い出す映画は何ですか?私はディズニーアニメの「美女と野獣」です。この映画の中で、本の好きなベル(美女の名前です。)を喜ばせたくて、魔法で野獣にされてしまっている王子様は、壁一面が本で一杯の、いわば個人の書斎をプレゼントします。とても喜ぶベル、それを見てうれしそうな野獣・・・。
 この本には、このような「図書館や書斎、図書館員」などが出てくる映画が集められています。まあ、よくこれだけ探して見たわ、と感心するほどの量の映画が紹介されています。
 さらに、何種類かのリスト、目録も作成されています。図書や雑誌記事として発表された「図書館映画に関する文献」にでてきた映画を、著者が考えた分類を付けてその文献と一緒にリスト化したもの。または、例えば「精神分析」に関して「映画でみる精神分析」、「日本人」に関して「スクリーンの日本人:日本映画の社会学」というように、あるテーマを扱っている映画に関する本のリストもあります。これらは、映画を研究している人、リストの中に出てくるテーマを研究している人々にとっても興味深いものなのではないでしょうか。

 見たことのある映画でも、こんな場面があったんだとあらためて気づいたものもありました。また、この本で紹介されている図書館がとても印象的でみてみようかなと魅力を感じた映画もありました。
 何か映画を見ようかなと思ったときの1つのガイドになるのではないでしょうか。 

目次 第一部 図書館映画解説
第二部 図書館映画一覧
第三部 文献目録 図書館映画に関する文献目録(発表年順)
             映画の本の図書目録(発行年順)
             映画のなかにこれを観る : 映画のこだわり本目録(件名順)
             参考文献掲載図書一覧(五十音順)

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「庭仕事から学んだ人生のレッスン」 ヴィヴィアン・エリザベス・グリック 著 ; 小梨直 訳
(白水社 1998年5月発行 ISBN:4560039909)           159/G 53(長)

 タイトルからも想像がつくかもしれませんが、この本は「人生訓」と呼ばれる種類の図書です。かといって、それほど重苦しく説教じみた本ではありません。どちらかというと、さらりと読める読み物だと思います。
 著者は庭仕事を通して様々なことに気付きます。「トマト」には支えが必要なこと、「レタス」は日差しの強い場所で育てられるとトウが立ってしまう、つまり適切な場所で育てていなかったことに気付きます。
 こうした庭仕事で失敗したこと、学んだことを人生に置き換えて著者は語ります。中には、あらためて活字で読んだことにより納得させられた部分もありました。また、当たり前、と思う部分もありました。

 巷によくある1冊だと言ってしまうこともできますが、この本の各章に掲載されている言葉がおすすめです。シェイクスピアの劇や旧約聖書の中の1節であったり、イギリスの詩人・随筆家であるエイブラハム・カウリーという人の詩の1節であったりします。知らない人の言葉も多くありました。この本で惹かれた言葉をたどって、その詩人の詩や聖書、劇を読む、というのも楽しい広がりとなるのではないでしょうか。

目次 第1章 準備がすべて
第2章 要はバランス
第3章 忍耐は美徳なり
第4章 ちがいを育てましょう
第5章 時には少ないほうが得
第6章 移植は時間のかかるもの
第7章 ひとつ場所に長居は禁物
第8章 厄介ものは追いはらいましょう
第9章 愛するものには支えを
第10章 収穫はライフサイクルを頭に入れて
第11章 冬のあいだの成長が肝心
第12章 静けさを大切に

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三四郎の乗った汽車」 武田信明著(江戸東京ライブラリー 5)
(教育出版 1999年2月発行 ISBN:4316358006)           2106/TA59(長)

 福沢諭吉の『西洋事情』は明治の開化期に最も広く読まれた本でした。そして広まったために「偽版」が出現し日本にも著作権という概念が紹介されることになります。
 また、小学校の教科書として採用された『西洋事情』の挿絵は、明治初期の小学生たちに忘れることのできない映像として西洋を示し見せつけたのです。

