 |
|
卒業論文抄録
|
|
2003年度 卒業生
|
R−1こちらのページでは、学生が制作した卒業論文の抄録をご覧いただくことができます。
|
|
カナダのNPO
杉浦裕美
1.カナダのボランティアリズム
カナダはボランティア先進国である。1987年の全国調査によると、15歳以上の国民の約25%がボランティア活動を行っている。カナダにおいて“ボランティアリズム”とは、社会サービスを提供する際の、ボランティア活用主義という意味として通常用いられ、公共のサービスを行政にたよらず、市民自らで紡ぎだし運営するという非政府・民間主導主義の意味も含まれている。社会全体でボランティアを評価する仕組みがあることが、ボランティアを盛んにしている要因になっている。
2.カナダのNPO
カナダでは、就職などでボランティア活動歴が認められるといった実益がある。さらに、働き盛りの人でもボランティア活動が容易で雇用体制も柔軟なため、キャリアの一段階にNPOで働くことが容易に選択できる。そういった社会経済的な背景もNPO活動の底上げにつながっている。また、行政を教育することもNPOの役割であり、このことはNPOの誇りを尊重するためにも重要なことである。なぜなら、行政が開かれた柔軟なシステムをとり、NPOの提言を常時聞くようにすることで、NPOが誇りとやりがいをもって社会サービスに参画できるようになるからである。
3.行政・企業・市民とNPO
カナダでは、行政革命時、行政サービスの外部移管による行政職員の削減と政府補助金の大幅なカットが進行していた。このため、NPOは慢性的な歳入不足に直面し、その不足を埋めるために、日常的に資金集めイベントが企画されていた。さらに、もう一つの大きな資金源となったのが、企業からの支援や寄付金である。企業フィランソロピー事業の重要性は高まってきており、単に資金を出すだけのチャリティーやフィランソロピーだけではなく、社員自らが地域のために汗を流す企業ボランティア活動も重視されてきている。
4.NPOマネージメント
ボランティアマネージメントとは、社会サービスを実施する団体や組織がボランティア業務やボランティアスタッフに対して施す人事管理の一連のプロセスである。その目的は、ボランティアを通じて質の高いサービスが利用者に提供されると同時に、ボランティアが金銭面以外の手段を通じて高い職務満足感を持ち続けられるようにすることにある。ボランティアは「消費者」であり、それがボランティアマーケティングの考え方である。同時に、ボランティアによるサービスの利用者もまた「消費者」である。ボランティアによるサービスを受ける利用者には、消費者として一定水準以上のサービスを受ける権利がある。この両方の消費者の利益をいかにして両立させるかが課題となっている。
5.NPOの活動事例
ブリティッシュコロンビア州は、人口約400万人の中に様々な文化的な背景をもった人々がいる。そのため、バンクーバー市には多文化共生に関わるNPOが多い。また、カルガリー市は特にボランティア活動が熱心で、カナダ一のボランティア参加率を誇っている。
【文献】
ジェフリーG・ライツ〔1994〕『カナダ多民族社会の構造』晃洋書房
|