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卒業論文抄録
2003年度 卒業生
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一女児1歳7ヶ月および2歳0ヶ月における日本語の動詞と形容詞

安西香織

1.問題

本稿では、一女児(2;0)における日本語の動詞と形容詞について研究した。幼児が発話する頻度の高い単語について、両親がその単語を発話する頻度との関わりに注目した。

2.方法

本稿で使用した言語資料は、以下の通りである。1994年12月8日に日本国愛知県名古屋市で誕生し、成長した日本人の一女児の話し言葉を両親などの協力の下に、8ミリビデオテープに記録したものを転記したものである。観察対象児は長女であった。観察期間を通じて、1990年6月2日生まれの兄がいた。父親の学歴は大学院修士課程終了。母親の学歴は四年制大学卒業。転記の際の書式は、Oshima-Takane and MacWhinney(1995)を採用した。元データは毎週一時間をめどに8ミリビデオカメラを用いて、大野清幸が録音・録画した。本稿で分析する言語資料は(1;7)および(2;0)のものである。

3.結果

一女児2歳0ヶ月における日本語の動詞と形容詞について、同じ一女児1歳7ヶ月における日本語の動詞と形容詞の発話資料と比較し、考察する。両親における日本語の動詞と形容詞の発話資料とも関連づけて考察する。以下の表として要約し、考察した。
表1 一女児2歳0ヶ月における動詞:頻度順上位15位
表2 一女児2歳0ヶ月における形容詞:頻度順上位15位
表3 一女児1歳7ヶ月における動詞:頻度順上位15位
表4 一女児1歳7ヶ月における動詞(辞書形で同じものを合計した場合):上位15位
表5 一女児1歳7ヶ月における形容詞:頻度順上位15位
表6 一女児1歳7ヶ月における形容詞(辞書形で同じものを合計した場合):上位15位

4.考察

2歳0ヶ月、1歳7ヶ月共に、Y児が発話する頻度の高い単語は、両親が発話する頻度も高い単語が多いのは、両親が子供の理解力を引き上げるために、同じ単語を繰り返し用いるケースが多いことが理由のひとつと言える。両親が発話する頻度の高い単語ほど、Y児は早く獲得するのである。

2歳0ヶ月、1歳7ヶ月共に、Y児が発話する頻度の高い単語が、比較的短い単語が多いのは、発音しやすく、覚えやすいからである。

2歳0ヶ月は1歳7ヶ月に比べ、異形態が少なく辞書形がほとんどである。このことから発音が大人に近づいたと言える。

2歳0ヶ月における形容詞は、1歳7ヶ月の形容詞に比べ、単語数が増えていることから、幼児がどんどん単語を獲得していっていることがわかる。

2歳0ヶ月、1歳7ヶ月共に過去時制の形容詞が一単語ずつしか存在しないことから、形容詞の過去時制の獲得は遅いと言える。

【文献】

大久保愛(1967)『幼児言語の発達』東京堂出版

Oshima-Takane, Yuriko, and Brian MacWhinney (Eds). (1995) CHILDES manual for Japanese. Montreal: McGill University.

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