 この本は、明治初期の日本に入ってきた文明開化という名の異文化を、明治の人々がとまどい、驚き、不安になりながらも受けとめてきた様子を教えてくれます。
 活版印刷・汽車・線路・小学校・時間割・教科書・明治天皇・電信・電信柱などなど、著者は文学を専門領域としているため、これらの素材は明治の文学者たちの作品を交えて語られ、読んでいる私たちに当時の状況をわかりやすく想像させてくれます。

 漂流した船乗りが筆記体の英語を波のスケッチだと思ったエピソードから、6年ぶりの日本で方言という「異語」によって母国を母国だと感じられなかったジョン万次郎まで、明治に何が起きたのかを読んで確かめてみませんか。

目次

第一章 水のスケッチ
  1.最初の「西洋」. 2.『西洋事情』の絵 3.彦蔵漂流記

第二章 均(なら)される言葉
  1.文字のざわめき. 2.「平明さ」をもとめて. 3.『和英語林集成』

第三章 三四郎の乗った汽車
  1.漱石の汽車. 2.汽車は見世物だった. 3.線路上の死体
  4.窓の外が見えない. 5.車中の読書あるいは気詰まりな乗客

第四章 「学校」の「時間」
  1.標準時という思想. 2.「時」と「字」. 3.京都・一八七二年五月
  4.買えない教科書. 5.エッシャーの小学校

第五章 さまざまな上陸
  1.電信線に沿って. 2.「白鯨」と「黒船」. 3.漂民「サム・パッチ」

引用文献

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ぼくたちは、銀行を作った。 : ソニー銀行インサイド・ストーリー」 十時裕樹著 
(集英社インターナショナル 2001年7月発行 ISBN:4797670444) 338/TO73 (長)
 銀行ができるまでの過程に興味はないですか?
 この本は、インターネット専業である「ソニー銀行」を一から作った人々の話です。
 もちろん、銀行を一から作ったのですから、途中ではたいへんな時期もあったでしょう。しかし、著者である十時さん(「ととき」と読みます。この名前に関しても第十四話に楽しいお話が載ってます。)を中心として設立に関わった人々が、一心に銀行設立までの道のりを歩いていく様子を読むことができます。
 くすっと笑える面白い話が満載です。しかし面白いだけではありません。各話の最後には「COLUMN」があり、「資金運用」や「ブローカー」など意味がよくわからなかった事柄に関して、わかりやすい説明がついています。

 この本を読んでいるとき、たいへんだけど楽しく仕事をしている様子を想像することができました。読み終わった後で、楽しい気持ちになれる本だと思います。
目次 第一話 免許、ください      第二話 社長さんは派遣社員?
第三話 スーパー・セールスマン  第四話 天の岩戸
第五話 クイック・ターン     第六話 郷ひろみ?
第七話 インターネット銀行をつくろう  第八話 四つのポイント
第九話 オフィス完成       第十話 天才チェリーさん
第十一話 お父さん、どうしたの? 第十二話 神さま仏さま
第十三話 免許が来た!      第十四話 お電話ありがとうございます
第十五話 夜明けのしりとり    第十六話 ブランド
第十七話 ソニー遺伝子      第十八話 はじまりのおわり

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「京都スタイル」  濱田由利著
(毎日新聞社 2002年6月発行 ISBN:4620315710 1500円+税) 
3614/H22(長)

 著者は東京生まれの東京育ち。ある日、住み慣れた東京を外から見てみようと思い、次の住まいに京都を選びます。
 実際に生活してみると、京都独特の文化や風習あるいは京都人気質にぶつかって、とまどったり悩んだり考えたりしながらも、すでに9年も京都で暮らしているそうです。

 この本ではその9年間で著者が体験してきた数々の京都エピソードが紹介されています。少々京都ひいきに感じられる箇所もありますが、何となくすっきりしなかった京都人の行動の裏に、実はこんな意味があるのだと解説してくれます。

 仕事・暮らし・人との付き合い方など、自分の生き方にしっかりとした「こだわり」を持つ、それが長い年月で培われた『京都スタイル』であり、「こだわり」を持っているからこそ自分に自信が持てる、そんな京都人の強さみたいなものも感じました。

