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卒業論文抄録
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2004年度 卒業生
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R−1こちらのページでは、学生が制作した卒業論文の抄録をご覧いただくことができます。
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ベビーサインが子どもの言語発達に及ぼす影響
吉村 まどか
1. 問題
ベビーサインとは、まだ言葉を話しはじめる前の乳幼児とコミュニケーションするための身振りや手振りのことである。たとえば、両手の手のひらを重ねて差し出すと「ちょうだい」のサイン、人差し指で反対の手のひらを何度かたたくで「もっと」のサインになる(アクレドロ・グッドウィン、1996)。乳幼児は1歳を過ぎた頃から少しずつ話し言葉を使いはじめるが、それでも話し言葉をうまく使えるようになるまでには長い時間かかる。そこでベビーサインを使えば、赤ちゃんと意思疎通ができるようになり、画期的なコミュニケーション手段となる。吉中(2002)によると、ベビーサインには大きく分けて4つのメリットがあるという。1) 親と子のフラストレーションを減らす。2) 乳幼児の気持ちが分かる。3) 親子の絆がより深まる。4) 話し言葉の発達に良い影響がある。そこで本研究では、これらの効果から特に4)に注目し、ベビーサインを使用した子どもは、そうでない子どもに比べ言語発達が速くなるという仮説を立て検証する。
2. 方法
ホームページ及び友人の紹介から6ヶ月〜2歳以下の乳幼児7人(ベビーサイン使用者3人・未使用者4人)を対象にKIDS乳幼児発達スケールを利用したアンケートを依頼し、1ヶ月おきに4回実施した。その結果から2つのグループの発達年齢を比較し、分析する。
3. 結果
ベビーサイン使用者と未使用者の値を比べると、ベビーサイン使用者には発達速度に差は見られなかった。また、7人のうち6人の乳幼児が平均よりも高く、発達年齢が生活年齢を上回った。特にベビーサイン未使用者に関しては、1歳以上の乳幼児の発達が平均値よりも1.5から5倍もあり、発達が速かった。
4. 考察
ベビーサイン使用者と未使用者の値を見比べてもほとんど大差は見られず、ベビーサインを使いはじめてすぐの段階では発達に有効であることが証明できなかった。それは本研究に取り組むにあたって期間と年齢をあらかじめ決め制限していたので、ベビーサインが与える影響はまだ出なかったが、可能性も考えなければならない。もう少し長い期間調査を続けたら効果があったかもしれない。また、人数を増やして大規模な調査を行ったら、詳細でより信頼できる結果が得られると考える。しかしながら、ベビーサインを使用している親から「子どもの気持ちが見えたことで、子育てに余裕が持てるようになった」などという感想が寄せられ、ベビーサインは親子のコミュニケーション手段として重要な役割が果たされていることが明らかになった。ベビーサインには言語や認知発達だけでなく、ほかにも精神的なメリットがもたらされることが分かった。今後のベビーサインの研究で言語・認知発達だけではなく、そういった精神面にも注目することを期待する。
【文献】
アクレドロ L.・グッドウィン W.(1996)たきざわ あき(訳)『ベビーサイン:まだ話せない赤ちゃんと話す方法』径書房
吉中M.・吉中M.(2002)『赤ちゃんとお手てで話そう:親子で楽しむベイビー・サイン』実業之日本社
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