|
スピッツの魅力
-草野正宗の歌詞の世界-
河邉陽子
1.問題
ロックバンド「スピッツ」のボーカル草野正宗の描く歌詞はとても変わっていて、他のアーティストではありえない、とても独特で不思議な世界である。草野正宗が描くその歌詞の世界は、どんな特徴を持っているのかを研究する。そしてスピッツというバンドの魅力と作詞家草野正宗の魅力を探る。
2.方法
歌詞の内容、特徴を分析していく。具体的に、初期の3作品と最近の3作品の歌詞に含まれている単語を細かくみていき、歌詞に変化はみられるのか。変化がみられた場合はどのように変化していっているのかということを調べる。
3.スピッツ
1987年、上京してきた4人(草野マサムネ→ボーカル、三輪徹也→ギター、田村明浩→ベース、崎山龍男→ドラムス)でスピッツが結成され、現在結成18年目である。今までシングル24枚、アルバム12枚をリリースした。ほとんどの曲の作詞作曲を手がけている草野は「外国人が自分の国の言葉で歌うように、日常の日本語で歌いたい。」「日本語をどう歌うかが、日本のミュージシャンの未来だと思う。」と言っている。このようにスピッツは日本語に誇りを持っているバンドである。
4.歌詞
初期の3作品と後期の3作品の歌詞の違い。
歌詞の中に出てくる自分のことを表す言葉の割合。
初期 僕→58% 俺→3% なし→39%
後期 僕→20% 俺→18% なし→62%
歌詞の中に出てくる相手のことを表す言葉の割合。
初期 君→62% あの娘→4% なし→34%
後期 君→72% あの娘→3% 彼女→3% あなた→3% なし→19%
5.考察
草野の詞は一般的にとても暗くて内向的である。しかし、実際に曲に乗せると青春ポップスの代表のようなとても爽やかな曲に聴こえる。メロディーと詞の融合でお互いが違うように響くのである。これはスピッツの良さといってよい
初期の作品には最近の作品よりロックさ、フワフワっぽさがある。ファンがみる草野の作品としては、初期の作品の方が空想の世界を堪能できる草野らしい独特の世界なので人気がある。しかし初期のような作品を書き続けていたらスピッツがブレイクすることはなかった。だからスピッツは売れるためにフワフワと空想の世界を飛んでばかりで空想の中だけでしか生きられないような詞から、大地に足をついて自分の足で地上を歩いていくという考え方もはじめたのである。前は空想の世界だけであったのが、空想プラス現実もみることができるバンドになったのである。もちろん、今までのスピッツの考えを壊したのではない。スピッツの歌詞に不可欠な少年の心、少女の心を持ったまま、大人の心も持ちはじめたのである。
【文献】
田家秀樹(2001)「J-POP時評 1989〜2001 音楽の向こうに現在がみえる」ヤマハミュージックメディア
スピッツ(1998)「スピッツ」ロッキング・オン
|