 京都で暮らすには少し勇気がいるようになるかもしれませんが、読み終わったとき「京都があってよかった」という著者の言葉に納得できると思います。

目次

はじめに 東京、ありがとう、さようなら

1  わたしがよければそれでいい
2  京都は伝染する
3  高価なものを「ほんのすこーし」
4  すべての価値は自分が決める
5  自然と交流するデザイン

あとがき 京都があってよかった

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セレンディピティー : 思いがけない発見・発明のドラマ」 R.M.ロバーツ 著 ; 安藤喬志訳(化学同人 1993年10月発行 ISBN:4759802495)   402/R52(長)
 散歩中に上着にくっついたオナモミ(ひっつきむしの一種)を取り除きながら「どうしてくっつくの?」と思い、顕微鏡で調べたジョージ・ドメストラルがいなければ、現在マジックテープを使うことはできませんでした。
 化学者フリードリッヒ・ケクレは跳ね回り踊り始める原子の夢を見て、分子構造の理論へと導かれました。
 この本には、「セレンディピティ(探してもいない貴重なあるいはすばらしいものを偶然に見つける才能)」・「擬セレンディピティ(追い求めていた目的への道を偶然に発見すること)」という聞き慣れない言葉が出てきます。時々、化学用語なども出てきます。最初は読むのに躊躇するかもしれませんが、読み出せばそんなことは忘れられます。
 偶然の出来事を見過ごさず「待ち受け」ていて、ピンときた時には「洞察力」を発揮して発見・発明をしてきた多くの科学者の、時には楽しげな、時には興奮している様子に興味が持てる1冊だと思います。
目次 1章 史上初のストリーカー  2章 新世界の発見  3章 マラリアにかかったインディアンとキナキナの木  4章 りんごはなぜ垂直に落ちる  5章 カエルの脚と電池  6章 乳しぼりの女と天然痘のワクチン   7章 元素発見をめぐるさまざまな物語  8章 麻酔剤発見の栄誉をめぐる争い  9章 有機化学を生んだ尿素合成  10章 ダゲールと写真の発明  11章 天然ゴムと合成ゴム  12章 分子でも左手型と右手型では大違い  13章 合成染料と合成顔料をめぐって  14章 夢から生まれた分子の建築  15章 ノーベル賞とダイナマイト  16章 象牙や絹糸をつくる  17章 新しい化学工業を生んだ実験室での偶然   18章 努力しないで成功するには:考古学におけるセレンディピティ  19章 天文学におけるセレンディピティーとの遭遇  20章 医学における偶然の発見  21章 X線、放射線、そして核分裂  22章 どんなに甘くても太らない  23章 飛び散らない安全ガラス  24章 抗菌性物質:発見への道  25章 成功の決め手:冷延伸法  26章 装置の漏れと汚れがくれた贈り物  27章 原子爆弾からフライパンまで     28章 「花」理論とアンチノック剤  29章 偶然見つかった予想外の効き目  30章 汚水と泥からとれた薬  31章 拓かれた有機合成の大地  32章 タフな奴:ポリカーボネート  33章 現代生活への贈り物    34章 生命の渦巻き  35章 着想、誤解、そして偶然  36章 クラウンとクリプタンド  エピローグ  訳者あとがき

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「金鯱:やっぱりシャチだわ」 INAXギャラリー名古屋企画委員会企画(INAX BOOKLET '92No.2)
(INAX 1992年5月発行 ISBN:4872757165)           529/KI46(長)

 今回は名古屋といえば?の「金シャチ」です。
問1.この「シャチ」を天守閣に初めてのせたと言われているのは誰?
問2.名古屋城か彦根城、会津若松城、福岡城。これらのお城でそろうものは何?
 答えは、問1「安土城を築いた織田信長」、問2「金・銀・銅のシャチホコ」です。天守閣にのっている「シャチ」というのは想像上の動物で、「鯱」という字も日本で作られた国字だそうです。

 この本には、このような鯱の基礎知識から、なぜ天守閣にのせたのかという鯱のルーツに関する話、名古屋のシンボルと言われるほど市民に浸透した「金シャチ」の、お疲れ様と声をかけたくなるような戦前戦後の歴史に至るまで、様々な角度からそしてシャチ好き・シャチ嫌いの両面からも、めいっぱい鯱について書かれています。

 なんで名古屋は鯱なのか?と読み始めて、サブタイトルにあるように「やっぱりシャチだわ」に落ち着くのかどうか、特に名古屋人の方、鯱のことじっくり知ってみるいい機会ですよ。

目次 ・全国シャチくらべ
・シャチのルーツ/木部与巴仁
・渦を吐く、マカラ・龍:シャチの図像学/杉浦康平
・屋根の上の動物たち/瀬口哲夫
・金のシャチホコ:聖武の観光・足利の黄金・家康の鎮魂--戦国武将の夢の夢 の夢/西川照子
・名古屋城・金シャチ伝/垂水健一
・座談会 名古屋と金シャチ/嶋村博、斉藤孝、井上章一
・名古屋金鯱パラダイス
 (商いするシャチ・ハレの日のシャチ・シャチのグラフィック・戦うシャチ・街に凄むシャチ・キバッてるシャチ・置物となったシャチ・みやげ物のシャチ)
・名古屋城金鯱身上書
・私の鯱体験記/岡本信也
・シャチホコに会えてよかった/下中美都
・近代を織る道具たち(8)手帳/榧野八束
・執筆者紹介

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Instant FUTURE:大阪万博、あるいは1970年の白日夢(ストリートデザインファイル 07)(アスペクト 2000年5月発行 ISBN:4757207158 2400円+税 606 / I57(長)

 水に浮かんだ東洋風の建物に続く橋の上に、ずらりと並んだ着物の女性たち。
 ピンクと黄色の着物が交互に並びとても鮮やかだけれど、どこか異質。

 1970年の大阪万博の写真集である、この本の表紙の写真です。
 「Instant FUTURE」と題されたこの本は、「人類の進歩と平和」を提唱した大阪万博を見ることができます。

 1970年、今から約30年前に想像された人類の進歩、言い換えれば「未来」は、笑ってしまうような創造物から実際に実現してしまったものまで様々です。
 ぱらぱらとページをめくって、あらゆるところに使われている赤や黄色の原色に目をやるのも楽しいですし、岡本太郎の「太陽の塔」や横尾忠則の世界でいっぱいのせんい館の写真もあるので、1枚1枚をじっくりみて自分なりの発見をするのもいいかもしれません。

 大阪万博開催期間中の迷子の数など、様々なデータもさりげなく紹介しています。

 今でも強烈な印象を与えてくれる大阪万博を一度覗いてみませんか?

目次  なし

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「演技でいいから友達でいて:僕が学んだ舞台の達人」  松尾スズキ 編
(岩波書店 2001年12月発行 ISBN:4000222619 1900円+税) 
 770/MA85(長)

 この本は対談集です。テーマは「演技について」。

 『演劇ぶっく』という雑誌で連載していたものに、新たに1つ対談を加え、池袋コミュニティ・カレッジで行われた編者の演劇講座第1回目の内容も付録として加えた、読み応えのある1冊になっています。
 編者の松尾スズキは劇団大人計画を旗揚げし、脚本・演出を手がけるほか舞台・TV・映画で役者としても活躍しています。対談した10人はすべて現役の役者ですが、役者になった経緯は宝塚出身、自分で劇団を起こした、歌舞伎俳優と様々です。

 彼らが自分の演技あるいは他人の演技について語っているのを読むと、思っていたよりも役に陶酔していないんだと感じて、それがとても新鮮でした。
 また、対談の前には編者である松尾スズキのコメントが載っています。短い中に対談者との関係が上手くまとめられているので、対談を読む前から読む気分を盛り上げてくれますし、この文章から作家としての松尾スズキを垣間見ることもできます。

 どの対談も面白いですが、「笑い」にこだわりのあるラサール石井や板尾創路、最近注目を集めている河原雅彦との対談は、いわゆる「役者」とは少し違った視点で語られているので面白いと思います。

目次

対談
吉田日出子   そこに「ただいる」こと
柄本 明    普通でいることの凄さ
ラサール石井  お客さんが「あそこに行きたい」と思えるような舞台
天海祐希    いかに動くか、いかに動かないか
板尾創路    本番が一番楽
野田秀樹    舞台を豊かに埋めること
大竹しのぶ   開幕して最初の声ですべてが出ちゃいますね
串田和美    どこかが似ている二人?
中村勘九郎   ザマアミロっていう歌舞伎を
河原雅彦    演劇はフィクションだけどステージはドキュメンタリー

特別付録(松尾スズキへの28の質問)
           2001年1月10日 池袋コミュニティ・カレッジ 演劇講座


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英語となかよくなれる本」 高橋茅香子 著
(晶文社 1999年2月発行 ISBN:4794963823 1800円+税)
   8307/TA33(長)
 「どんなふうに英語の勉強をしたのですか」という問いに、著者は「アガサ・クリスティに習ったの」と答えます。日頃から英語を用いて仕事をしてきた著者が、今までに読んできたペーパーバックや英語版のガイドブック、はたまた缶詰のラベルまで、様々な「読む」ということに関して紹介をしています。もちろん、トランプや小説を朗読しているカセットテープなど、「読む」以外のものも紹介されています。
 この本を通して、肩ひじはらずに自分の興味のある分野で英語と接することができたなら、それが英語嫌いをなくし、英語の上達につながっていくのではないかと考えました。
 春になると、無性に英語を勉強したくなりませんか?そんな人におすすめです。
 また、「読む」ということが好きな人にとっても、楽しい1冊となるのではないでしょうか。 
目次

i まずは洋書店へでかけよう
  1 アガサ・クリスティが先生だった  2 旅のおともに英語版ガイドを
  3 年末特集号は見逃せない!  4 読んで、読んで、読みまくれ
  5 あなたに似た人の書いたもの

ii 聞く・話す・伝える
  6 話したい言葉を用意しておく  7 聞くことの効用
  8 フォニックスって何だろう?  9 手紙をありがとう

iii 遊びながら学ぶ
  10 ことばのコレクション  11 ハウツー書をあなどるなかれ
  12 文法書とのすてきな再開  13 アメリカの教科書を読んでみよう
  14 クロスワードから子どもドリルまで

iv もう一歩さきへ
  15 翻訳のすすめ  16 もっと知りたい、調べたい
  17 いろいろな外国語を英語で学ぶ 18 点字英語の世界

おわりに

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翻訳夜話」 村上春樹、柴田元幸 著 [文春新書129]             +α
(文藝春秋 2000年10月発行 ISBN:4166601296 740円+税)
   8017/MU43(長)
 村上春樹はなぜ翻訳をするのか。まえがきで村上春樹自身がこの本でその答えを幾つか見つけることができたと書いています。
 読み終えた私には、「翻訳が好きだから。」という答えがすっと出てきました。

 翻訳者を志す人々に向けての3つのフォーラムでは、翻訳の本質に関わることが多く語られています。例えば、訳すという作業には書かれた原語に忠実すぎず離れすぎずという微妙な距離感があるとか、全体の文章のリズムが大切だとか、翻訳には翻訳者が投影されるとか、「僕」なのか「私」なのかでニュアンスがかなり変わってしまう、などなど。
 面白いと思ったのは、それらを説明するのに使う二人の日本語です。言葉を使うプロとしての一端を見ることができます。
 
 また、この本のためにお互いがそれぞれ書き下ろした、レイモンド・カーヴァーの『COLLECTORS』とポール・オースターの『AUGIE WREN'S CHRISTMAS STORY』の「競訳」も、訳者の違いを楽しめる企画です。巻末に原文があるので、自分だったらどう翻訳するのか二人に挑戦してみてもいいかもしれません。

 翻訳が好き、翻訳が楽しい、という著者2人の翻訳に対する愛情が隅から隅までめいっぱい詰まっているこの1冊を是非読んでみてください。 
目次

翻訳の神様 まえがきにかえて  村上春樹

フォーラム1 柴田教室にて
  ・偏見と愛情  ・かけがえのない存在として  ・作家にコミットすること
  ・雨の日の露天風呂システム  ・ビートとうねり

フォーラム2 翻訳学校の生徒たちと
  ・「僕」と「私」  ・he said she said   ・テキストが全て
  ・ヒントは天から降りてくる  ・日本語筋力トレーニング
  ・翻訳の賞味期限  ・百面相と自分のスタイル ・kidneyオブセッション
  ・「涙目」と「あばずれ」  ・越えられない一線  ・複雑化する愛

海彦山彦  村上がオースターを訳し、柴田がカーヴァーを訳す
  村上・カーヴァー「収集」
  柴田・カーヴァー「集める人たち」
  村上・オースター「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」
  柴田・オースター「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」

フォーラム3 若い翻訳者たちと
  ・"Collectors"の「僕」と「私」  ・良いバイアス・悪いバイアス
  ・訳者というペルソナ  ・作家に義理はあるか?
  ・トランスレイターズ・ハイ  ・声の大小  ・I don't know you
  ・キュウリみたいにクール  ・二人のオーギー  ・再び賞味期限
  ・カキフライ理論  ・カポーティとフィッツジェラルド

あとがき  柴田元幸

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カモメに飛ぶことを教えた猫」 ルイス・セブルペダ著 河野万里子訳
(白水社 1998年6月発行 ISBN:4560046530 1500円+税)
  963/SE78(長)

 これはスペインの作家ルイス・セブルペダによる物語です。
 物語の場所はハンブルグ。海と港、カモメそしてこの町に住む猫達の話。
 主人公のオス猫ゾルバは、ある日瀕死のカモメと出会い、命をかけて卵を産もうとするそのカモメと3つの約束をします。

 これから産む卵を食べないこと。
 ひなが生まれるまでの卵のめんどうを見ること。
 そして、ひなに飛ぶことを教えること。

 港の猫の誇りをかけて、ゾルバは仲間達と約束を果たします。
 カモメの母親が死んだ理由や、猫であるゾルバを母親と慕うひな鳥にゾルバが伝える言葉など、作者が語らせる言葉の一つ一つがとても印象に残りました。
 それは、この物語の鍵が「人間」にあるからだと私は思います。
 訳者あとがきに、あらすじや作者紹介が読みやすい文章で載っていますので、それを読んでから本文に入るのもいいかもしれません。読み終わって納得できる1冊です。

目次

第1部  1.北の海  2.ふとった真っ黒な猫  3.ハンブルグの港
      4.猫が誓った三つの約束  5.助けを求めに  6.奇妙な館
      7.百科事典を読む猫  8.ゾルバ、卵をあたためる
      9.悲しみの夜

第2部  1.ひな鳥のママはオス猫  2.ママは大変
      3.ピンチ、またピンチ  4.またまたピンチ  5.オスかメスか
      6.幸運のフォルトゥナータ  7.飛ぶ練習開始
      8.猫たち、タブーを破る  9.人間に力を借りるとき
      10.猫と詩人  11.大空へ

訳者あとがき         

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「書斎曼荼羅 : 本と闘う人々  1」  磯田和一 絵と文
(東京創元社 2002年3月発行 ISBN:4488014208 1600円+税)

                                        91026/I 85-2/1 (長)

 大掃除をした時、部屋にある本をどうしようかと、しばし呆然としませんでしたか?それほど多くない本でさえ置き場所にこまるのに、作家や翻訳家の人々はどうしているのでしょう。

 本を収納できる家を建てて引っ越してしまったり(小池真理子氏)、約5mもの高さがある本箱のため、上の方に置いてある本は双眼鏡を使って探す(阿刀田高氏)など、まさに「本と闘っている人々」が、その書斎のイラストとともに紹介されています。

 本の量は一般人とは比べものにもなりませんが、様々な書斎を垣間見ることも出来て、楽しかったです。

 続編もあり、合わせて30人以上の人々の「本との闘いぶり」を見て、読むことができます。

目次 愉しき仕事
関口苑生、 京極夏彦、 佐野 洋、 大沢在昌、 林 望、 真保裕一、 藤野邦夫、 逢坂  剛、 小池真理子、 
藤田宜永、 山田風太郎、 花村萬月、 磯田和一、 
菊地信義、 阿刀田高、 縄田一男、 井上夢人
僕の仕事場の、その後の状況報告
[特別取材]小池利栄子氏